41/67
*3巻のおさらい(シャルルの語り)
——ああ、あの戦闘のことか。
大海賊フランソワの死、今も目に焼きついてるよ。
フランソワは誰の手にもかからず、舳先から飛び降りて……ぼくが気づいた時には破裂したような音と共に高い水飛沫が上がったのが見えた。悔しい、とは違うな。心に風穴が空いた気分だったよ。
あのフランソワの死をきっかけに世間の流れが大きく変わった。
あの五人組……特にルキフェル。マクシム隊はもちろん、各勢力が一気に動き出す。
恐らく、フランソワは何かを終わらせるためにマクシム隊に一人で立ち向かって、自分の手で全てを終わらせるつもりだったんだろう。
——けど、残された者からすれば”始まり”に過ぎなかった。
でも、それも後になってから分かること。
さて、ぼくはどこから語ればいいのかな。
……うん、わかった。何も言わなくていいよ。その煌めいた目が物語ってるから。では、フランソワが飛び込んだ直後から話そう。ぼくも全てを知っているわけじゃないから、他の誰かにも当時の話を聞いてみようか。ぼくも一緒に参る。
……いよいよだな。あの五人組との出逢いも話さなくては。
誰もが傷つき、誰もが傷ついたあの日のことを。
敵味方関係なく薙ぎ払って、思想も戦場も一瞬にして混沌に陥れたものの存在も。
……それが、何だって?
——嵐だよ。文字通り、ね。




