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聖女でありながら婚約者に雑な扱いをされていましたが……穏やかな幸せの中で生きてゆけることとなったので良かったです!  作者: 四季


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2/2

後編

 ◆



 国外追放された私は、隣国へ移り住んだ。

 そしてそこで一人の男性と出会う。

 彼はその国の王子であり、名はヘンゼインといった。


 私のおかれている状況を知った彼は城に来るよう勧めてくれた。


 そうして新しい生活が始まる。


「ミントさま、こちらをどうぞ」

「これは……ハーブティー、ですか?」

「そうです」

「酸っぱい感じの香りですね」

「はい。酸味のある果実の香りをつけているのです。ですが味自体は酸っぱくないですよ、ぜひ一度お飲みください」

「もちろん、とても楽しみです。ではいただきます……!」


 生まれ育った国から出ての生活。それは時に戸惑いを生むこともあった。それでも、王城という余裕のある場所に住まわせてもらえたというだけで幸運だったし、温かな人たちに囲まれて生活できるようになったことはもうとにかくただひたすらに大きな幸せだった。


「わっ……とても美味しい、意外と優しい味ですね!」

「ふふ、そうですよね」

「素敵なハーブティーですね」

「気に入っていただけたようで何よりです。こちらはこの国では定番のハーブティーですので、またいつでもお淹れしますよ」


 世話係の女性も優しかった。


 そんな暮らしの中で情報を耳にすることとなる――アンドディーンとミミがあの後どうなっていったのか、を。


 あの後二人は婚約したようだ。


 周囲からの反対を押し切っての婚約だったらしい。だが反対されながらの婚約が上手くいくはずもなくて。やがて彼らはすぐ頻繁に喧嘩するようになっていった。その原因は主にミミのわがままだったそう。


 そうしてある晩、アンドディーンは喧嘩の中でミミを殴り、その命を奪ってしまった――そこからすべてが崩れ始めた。


 人殺しとなってしまったアンドディーンは王子という地位をはく奪される。

 両親からは勘当を言い渡されて。

 王の子という立場に生まれ、輝かしい将来を約束されていたはずの彼は、一夜にして多くのものを失った。


 牢屋送りとなったアンドディーンは表舞台から消えた。


 だが影響はそれだけではなかった。


 その事件を引き金に国民の王家への不満が噴出し始めてしまい、王家の立場は日に日に悪くなっていく。

 そんな中で王女が暗殺される事件まで起きた。

 さらに、王妃の家族が国民数名に襲撃される事件や国王の実家が放火される事件などいくつもの事件が重なる。


 それによって心を病んでしまった王妃は、高台の視察中に急に崖から飛び降り、命を落とした。


 最愛の妻を失った国王はこの世界で生きていくことに絶望し王位を退くことを決定。

 今後は山の別荘で静かに生きていく、と、話していたそうなのだが……王城を出る予定だった日の朝、水を飲んでいたところ背後から何者かに襲われ、帰らぬ人となってしまった。


 ……といったような形で、アンドディーンらの国は滅茶苦茶な状態になってしまっているようだ。


「ミントさまがいなくなった影響ですかねぇ」

「そうでしょうか……」

「国護りの聖女さまを追い出したのですから、まぁ、そうなっても文句は言えませんよね」


 あれからも私は隣国の城で穏やかに暮らしている。


「国護りの聖女さまを虐めておいて自分たちだけは幸せになれるだなんて、そんなのは甘すぎる考えですよね」

「この国の皆さんはとても優しくしてくださるので、感謝しかありません」

「そんな。お礼なんてよいのです。……これからもたくさんお飲み物をご用意させてくださいね」


 私はここで幸せに包まれて生きていく。


 ――その後ヘンゼインとの関係も深まっていったのは、また別の話。



◆終わり◆

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― 新着の感想 ―
面白いのですが、国王の実家は王城なのでは?王妃の家族は廃嫡された王子や暗殺された王女なのでは?
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