↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
底辺から始める、《与える》だけの無双伝 ~えぇ、与えていただけですよ?でも実は……知らないうちに守られていました!!♪!!?~  作者: わっぱるぅ
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
148/154

第百四十一話 風を統べる、者たち

一 筆頭武官、ライナ

 アステリアが、国として、成長する中——カインが、組織の、見直しを、提案した。


「アルク」カインは言った。「アステリアの、防衛体制を——きちんと、整えるべき、です。今は

——ガレオが、防衛隊を、まとめていますが。国として、認められた、以上。もっと、明確な、指揮系統が、要ります」


「確かに、そうだな」アルクは言った。「ガレオ一人に——任せきりだった」


「そこで——提案です」カインは言った。「ライナを——アステリアの、筆頭武官に。全軍の、統括と、戦略を、担う、立場に」

「彼は——元・帝国四将」カインは言った。「一軍を、率いた、経験も、戦略眼も、ずば抜けています。本来——一防衛隊に、収まる、器では、ない。彼の、力を——活かすべきです」

「俺も——そう思ってた」アルクは言った。「ライナの、実力なら。大きな、役割が、ふさわしい」


 アルクは——ライナを、呼んだ。


「ライナ」アルクは言った。「お前に——アステリアの、筆頭武官を、頼みたい。全軍の、統括と、戦略を。——有事には、全軍を、率いてほしい」

「俺が——筆頭武官?」ライナは、驚いた。「いいのか。俺は——元・敵だぞ」


「元・敵だからこそ、だ」アルクは言った。「お前は——帝国で、戦いを、知り尽くしてる。その経験が

——アステリアを、守る、最大の、力に、なる。それに——お前を、信頼してる」


「アルク——」ライナは言った。


「ガレオは——防衛隊の、現場を、まとめる、隊長として」カインが、言った。「ライナは——全軍の、統括と、戦略を。二人で——アステリアの、守りを、支えて、ください」


「ガレオ、それで——いいか?」アルクは、ガレオに、聞いた。

「もちろんです!」ガレオは言った。「ライナさんは——俺の、恩人で、師でも、ある。ライナさんが、全軍を、統括して、くれるなら——心強い。俺は、現場で、隊員を、まとめます」


「……わかった」ライナは言った。深く、頷いて。

「お受け、する。アステリアの、筆頭武官として。

——この、命に、かけて。アステリアを、守る」


 元・四将、ライナが——アステリアの、筆頭武官に。

 その、格にふさわしい、立場を——得た。


二 空からの、影

 ライナが、筆頭武官に、なって——数日後。

 その、最初の、仕事が、訪れた。

「アルク殿!」見張りの、ナミが、駆けてきた。「空に——何かが!」


 一同が——空を、見上げた。

 遥か、上空。


 翼を、広げた、影が——いくつも、舞っていた。鳥? いや——違う。

 もっと、大きく。そして——人のような、姿。背に、大きな、翼を、持つ、人々。


「空を——飛ぶ、人?」ネッサが、目を、見開いた。


「あれは——」セバスが、各国の、資料を、思い起こした。「翼を持つ、種族。——天空の、民、と、呼ばれる、者たちでは」

『……敵意は、感じない』エニが、言った。『だが

——警戒している。そして——何かに、追われ、疲弊している』


「追われてる——?」アルクは言った。


 空飛ぶ、人々が——アステリアの、上空で、旋回した。そして——一人が、ゆっくりと、降りてきた。


三 天空の、民

 降り立ったのは——一人の、若い、女性だった。

 背に、白く、大きな、翼。風を、まとったような、軽やかな、装い。だが——その顔には、疲労と、焦りが、滲んでいた。


「あなたたちは——地上の、民?」女性は言った。警戒しながら。「お願い——助けて。わたしたちの、一族を」

「落ち着いてくれ」アルクは言った。「俺は、アルク。アステリアの、まとめ役だ。——何が、あった?」


「わたしは——シエル」女性は言った。「天空の、民、ウィンドラ族の、長の、娘。わたしたちは——空に、浮かぶ、島で、暮らしてきた。でも——」


 シエルの、声が、震えた。


「島が——墜ちかけてるの」シエルは言った。「島を、浮かべている、『風の、聖石』が。澱みに

——侵されて。力を、失いかけている。このままじゃ——島が、地上に、墜落する。一族、みんな——死んでしまう」


「島が——墜落!?」アルクは、息を、呑んだ。

「澱みに、侵された——?」リィナが、はっと、した。「ネブロスの、澱みが。空の、島にまで——」


四 駆けつける

「シエル」アルクは言った。「その、聖石は——浄化、できるのか?」

「わからない」シエルは言った。「でも——あなたたちは、魔の獣を、退ける、力が、あると、風の噂に。だから——藁にも、すがる思いで、降りてきたの。お願い——一族を、助けて」


「わかった」アルクは言った。「行こう」


「でも——島は、遥か、上空よ」シエルは言った。

「地上の、民が、どうやって——」


「俺たちには——方法が、ある」アルクは言った。「アルファ!」

『おう!』アルファが——大きくなった。橙色の、リボンを、なびかせて。


「竜——!?」シエルが、驚いた。


「これに、乗っていく」アルクは言った。「シエル、案内してくれ。島まで」

「あ——ええ!」シエルが、頷いた。

 アルク、ヴィナ、ネッサ、リィナが——アルファの、背に、乗った。ライナも、筆頭武官として。


『しっかり、掴まりや!』アルファが、言った。


 アルファが——大空へ、舞い上がった。シエルと、天空の民が、先導する。

 雲を、抜け——遥か、上空へ。

 そこに——浮かんでいた。

 空に——一つの、島が。緑に、覆われ、滝が、流れ、美しい、集落が、ある、空の島。

 だが——その島が。ゆっくりと、傾き、高度を、下げていた。墜落しかけて。


五 ルミの、宝物

 島の、中心。

 そこに——大きな、水晶のような、石が、あった。風の、聖石。本来は、清らかな、青色のはずが

——今は、黒い澱みに、侵され、ひび割れていた。


「これが——風の、聖石」アルクは言った。「澱みに——やられてる」


「もう——力が、ほとんど、残ってない」シエルが、涙ながらに、言った。「島が——もう、保たない」

「アルク——急いで!」ヴィナが、言った。島が、大きく、傾いた。


「《還元》で——浄化する!」アルクは言った。「でも——これだけ、侵食が、進んでると。浄化してる間に——島が、墜ちる」

「浄化と、同時に——島を、支えないと」リィナが、言った。「でも——どうやって、この、巨大な島を」


 その時。


「ルミ」アルクは——回復と、空間の、守り手を、見た。「お前の、空間の力で——何か、できないか?」

「……やってみる」ルミは言った。白い、もふもふの小鳥の、姿で。


 ルミが——集中した。


 そして——亜空間に、手を、伸ばした。

『……あった』ルミが、言った。『ずっと、亜空間の、奥に、眠ってた——古い、宝物』


 ルミが——亜空間から、何かを、取り出した。

 それは——淡く、輝く、無数の、光の、糸の、束だった。まるで——光で、織られた、巨大な、網のような。


「これは——?」アルクは言った。


「《天網(てんもう)》」ルミが、言った。「ずっと、昔。あたしが——まだ、本当の力を、思い出す前から。亜空間の、奥に、眠ってた、もの。空間を

——支える、力。重いものを——浮かべ、支える、光の、網」


「そんなものが——亜空間に!?」アルクは、驚いた。

「あたしも——忘れてた」ルミは言った。「でも

——今、必要だって。亜空間が——教えてくれた」


六 ルミの、覚醒

 ルミが——《天網》を、広げた。

 光の、網が——空の島の、下に、広がり。墜ちかけた島を——下から、支えた。


 島の、傾きが——止まった。


「島が——支えられてる!?」シエルが、驚いた。

「今のうちに——浄化する!」アルクが、聖石に、手を、かざした。「《還元》——!!」


 聖石の、澱みが——アルクに、引き戻され、浄化されていく。だが——侵食が、深い。時間が、かかる。

「ルミ——もつか!?」アルクは言った。

「……っ」ルミが、苦しげに、言った。「この、島

——重い。あたしの、力だけじゃ——」


 その時。

 ルミの、体が——眩く、輝き始めた。


「ルミ——?」アルクは言った。

「あたし——もっと、力を、出さなきゃ」ルミは言った。「アルクが——浄化を、終えるまで。この島を、みんなを——守らなきゃ。あたしは——守り手、だから」


 ルミの、白い、小鳥の、姿が——光に、包まれた。


 そして——その姿が、変わっていく。

 より、大きく。より、神々しく。白い、翼を、大きく、広げた——光の、鳳凰のような、姿に。

『……これが』ルミの声が——深く、力強く、響いた。『あたしの——本当の、力。回復と、空間を、統べる——守り手の、真の姿』


「ルミ——覚醒したのか!?」アルクは、言った。


『うん』ルミは言った。『アルクが——浄化に、集中できるように。あたしが——この島を、絶対に、墜とさない。守りの、空間で——包み込む』


 ルミの、《天網》が——さらに、強く、輝いた。光の、鳳凰が、翼を、広げ。空の島、全体を——優しく、包み込む。

 島が——完全に、安定した。


七 空の、島を、救う

「今だ——!」アルクは、浄化に、全力を、注いだ。

「《還元》——全開!」

 聖石の、澱みが——一気に、引き戻され、浄化されていく。黒く、ひび割れていた、聖石が——少しずつ、本来の、清らかな、青色を、取り戻していく。


「もう少し——!」アルクは、叫んだ。


 そして——ついに。

 風の、聖石が——完全に、浄化された。

 ひび割れも——アルクの、《創生》で、修復された。


 聖石が——眩い、青色の、光を、放った。

 その、瞬間。

 墜ちかけていた、島が——ふわりと、浮き上がった。本来の、高度へ。聖石の、力を、取り戻して。


「島が——浮いた——!」シエルが、歓喜の、声を、上げた。「助かった——一族が、助かった——!」

 ルミの、光の、鳳凰が——役目を、終え。再び、白い、小鳥の、姿に、戻った。だが——その瞳には、新たな、力の、輝きが、宿っていた。


「ルミ——よくやった」アルクは言った。「お前の、おかげだ」

「えへへ」ルミは言った。少し、照れて。「……照れてない、けど」


「何も、言ってないぞ」アルクは、笑った。

「うう——!」


八 風の、縁

 空の島は——救われた。

 ウィンドラ族の、人々が——アルクたちに、感謝した。

「地上の、民よ」ウィンドラ族の、長が——シエルの、父が、言った。「お前たちは——我らの、一族を、救ってくれた。この、恩は——生涯、忘れぬ」


「困ってる人がいたら——手を伸ばす」アルクは言った。「当然のことだ」


「お礼が、したい」長は言った。「我ら、ウィンドラ族は——風を、操り、空を、飛ぶ、力を、持つ。もし——お前たちが、望むなら。我らも——アステリアと、縁を、結びたい。空からの、目として。空の、守りとして」

「ぜひ——!」アルクは言った。「空を、飛べる、仲間がいれば。アステリアの、守りも、偵察も——格段に、広がる」


「シエル」長は——娘を、見た。「お前、アステリアへ、行ってみるか。我ら、ウィンドラ族の、代表として」

「いいの——?」シエルが、言った。「わたし——アステリアの、みんなと。もっと、仲良く、なりたい」

「ああ」アルクは、笑った。「歓迎する。——ようこそ、シエル」


 その時。


 アルクは——《創生》が、また、解放されるのを、感じた。

『……アルク』エニが、言った。『ウィンドラ族と、縁が、結ばれた。——お前の《創生》が、また一段。今度は——「風」と、「空」に、関わる、力が、加わった』


「風と、空——」アルクは、つぶやいた。「空を、舞う、道具。風を、操る、仕掛け。——色々、創れそうだ」


「アルク」リィナが、言った。「ウィンドラ族の、風の、技術と。私と、フィリア殿の、研究を、合わせれば——空を、飛ぶ、道具を、発明できるかもしれません。アルクさんの、門と、アルファの、翼に、続く

——第三の、空の、力に」


「面白いな、それ」アルクは言った。「みんなが——空を、飛べるように、なるかも」


 空飛ぶ種族、ウィンドラ族との、縁。

 ルミの、覚醒。亜空間からの、宝物、《天網》。


 そして——空への、可能性。

 アステリアの、世界は——空にまで、広がっていった。


「アルク」ヴィナが、空の島から、地上を、見下ろして、言った。「世界は——広いな」

「ああ」アルクは言った。「地上も。地底も。——空も。まだまだ、知らないことが、たくさんある。だから——面白い」


 風が——アルクたちの、頬を、撫でた。

 空の、島の上で。


 新たな、縁と、新たな、力を、得て。

 星の国の、物語は——空へと、羽ばたいていった。

お読みいただき、ありがとうございます。

ご評価⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️、リアクション、ブックマーク頂けますと執筆の励みになります。

どうぞよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。