こぼれ話【恋模様】── 描かれなかった、ある日
ヴィナとネッサ ── ある日の見つめ合い
ふと、二人の視線が合った。
どちらからともなく、ふっと笑う。
「……同じこと考えてましたね」
「たぶんな」
何を考えていたかは、言わなくてもわかる。
好きな人が、同じだから。
それでも憎めないのが、この二人でした。
ヴィナとネッサ ── ある日の夜空
「ヴィナさん。星、きれいですね」
「ああ」
「あの人にも、見せたいですね」
「……お前は、ほんとうに素直だな」
「ヴィナさんが、素直じゃなさすぎるんです」
「……かもしれん」
夜空の下、二人の恋は、静かに続いていく。
ヴィナとネッサ ── ある日の宣戦布告
「ヴィナさん、今日のごはん、あたしが作ります」
「珍しいな」
「胃袋、掴んでおこうかと思って!」
ヴィナは、ふっと笑った。
「なるほど。それは……手強いな」
「でしょう?」
台所から漂う湯気の中で、二人の攻防は、今日も平和です。
ヴィナとネッサ ── ある日の朝
「ヴィナさん、おはようございます!」
「……朝から元気だな」
「好きな人がいると、毎日楽しいので!」
ヴィナは、コーヒーを一口飲んで、ぽつり。
「……その気持ちは、わからなくもない」
「あっ、今、認めましたね!?」
「……忘れろ」
ヴィナとネッサ ── ある日の張り合い
「あたし、今日で連続十日、早起きしました!」
「それがどうした」
「えらいでしょう? アピールです、アピール!」
ヴィナは涼しい顔で言った。
「あたしは、毎日夜明け前に起きている」
「……ずるい! それ、ずるいです!」
勝負にすらならなかった。
ヴィナとネッサ ── ある日の相談
「ヴィナさんって、恋のライバルなのに、なんで相談しちゃうんだろ」
ネッサが、頬杖をついて言った。
「あたしに聞くな」
「でも、いちばん話しやすいんですよね」
ヴィナは、少し困った顔をした。
「……あたしも、だ」
つい、認めてしまった。
ヴィナとネッサ ── ある日の鏡の前
「ヴィナさん、この服、変じゃないですか?」
「似合っている」
「即答! ちゃんと見てます?」
ヴィナは、ちゃんと振り返って、もう一度言った。
「……本当に、似合っている」
ネッサは、顔を赤くした。
「そ、そういうの、ずるいですよ……」
ヴィナとネッサ ── ある日のため息
二人そろって、同時にため息をついた。
「「はぁ……」」
顔を見合わせて、噴き出す。
「同じタイミングでしたね」
「……考えてることが、同じなんだろう」
「ですね」
恋する乙女は、時々、同じ顔になる。




