251:クラン『剣星』の戦い方
何げにクランでの戦い。しかも全員生存状態は初なのでは?
250以上書いてて初のパーティー戦ではこれ?
「月光真流五ノ型『月渡』」
「『業加速』!!」
「『ニルヴァーナ』!!」
俺とマー坊、レイレイの三人がそれぞれの手段で三体の『セブンアイズドラゴキュラ』へと向かって跳ぶ。俺の後ろからはルークが全力疾走で走ってくる。
『『ギィキギィキキギィ!!!!』』
『キィィ!!!!』
『セブンアイズドラゴキュラ』は先ほど同様不規則な超音波を発した。一瞬頭に響いた何かがあったが、直後それは掻き消えた。
『キィ』
「『ブラッドホール・フルケイオスハーモニクス』」
『『ヴェノ』ガ主様ノチョウオンパダケデハアルガソウサイシタヨウダゾ』
「無力化したのは俺だけじゃないみたいだぜ!!」
「シャァァ!! この程度なら余裕だぜオラァ!!」
「ほらよそ見しないでこっち見なよ蝙蝠ちゃん?」
「動ける!! これくらいなら僕だって!!」
俺のは『慧眼の眼装』、つまり『ヴェノ』が無力化してくれたらしい。流石進化形態『ヴェノミードラゴキュラ』だ。だがそれよりも驚いたのはリークによる完全無力化だ。
「天匠流剣術『血夜鴉』」
「超越天匠流剣術『神斬雲雀』!!」
俺以外の全員が普段と変わらない動きのまま各個『セブンアイズドラゴキュラ』へと向かって突貫していく。そのうち一匹が飛ばしてくる溶解液をかわしながら、交差する中で一撃を叩き込んでいく。
俺とルークはその溶解液を飛ばしてくる個体に向かって駆け抜け、両翼にある眼にそれぞれ一閃し傷を付ける。先行した俺が切り裂くと、『セブンアイズドラゴキュラ』は俺に目を向けてくる。その一瞬の隙がルークを間合いに踏み込ませることになった。
対応しようとした時には既にルークは刃を抜き、横薙ぎにふるいながら足へと傷をつけた。
『ギギギギィィィキィ!!!』
『『ギッキィイイギィ!!』』
先ほど無力化された時のように、三匹は役割分担を行い、三匹同時による超音波攻撃を始めた。先ほどソロで戦っていたとき、あれだけ苦しめられた超音波。そして音域変化による対抗策とも言うべき行為。しかし。
「無駄だよ。『ブラッドホールフルケイオスハーモニクス』は存在する『ケイオスハーモニクス』系統の魔術のすべての効果を持つ魔術。私の裁量次第で音域も音階も自由自在なんだよ。攻略手段を私に見せたのが運の尽きだったね」
平然としながら魔術を操る腕を、まるで奏者のように動かすリーク。『セブンアイズドラゴキュラ』の声は常に変化し続けているのに、こちらの頭を襲う頭痛が全くない。それどころかいつもより動きやすいまである。これが『魔術女帝』の、ひいてはトップに名を連ねるリーク本来の実力か。負けてられないな。
「アール3歩下がってろ!!」
「あいよ!! ルーク来い!!」
「はい!!」
「ドッセェェイイヤァァ!!!!」
『ギキィ!!?』
『ギィィィ!!!?』
真横から全長2mはある巨体の『セブンアイズドラゴキュラ』が吹き飛んできた。腹にある眼球に大きな切り傷を付いており、その傷から流れる溶解液がゆっくりとその眼を蝕んでいる。
飛んできたちょうどそこには俺に目を向けた『セブンアイズドラゴキュラ』が近寄ってきていたため、飛んできた個体もろとも吹き飛んでいく。追従するようにマー坊が駆け抜け、傷ついた眼球に『方天戟』を突き刺した。
「一つ目貰ったァァ!!!」
『ギキィィ!!!』
ブチブチと音を立ててえぐり取られた眼球。血飛沫と溶解液が飛散する前にマー坊は距離を取っており、突き刺さっていた眼球を切り裂いていく。
「おらどした蝙蝠!! そんなもんかよ!?」
「その前にお前、さっさと一匹倒せって言ったのに何してくれてんだよ」
「あ、わりぃ」
「ったく。まぁいいけどよ。行くぜクレイ!イドル!!」
『今回ハサッキヨリジュンチョウダナ、ダガユダンスルナヨ?』
『Laaa〜』
「艶やかに歌え!!『艶姫刀:クヴァレイドル』!!!」
――――◇――――
・『艶姫刀:クヴァレイドル』特殊能力『クヴァレイドル』発動
――――◇――――
『艶姫刀:クヴァレイドル』の能力を発動すると、俺たちがすれ違いざま一閃切った個体の動きが鈍り始めた。それを見た二匹が即座にフォローに入ろうとした。
「よそ見すんじゃねぇタコ!!」
「『キラーピアーズ』×400!!」
マー坊とレイレイが二匹を吹き飛ばし、あるいは動きをその場に止めさせて合流とフォローを防ぐ。状況的には先ほど俺がソロで生み出した瞬間と類似している。だがあの時よりも格段に戦いやすい。
「ルーク!! コイツの足を落とす!! レイレイ!! 2でそいつを蹴り飛ばす!! マー坊リーク!!獲物はそいつだ!! 一気に目を潰す!!全員0に合わせろ!!」
「あいよ!!」
「任せて!!」
「うん!!!」
俺たちが討伐を目指すのはこいつらの先にある『ヴェノミードラゴキュラ』だ。だからあの時と同じ状況を再現する。
「カウント行くよ!! 3」
後方支援のリークが俺の意を理解しカウントを開始する。同時に俺たちも動き出す。まずは俺とルークだ。コイツを倒さない程度に痛めつける。
「「天匠流抜刀術『鏡雀』!!」」
速度的に差があるが、今回はそれでもいい。俺が右足を切り落とし、ルークが左足を切り落とす。吹き出す血飛沫と、痛みで叫びを上げる『セブンアイズドラゴキュラ』。
『『LAAAA!!』』
それに合わせるようにさらに深く魅了をかけるクレイとイドル。それによって再び意識が朦朧とする『セブンアイズドラゴキュラ』。こっから一気に状況を持っていく。
ルークに視線を向けると、ルークはすぐさま倒すと宣言したマー坊が相手する『セブンアイズドラゴキュラ』へと駆け抜けていく。
同時に『十六夜天雷』を最大で使用し身体に衝撃をかけめぐらせる。『艶姫刀:クヴァレイドル』を鞘に収めつつ同時に手をかけるは愛刀『天籟刀:ズイカク』だ。
「目覚めろ『天籟刀:ズイカク』!!」
――――◇――――
・『天籟刀:ズイカク』の特殊能力『天籟刀』発動
――――◇――――
ただ静かにゆっくりと流れる時の中で、全力で地面を蹴り前へ。その先ではボレーシュートを決めるがごとく顔面を蹴り飛ばすためにモーションにはいったレイレイがいる。
「2!!」
「超越月光流十二宮奥義『天雷進瓶ドラグレイエリシオン』!!」
「ぶっ飛べ蝙蝠!!!」
矢の如く土手っ腹に突き刺さる俺の蹴りと、ボレーシュートのように顔面と飛び蹴りで捉えたレイレイの一撃が寸分狂わず『セブンアイズドラゴキュラ』を岸壁へと突き飛ばす。
吹き飛んだ瞬間には視線を最後の標的へと変更。ルークは間合いギリギリに侵入しており、マー坊が上からたたきつぶさんと大ぶりに方天戟を構えている。そしてゆっくり進む時間の中、小走り程度の速度で跳んでくるのはリーク。
既に『月渡』のコツを掴んでいたリークはそれを実戦で使用した。速度はまだ本来のそれには及ばないがカウントに合わせる分には十分だった。
「1!!」
「超越月光流十二宮奥義『天雷風瓶エリシオン』!!」
こちらに身を預ける体勢を取っていたレイレイをすくい上げるように抱き、一気に獲物である個体へと跳び掛かる。
ある間合いに入った瞬間にレイレイを『セブンアイズドラゴキュラ』へと投げつける。その時既に斬り裂く体勢へと入っていた。
ルークは右翼、レイレイは左翼、マー坊が両膝でリークが顔面。俺はレイレイを放り投げた直後に背後へと移動。右手に力を込めるように強く柄を握り締め、背後の眼を殴りつける。
「0!!『水無月写鏡』!!」
「『神斬雲雀』ィィ!!!」
「『キラーピアーズ』×1400!!」
「『会心双撃』!!!」
「五の型『秋月』!!」
『ギギギイイイィィィイィイィイ!?!?!?!?!!』
カウント0に合わせて一匹の『セブンアイズドラゴキュラ』の眼球を全て潰した。直後、全員が『セブンアイズドラゴキュラ』から己ができる最大速度で距離を取る。
次の瞬間。『セブンアイズドラゴキュラ』の全身から夥しい量の血飛沫と溶解液の雨が振り、その肉体を溶かしていく。僅かに距離を取り遅れているのはルークとリークの二人だ。
「『天雷風瓶エリシオン』」
僅かに遅れていた二人を掻っ攫うように持ち上げてその場から後退する。二人を持ち上げ駆け抜けた直後にその周辺に飛び散る溶解液が、逃げ遅れた場合の末路を物語っている。
「ありがとアール。助かった」
「気にすんな。それよりも」
まずは一匹目だ。残り二匹。進化するように先導しないとな。
社員B&C『ギャァァァ!!?』
社員A『ザマァwww 完全に無力化されてやんのwww』
社員L『恐るべきはブラッドホール系統のスキルを全部詠唱破棄で使えるリークちゃんよねこれ』
社員H『ショタっ子イイッ!! 頑張れシュタァ!!』
社員G『Hうざい。モーション部屋逝っとく?』
同時攻撃後
社員R『ヒャッホーイ!!!』
社員W『これは胸熱案件!!』
社員N『阿吽の呼吸すぎて歓喜しか出ねぇ!!』
社員Z『打ち合わせほぼ無しでここまでの連携はやべぇだろJK!』
主任X『今日って命日になるのかしら?』
社員B&C『・・・(魂抜けてる二重の意味で)』




