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底辺から始める、《与える》だけの無双伝 ~えぇ、与えていただけですよ?でも実は……知らないうちに守られていました!!♪!!?~  作者: わっぱるぅ
第一章

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第百話 約束の場所で

一 儀式の、準備

 翌日。嘆きの古戦場——ヴィナが、カトレアを得た、あの場所。四人の仲間が、眠る場所へ、向かった。

 アルク、ヴィナ、ネッサ、そして、守り手たち。他の仲間も、静かに、見守った。


「ここで、やる」アルクは言った。「四人の魂が、眠る場所。——縁が、一番、繋がりやすい」


「アルクさん」ネッサが言った。「あたし、どうすれば?」


「ネッサの召喚で、魂の器を、用意する」アルクは言った。「俺が、付与で、お前を、高める。エニが、縁の糸で、四人の魂を、手繰る。——でも」


「でも?」


「魂を、この世に、留めるには——強い、よすがが、要る」エニが言った。『何か——四人と、ヴィナを、繋ぐ、強い縁の、象徴が』


 その時。


 アルクは——懐から、二つのものを、取り出した。


 一つは——星のように輝く、青白い小瓶。ずっと前に、ルミが「大事にしろ」と言った、あの小瓶。


 もう一つは——タークのメダル。タークが、託してくれた、お守り。


「ルミ」アルクは言った。「この小瓶は——何だったんだ? ずっと、大事にしろと、言っていた」

「……あたしにも、わからなかった」ルミは言った。「でも——ずっと、感じてた。これは、『魂を、繋ぐ』ための、ものだって。賦活師が、いつか、本当に必要なときに、使うものだって」

『その小瓶——』エニが、言った。『中に、清らかな、縁の光が、宿っている。魂を、この世に、留める、よすがに、なる。——そして、そのメダルも』


「タークの、メダル?」アルクは言った。


『それには——たくさんの、人の、想いが、込められている』エニは言った。『タークが、傭兵時代、仲間と、過ごした、想い。誰かを、守りたいという、願い。——それも、魂を、呼ぶ、よすがに、なる』


「タークさん、知ってたのかな」ネッサが、言った。「これが、こんなことに、使われるって」

「知らなかったと、思う」アルクは言った。「ただ

——俺たちを、守りたくて、託してくれた。その想いが——今、力に、なる」

 アルクは、小瓶と、メダルを、儀式の中心に、置いた。


二 呼び声

「始めよう」アルクは言った。

 ネッサが、喚魂環を、掲げた。コレンと、アクオスが、現れ、魂の器を、形作る。

 アルクが、ネッサに、最大の付与を、かけた。「《自己付与・全開》——ネッサに、全てを」


 ネッサの召喚の力が、極限まで、高まった。


 エニが、光の輪を、回した。縁の糸が、嘆きの古戦場の、大地へ——四人の眠る、その場所へ、伸びていく。


 小瓶の、青白い光が——輝いた。護符が——温かい光を、放った。


『——繋がった』エニが、言った。『四人の、魂。まだ、消えていない、ヴィナとの、縁。——今、手繰る』


 光が、四つ——古戦場の、大地から、立ち上った。


 その光が、ネッサの作った、魂の器に、宿り——形を、成していく。


 四人の、人影。


 二人の、男。二人の、女。みな、若い。ヴィナの、かつての、仲間。


「……ヴィナ?」


 一人の、女性が、言った。


「ヴィナだ……!」男の一人が、言った。「久しぶりだな、ヴィナ!」


「……みんな」ヴィナが、立ち尽くした。涙が、溢れて、止まらなかった。「みんな——!!」


三 ヴィナの、告白

「みんな——ごめん!!」ヴィナが、叫んだ。「あたし——あたしだけ、生き残って!! みんなを、守れなくて——!!」


「ヴィナ」女性の一人が、優しく、言った。「謝らないで」


「でも——」


「あんたは、しんがりを、務めてくれた」男の一人が、言った。「俺たちを、逃がそうと、してくれた。——あんたのおかげで、俺たちは、最後まで、諦めなかった。後悔なんて、ない」


「あたしが、死ぬべきだった!!」ヴィナは、叫んだ。「なのに、あたしだけ——!!」


「違うよ、ヴィナ」もう一人の女性が、言った。「あんたは——生き残るべき、だったんだ」


「……え?」


「わたしたちは、いつも、言ってたでしょう」女が、言った。「『ヴィナは、いつか、本当に、大切な人に、出会う』って。——あんたは、不器用で、一人で、抱え込むから。だから、誰かと、出会って、幸せになってほしいって」


 ヴィナが、息を、呑んだ。


「だから、あんたが、生き残ったのは——間違いじゃない」女性が言った。「あんたは、ちゃんと——出会えた? 大切な、人に」


 ヴィナが、ゆっくりと——アルクを、見た。


 そして——他の、仲間たちを。ネッサを。守り手たちを。


「……出会えた」ヴィナは言った。涙を、流して、笑った。「たくさん、出会えた。——もう、一人じゃ、ない」


「よかった」四人が、口々に、言った。「本当に、よかった」


「あたしたちの分まで」女性が、言った。「幸せに、なりなさい、ヴィナ。——あんたは、もう、十分、苦しんだ。これからは——笑って、生きて」


「……うん」ヴィナは、頷いた。「うん——!!」


四 ヴィナの、覚醒

 その時。

 ヴィナの、カトレアが——輝き始めた。四つの宝石が、四人の魂と、共鳴して。


「これは——?」ヴィナが、言った。


「俺たちの、想いだ」男が、言った。「カトレアに、宿した、俺たちの力。——ヴィナ。受け取って。俺たちは、いつも、あんたと、一緒だ」


 四人の魂が——カトレアに、溶けていった。


 そして——ヴィナの中に、新しい力が、目覚めた。


「《絆守の剣・カトレア——真開放(しんかいほう)》」ヴィナの口から、自然に、言葉が、出た。


 カトレアが、四色の光を、まとった。四人の、それぞれの力——剣技、魔法、守り、癒し。その全てが、ヴィナの中で、一つに、なった。


「あたしは——もう、一人じゃ、戦わない」ヴィナは言った。「あいつらと——みんなと、一緒に、戦う」


「ヴィナ……」アルクは言った。


「アルク」ヴィナは、四人の魂が消えていく光を、見ながら、言った。「ありがとう。——あたしに、もう一度、あいつらに、会わせてくれて」


「礼はいらない」アルクは言った。「お前の、笑顔が、見られて——よかった」


五 別れと、約束

 四人の魂が、光に、戻っていく。

「もう、行くね、ヴィナ」女性が、言った。「——でも、わたしたちは、いつも、カトレアの中に、いるから」


「うん」ヴィナは言った。「ありがとう。——大好きだ、みんな」


「あたしたちも」四人が、笑った。「——幸せにね」


 四人の光が——消えていった。穏やかに。満たされて。

もう、嘆きの古戦場ではなかった。

 四人の魂が、安らいで、旅立った——約束の場所に、なった。

 青白い小瓶の光が、静かに、消えた。役目を、終えて。タークのメダルも、温かい光を、収めた。

「ありがとう」アルクは、小瓶とメダルに、囁いた。「お前たちのおかげだ」


六 大団円、そして

 ヴォルタへ、帰還した。

 戦いの、終結と、皇帝との、和解。それは、瞬く間に、世界中に、広まった。


 ヴォルタは、祝賀に、沸いた。


 屋敷で、盛大な、宴が、開かれた。

 アルクが、風呂敷を、広げた。山のような、ごちそう。ネッサも、腕によりをかけて、肉じゃがを、作った。ライナの分も。


「ライナさん、これ、あたしの、肉じゃがです!」ネッサが、言った。


 ライナが、一口、食べた。動きが、止まった。


「……うまい」ライナは言った。「米が、進む」


「でしょう!?」ネッサが、得意げに、言った。


「ライナ、ようやく、仲間として、飯が、食えるな」ガドルが、笑った。「歌、聞くか? 俺の」


「ガドルの歌は——うるさいぞ」バルガが、言った。


「うるさくない! 心に、染みるんだ!」


 キラも、目を覚まし、団子を、食べていた。シルフィが、その隣で、はしゃいでいた。


『キラちゃん、げんきになった!?』シルフィが、言った。


『うん!』キラが、初めて、はっきりした声で、答えた。『シルフィ、よろしくね!』


『うんっ!! よろしくっ!!』


 ルミと、アルファが、二体の小さな守り手を、見て、微笑んだ。


「賑やかに、なったな」ルミが、言った。


『せやな!! うち、もっと、盛り上げたるわ!!』アルファが、リボンを、揺らした。


 エニが、その全てを、見て、光の輪を、ゆっくりと、回した。


『……縁が、満ちている』エニは、言った。『これほど、温かい縁は——久しく、見ていない』


 皇帝も、ヴァルゴと共に、宴に、招かれていた。少し、居心地悪そうに、しかし——穏やかな顔で。


「皇帝」アルクは言った。「これから——よろしく頼む」


「……アルク」皇帝は言った。「私は、二百年、間違え続けた。その罪は、消えない。——だが、お前のやり方で、世界を、救えるなら。私の、二百年の知識も——役立てたい」


「ああ」アルクは言った。「一緒に、やろう」


 皇帝が——初めて、わずかに、笑った。


七 次なる、扉

 宴の、夜更け。

 アルクは、一人、屋敷の、最奥にいた。

 いつか、ルミが「まだ開かない」と言った、最奥の扉。


 その扉が——かすかに、光っていた。


「ルミ」アルクは言った。「この扉——」

「うん」ルミが、肩に、降りた。「賦活師が、完成したから。——もうすぐ、開く。この、奥に——もう一つの、広い世界が、あるの」


「もう一つの、世界……」アルクは言った。「そこも——澱みに、脅かされているのか?」


「ううん」ルミは、首を、振った。「逆だよ」


「逆?」


『そうだ』エニが、言った。『私は、縁を通じて、その世界を、感じている。——あの扉の奥は、澱みの、ない世界。空気は、澄み、水は、清く、大地は、豊か。——この上なく、美しく、穏やかな世界だ』


「澱みが、ない……」アルクは言った。


『そうだ』エニは言った。『手つかずの、未開の、広い大地が、広がっている。森も、海も、山々も……』


「人は、いないのか」アルクは言った。


『人は、いる』エニは言った。『そして——豊かな生命も、ある。穏やかな、獣たち。小さな、精霊のような、ものたち。——彼らは、澱みを知らず、争いを知らず、ただ、静かに、生きている。きっと——お前が、手を伸ばせば、縁を、結べる』


 その時。


 ヴィナが、来た。ネッサも。仲間たちも。皇帝も、ヴァルゴも、ライナも。


「次の、戦いか?」ヴィナが、言った。少し、身構えて。


「いや」アルクは言った。「違うらしい。——あの扉の奥は、平和で、美しくて——未開の世界だ」


「未開?」ガドルが、言った。


 全員が、顔を、見合わせた。


「それって——」ネッサが、目を、輝かせた。「あたしたちで、一から、作れるってことですか? 国を!?」


「そうなる」アルクは言った。「戦って、奪うんじゃない。——みんなで、協力して、ゼロから、築く。街を、作って。畑を、耕して。誰でも、安心して、暮らせる、場所を」


「……いいな、それ」ヴィナが、言った。ぽつりと。「ずっと、戦ってきた。——たまには、何かを、創るのも、悪くない」


「あたし、やりたいです!」ネッサが、声を、上げた。「みんなで、国を、作るなんて——わくわくします! 会計、任せてください! あ、料理も! みんなの、ごはん、作ります!」


「ネッサが、いれば、食には、困らんな」ガドルが、笑った。「俺は——そうだな。開拓の、力仕事なら、任せろ。木も、岩も、薙ぎ払ってやる」


「俺は、街を、守る壁を、築こう」バルガが、言った。「平和な、街にこそ、守りが、要る」


「私は、未知の、土地の、調査と、記録を」リィナが、トニトルスを、抱えて、言った。「新しい世界の、データ——興味、尽きません」


「僕は、街の、設計と、運営の、仕組みを、考えよう」カインが、言った。「一から、国を、作るなら——知恵が、要る」


「俺も、行く」ライナが、言った。「今度は、最初から、お前の、仲間として。——剣を、振るうだけじゃなく。何かを、築くのも、悪くない」


 そして——皇帝が、進み出た。


「アルク」皇帝は言った。「一つ、申し出が、ある」


「なんだ」


「私の、二百年の、統治の知識を——その建国に、役立てたい」皇帝は言った。「私は、間違った方向に、使ってきた。だが——人を、まとめ、国を、運営する術なら、誰にも、負けぬ。——贖罪に、ならぬかもしれぬが。その知恵を、お前の、新しい国のために、使わせてくれ」


「皇帝が——内政の、相談役か」アルクは、笑った。「心強いな」


「ふっ」皇帝は言った。「二百年、玉座に、座り続けた甲斐が、あるというものだ。——それに」


 皇帝が、扉の光を、見つめた。


「澱みの、ない、美しい世界、か」皇帝は言った。

「私が、二百年、夢見て——ついに、作れなかったものだ。それを——お前たちと、一から、築けるなら。これほどの、喜びは、ない」


 その横顔は——二百年の、重荷を、初めて、下ろしたように、穏やかだった。


「でも——」アルクは言った。皆を、見渡して。「忘れないでほしい。あの新しい世界に、行っても——この世界を、見捨てるわけじゃない」


「この世界?」ヴィナが、言った。


「ヴァルナ・クロスは——俺たちの、故郷だ」アルクは言った。「澱みは、薄くなった。でも——完全には、消えていない。これから先も、澱みの、残り火や、それに、まつわる、問題が、起きるかもしれない」


『その通りだ』エニが、言った。『澱みは、二百年、世界を、蝕んできた。アルクが、多くを、浄化したが——全ての澱みが、消えたわけでは、ない。これからも、この世界には——澱みに、関わる、出来事が、起きるだろう』


「だから——両方だ」アルクは言った。「新しい世界で、国を、作りながら。この世界で、何かが、起きたら——すぐに、駆けつける。扉で、行き来できる。——どっちも、守る。どっちも、大切な、場所だから」


「欲張りだな、お前は」ヴィナが、笑った。


「ああ」アルクは言った。「全部、救うって、言っただろう。——新しい世界も。この世界も。全部だ」


『縁が、あれば』エニが、言った。『二つの世界を、繋ぐことも、できる。私が——その、橋に、なろう』


「ルミ」アルクは言った。「あの扉——開けられるか?」


「うん」ルミは言った。「賦活師が、完成した、今なら。——でも、急がなくて、いいよ。今日は、お祝いの、夜だもん」


「そうだな」アルクは言った。


 アルクは、最奥の扉を、見つめた。


 その奥に広がる、まだ見ぬ、美しい世界。澱みのない、平和な、未開の大地。


 戦うためでは、ない。


 奪うためでも、ない。


 みんなで、一から——築くために。


「いこう」アルクは言った。「俺たちの、手で。——新しい、国を。新しい、縁を。あの、広い世界に」


 扉の奥から——温かい、光が、差した。


 戦いの、物語は、終わった。


 ここから始まるのは——創造の、物語。


 与えるだけの主人公が、仲間と、かつての敵と、共に。


 何もない世界に、一つずつ、灯を、ともしていく。


 そんな、新しい、日々が——もうすぐ、始まる。


〈第一部・完〉

アルクたちのヴァルナ・クロスでの旅は終わりました。


新しい世界とつながりました。

まさか、ヴァルナ・クロスでの出来事が

ただの前哨戦だったなんて……


でも…

アルクと仲間たちならどんな状況でも乗り越えて行けるはずです。


次回から第二部に入ります。

まずは自分たちの礎を作っていかないといけません。

もっともっと仲間を増やし新たな能力も覚醒させていかないと………


そういえば召喚されたときに女神様が何か言ってたような。

『いつか、あなたは——二つの世界を救う英雄になります。これは、もう、決定事項です!』


二つ!?


でもそんなことより

まずはグルメ!わちゃわちゃ!ニマニマ!楽しまないと❗️


完成まで書き溜めた物語を

しっかり最後までお届けしていきます。

まずは、

ここまで

お付き合いいただき本当に有難うございました。


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