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010話. 最後のパズル

創業メンバーとして選んだ従業員は、エレナを除いて全部で六人だった。


人相と評判、肉体の記憶を通じて、信用できそうな子どもたちを選んだ。


彼らにはハーブの栽培から低温乾燥まで、ブルーミングティーを除くすべてを伝授するつもりだった。


彼らを通じてビーゴだけでなく、さらに範囲を広げて事業を進める計画。


最終的には、自分がいなくても茶事業が自動的に回るようにするつもりだった。


「みんな来たか?」


後にビーゴだけでなく遠方へ派遣される可能性もあったため、まだ結婚していない者だけを選んだ。


その結果、幼い頃から一緒に遊んでいた同年代の者たちだけが残ったため、ルーベンは気楽な口調で話した。


「私たち全員を雇うの?」


「ひとまず一週間の試用雇用だ。」


「その後は?」


「仕事ができれば、そのまま雇い続ける。」


肉体の記憶では、それなりに信用できる子どもたちだった。


しかし、記憶が歪んでいる可能性もあったため、一週間のインターン期間を設け、ハーブ採取と農作業だけをさせるつもりだった。


『低温乾燥の方法を漏らされでもしたら困るからな。』


労働法のようなものが存在しない時代だったため、雇用も解雇も自由だった。


しかし、その反面、技術の流出を防ぐことも難しかったため、注意する必要があった。


「そんなの当然だろ。何でも言いつけてくれ。」


答えたのは、同年代の中でいつもリーダー役をしていたピラオンだった。


いつでも意欲に満ちた奴だった。


その時、ルーベンと同い年の少女、エミリナが慎重に尋ねた。


「でもルーベン。女の子でも働けるの?」


「もちろんだ。もし今日働いてみて辛かったら、明日から来なくてもいい。それでも今日一日分の日当は払うよ。」


前世でもそうだったが、事業において民心は本当に重要だった。


村で安い価格でハーブティーを売っているのも、民心をつかむための一環だった。


ティーハウスはスペインを越えて世界各地に作るとしても、ハーブ農園はここから少しずつ拡張していくつもりだった。


『これからも従業員を雇い続けるなら、気を配らないとな。』


ルーベンは子どもたちに革袋を配りながら言った。


「最初にする仕事は、ハーブを採集することだ。」


すると、意気込んでいたピラオンが戸惑って尋ねた。


「ハ、ハーブ? 俺、ハーブなんて全然知らないぞ?」


「知らないのが普通だ。俺が一つずつ教えるから心配するな。まずはこれ。これはレモンバームというハーブだ。」


今度はエミリナが言った。


「あれ? 私、レモンバームなら知ってる。爽やかな味がするやつでしょ?」


「よく知ってるな。こいつはまず葉が一番大事だ。ここをこうやってつかんで、こんなふうにひねれば簡単に取れる。みんなも来て、一度ずつやってみろ。」


子どもたちはルーベンの見本通りにレモンバームの葉を摘み始めた。


「難しくないだろ? ちなみにレモンバームの葉は、朝に摘むのが一番香りがいい。」


「本当? そんなこと、どうして知ってるの?」


「図書館の本に書いてあったんだ。」


「わあ。ルーベン、本当に格好いい。」


すでにアルバ家の後援を受けたと聞き、ルーベンを仰ぎ見ていた子どもたちだった。


そこへこんな賢い姿まで見せられ、さらに立派に見えた。


『やれやれ、こんなことで。みんな純粋だな。』


ルーベンはレモンバームの説明を終えた後、庭に生えているカモミールとタイムまで教えた。


「難しいところや、分からないところはあるか?」


特に難しいことをしたわけではなかったため、子どもたちは首を横に振った。


「それじゃあ、今度は子どもの頃に遊んでいた裏山へ行こう。」


「裏山にはどうして?」


「どうしてって。ハーブを採りに行くんだよ。」


庭に自生しているハーブだけを摘むのであれば、人を雇うこともなかっただろう。


裏山では庭に生えていないハーブを採取できるだけでなく、その量も比べものにならなかった。


単に採取するだけで終わらず、それらを根ごと引き抜き、庭へ移植するつもりだった。


***


一週間の間、午前中は裏山でハーブを採取し、午後は本格的なハーブ栽培のため、庭を農園へと変えていった。


「根を傷つけないよう、ゆっくりやれ。」


そうして整備した庭へ、裏山で育っていたハーブを根ごと掘り起こし、移植作業を進めた。


多年生植物だったため、うまく根づきさえすれば、種をまくよりはるかに簡単に農園を作ることができた。


『暑いから不安ではあるが、種をまいて待っているわけにもいかない。』


ハーブを採取するたびに裏山へ登るのは、あまりにも非効率的だった。


かといって種をまいて育てるとなると、ローズヒップのようなものは実をつけるだけで二年近く必要だったため、この方法が最適だった。


『これくらいなら、移植したハーブの半分だけ生き残っても十分だ。』


庭に自生していたもの以外に、裏山からローズマリーとセージ、ミントを追加で移植した。


いつの間にか、かなり形になってきたルーベンのハーブ農園。


ルーベンは満足げに庭を見回しながら口を開いた。


「今日の作業はここまでだ。」


「まだ日が高いのに、もう終わり?」


「今日はみんなと面談をして、ハーブの乾燥方法も教える。」


幸い、記憶通りに真面目な子どもたちだった。


それでも、情報を漏らしてはならないという意識教育は、きちんとしておくつもりだった。


「私たちにもできるの?」


「覚えるのは難しくない。だが、乾燥方法を漏らしたら、とても困ったことになる。」


「もちろん漏らしたりはしないけど、その困ったことって何?」


ルーベンは雰囲気を十分に作ってから、低い声で言った。


「アルバ家に追われることになる。」


「ひいいいいっ!」


子どもたちは飛び上がるほど驚き、慌てて言った。


「ぜ、絶対に、絶対に漏らさないよ!」


「口も縫いつける! ほら! びりいいっ―」


『はは、可愛いな。』


もちろん、契約書にそのような内容はなかった。


しかし、いくら幼い子どもたちでも、雇用者と労働者の間には適度な緊張感が必要だった。


***


子どもたちを雇ってから、ルーベンの自由時間は急激に増えた。


ハーブ栽培と乾燥はもちろん、聖堂の露店まで子どもたちに任せたからだ。


「今日もみんなお疲れさま。難しいことや辛いことがあれば、いつでも言ってくれ。」


「辛いことなんてあるか? タラの焼き物まで出してくれるんだから、もっと働けるぞ!」


沿岸地域ではあったが、タラは用途が多かったため、平民が好きなだけ食べられる食材ではなかった。


ルーベンはそこに目をつけ、一週間に二度、子どもたちにタラを出したところ、反応はとても良かった。


「ビーゴにティーハウスを開いたら、目が回るほど忙しくなる。休める時に休んでおけ。」


「早く港町へ行きたい!」


「もうすぐ嫌になるほど行くことになるから、家に帰ってハーブの乾燥方法でも頭の中で復習しておけ。」


「うん! ルーベンもお疲れさま。また明日ね。」


子どもたちを帰した後、ルーベンは汲んできた水で体を洗った。


『石鹸も作れたらいいんだけどな。余裕がない。』


正確には石鹸ではなく、鹸化工程の副産物であるグリセリンが必要だった。


オリーブ油と灰汁さえあれば済むため、工程そのものは本当に単純だった。


しかし、材料が問題だった。


オリーブ油なら今すぐでも十分に手に入れられたが、灰汁を作る時に必要な木灰が問題だった。


『オリーブ油一リットルを鹸化するには、アルカリ濃度が30%のトネリコの灰でも一キログラムは必要だ。燃やした時に出る灰の歩留まりを最大1%と見積もっても約100グラム……許可もなくこれだけ伐採して見つかったら、首が飛ぶ。』


石鹸を作るにはアルカリ性の高い木灰を使わなければならなかったが、そのような木を勝手に伐れば、すぐに連行されることになる。


どれも船を造る際に使われる木材だったからだ。


『今度の冬、ベアトリスに新しいハーブティーを紹介しながら頼んでみよう。』


大航海時代と呼ばれるほど船が重要な時代だったため、木材は国家的に貴重な資源だった。


そのため、スペインは王国全体で冬に限って伐採を許可しており、今すぐ頼むには時期が合わなかった。


ルーベンは仕方なく、ソーダ灰と抗炎症・抗菌効果のあるセージを使って入浴を済ませ、外出の準備を終えた。


「母さん、行ってきます。」


ルーベンがきれいに身支度を整えた理由は、父の友人であり商団主でもあるアンドリューに会うためだった。


エレナは精いっぱい着飾った息子を見ながら尋ねた。


「あらまあ、ずいぶん男前ね。それにしても、アンドリューさんに会うだけなのに、どうしてそんなに着飾ったの?」


「今日、契約を結ぶかもしれないんですから、きちんとした格好で行かないと。」


瀝青炭とアランビック、そして柳の樹皮。


ビーゴで安全に暮らすためには、必ず必要な品々だった。


***


ルーベンはアンドリューと会う約束をした酒場(Taberna)を訪れた。


ワインやビールをはじめ、軽食も売っていたため、店内は人々で混み合っていた。


その時、自分の名を呼ぶ声が聞こえた。


「おお! ルーベン、こっちだ。」


「こんにちは、アンドリューおじさん。」


「いやあ、会わない間に本当に男前になったな! お前の父さんでも、お前には敵わないだろう。」


「ありがとうございます。」


ルーベンが席に着くと、アンドリューはワインと料理を注文し、言葉を続けた。


「話は聞いたぞ。アルバ家の後援を受けるんだって?」


「はい、運が良かったんです。」


「運も実力のうちだ。お前の父さんも天国で喜んでいるだろう。本当におめでとう。」


ルーベンはすぐに運ばれてきた水割りのワインを一口飲んでから、言葉を続けた。


「父さんにもっと喜んでもらえるように、僕もいつか商団を立ち上げようと思っています。」


「商団を? まあ、アルバ家の後援もあるのだから、懸命にやれば可能だろう。」


「そういうわけで、お願いがあります。」


「お願いだって?」


「正確には、買いたい物があります。」


アンドリューは、親友だった友の息子がいったい何を欲しがっているのか気になり、尋ねた。


「ふむ、まずは何なのか聞いてみよう。あまり高すぎる物でなければ、俺が直接買ってやる。」


「それが……少し難しいと思います。」


「俺も端くれとはいえ商人だ。友人の息子に玩具を買ってやるくらいの余裕はある。」


「本当ですよ?」


「ああ。だから、いったい何が欲しいのか、早く言ってみろ。」


「アランビックです。」


「……何だって? どうしてアランビックなんだ?」


まったく予想していなかった品だった。


アランビックは値段も値段だったが、錬金術師たちが使う道具だったからだ。


「今回、ハーブティーでアルバ家の後援を受けたので、さらに研究してみたいんです。」


「お前、アランビックがいくらする物か分かって言っているのか?」


ルーベンは10エスクードを取り出して見せながら言った。


「今すぐ使えるお金はこれくらいなので、予算に合う品を買ってください。」


10エスクード。


平民にとってはかなりの大金だったが、まともなアランビックを手に入れるには、到底足りない金額だった。


しかし、本当に無理に無理を重ねて捻出できたのは、これだけだった。


『だが、これからの計画には必ずアランビックが必要だ。どうかアンドリューおじさんが、このお願いを聞いてくれますように。』


もちろん、アンドリューに断られた場合に備え、プランDまで用意していた。


少し緊張した様子で、アンドリューの顔色をうかがうルーベン。


しかし、アンドリューは金を見つめていたかと思うと、突然ルーベンの髪をくしゃくしゃにしながら笑った。


「ふっ、子どものくせに、もうずいぶん生意気になったな。」


「え? それはどういう……。」


「おじさんが、できるだけ良い物を探してやる。金は払わなくていい。」


「駄目です。ただでもらうには、あまりにも高価な物です。」


アンドリューはワインを豪快に飲み干してから言った。


「ただ? 世の中にただほど高い物はないぞ、ルーベン。お前もこれから商人になるつもりなら、必ず覚えておけ。」


アンドリューの顔が一段と険しくなった。


「お前の父さんは、本当に立派な人だった。能力がありながら、人を助けることにためらいがなかった。」


どんっ! と音を立ててワインを置き、ルーベンを見つめるアンドリュー。


わずかなアルコールの香りと共に、彼の本心が口から飛び出した。


「だから俺は、ただで受けた恩に対価を払おうと思う。懸命に研究し、学び、お前の父さんのような立派な人間になること。それが俺の条件だ。」


自分が苦しい時に助けてくれた、親友の息子だった。


父を失った悲しみを乗り越え、新たな挑戦を始めるというのだから、力になってやりたかった。


「あ……。」


ルーベンはしばらく言葉を続けられなかった。


顔すらきちんと知らない父が施した善行が、思いもよらぬ形で恩となって返ってきた。


ルーベンは感謝の気持ちから席を立ち、頭を下げながら言った。


「本当にありがとうございます。必ず成功して恩返しします!」


「ああ。それはそうと、ほかに必要な物はあるか? 高価な物は難しくても、安い物なら用意してやる。」


助けてくれるというのに、断るルーベンではなかった。


後で数十倍にして返すつもりだったため、必要な物をすぐに口にした。


「それなら、トネリコと柳の樹皮、それからイングランドのノーサンバーランドかダラム地方で採れる、火に燃える黒い石が必要です。おそらく瀝青炭(Bituminous Coal)と呼ばれているはずです。」


ルーベンの要求に、アンドリューは顎を撫でながら考え込んだ。


「ふむ、トネリコはおそらく難しいだろう。昨冬に伐採した分が残っているとも思えないし、今冬に伐採する分もすべて予約されているだろうからな。」


やはり、これはベアトリスに頼むしかないようだった。


「それなら仕方ありません。ほかの二つは可能ですか?」


「可能ではあるが……お前はそんな物の話を、いったいどこで聞きかじってくるんだ? イングランド人が木の代わりに燃える黒い石を使うということは、俺だってこの仕事を始めてから知ったのに。」


「オウレンセ大聖堂の図書館で見ました。」


あらかじめ用意しておいた答えだった。


「いやあ、オウレンセ大聖堂の図書館にまで入ったことがあるのか?」


「ベアトリスお嬢様のおかげです。」


「俺も行ったことのない場所なのに、大したものだ。とにかく、その二つなら倉庫に余裕があるから、遅くとも十日以内には届くだろう。」


ついに得られた朗報だった。


『よし! 港町ビーゴへ進出するうえで最大の難題は解決した。』


ビーゴの港町でティーハウスを開くための最後のパズル、『疾病対策』が整った瞬間だった。




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