こぼれ話── 描かれなかった、ある日
【描かれなかった、ある日】── カインの手紙
**その一**
夜更け、研究者カインは一人、ランプの下にいた。
遠くにいる父へ、届かないかもしれない手紙を書いている。
「元気です。仲間も、増えました」
書いては消し、また書く。
言いたいことは、いつも多すぎて。
**その二**
結局、短い一文だけを残した。
「あなたが誇れる息子で、いられているといいのですが」
ランプを消して、彼は目を閉じた。
冷静な司令塔にも、語られない夜がある。
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【描かれなかった、ある日】── コレンの贈り物
ある朝、ネッサの枕元に、小さな木の実が置いてあった。
火の狐コレンが、どこかで見つけてきたらしい。
「コレン、これくれるの?」
コレンは、照れたように顔をそむけた。
言葉のない“ありがとう”と“大好き”。
その気持ちが、いちばん温かいのです。
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【描かれなかった、ある日】── アルクの休日
**その一**
珍しく何もない一日。
仲間たちは「たまには休め」とアルクを送り出した。
だが数時間後、彼は普通に道端で困っている人を助けていた。
「……あいつは、休み方を知らないな」とヴィナ。
みんな、ちょっと呆れて、そして笑った。
**その二**
夕方、帰ってきた主人公に、ネッサが聞いた。
「休めましたか?」
「ああ。人の役に立てて、いい休みだった」
それを聞いて、みんなは何も言えなかった。
——こういう人だから、みんな放っておけないのです。




