表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
262/419

244:特異個体『セブンアイズドラゴキュラ』

唐突に始まった特異個体戦。

参戦するのはPK組と新規参戦組。あと巻き込まれた人一名。


ある意味アールがMPK釜した模様。




アナウンスと共に本来のボスエリアが崩壊し、戦闘エリアが前より四倍ほど拡張された。当然PVPの真っ最中だった彼らはそこに飲み込まれた。



俺も崩壊こそしなかったものの、丁度エリアに入っていたらしくご丁寧にボスエリアにご招待された。



「ハァッ!!? 誰よ条件満たした馬鹿野郎は!!!?」



「姐さんごめん!! 私も原因の一つ!!」



「そもそもそっちから仕掛けた戦闘がなければ巻き込まれなかったんですが!!?」



「というか必須条件って何よ!!? というか誰よ持ってるの!!? アンラらか!!?」



「んなわけあるか!! こちとら初見だぞ!!」



「魔法剣士なのはそうだけど私だって初見よ!! あんたたちこそそうじゃないの!!?」



「誰が好き好んであんな気持ち悪い蝙蝠と戦うか!! 言いたかないけどアタシらの最高レベルは49だよ!!」



PVPしていた彼らも状況が代わり即座に戦闘をやめ、原因追求を始めた。というか必須条件絶対俺じゃん。けどおかげで他の特殊条件みたせたので感謝している。



このままこうしているのも申し訳ないな。食事中だった蛇を口の中に頬張り、飲み込む。持っていたリンゴジュースを喉に注ぎ込んでから彼らの元へ跳んでいく。



俺の登場に驚いたのか、一瞬身構えたが、動画やら何やらで結構出ているので即座に俺が誰なのか気づいたようだ。



「あっ!! テメェアール!! もしかしてお前か!!」



「いやぁ悪い。ボス周回してたら今出てた必須条件の称号とっちまってな? 申し訳ねぇ」



リーダーの盗賊姿の女が持っていた刀を俺に突きつけながらお怒りだ。



「でもボス前でPKしたお前らだって条件満たしてたろ?」



「うっせ!! こちとらお前を殺ってやろうとしてたんだぞこらぁ!!」



「じゃぁ結果変わんねじゃん。俺レベル今61あるし、そこに狼いるし戦闘だって一分以上はやってたぜ? まぁこういう時は呉越同舟、もしくは一蓮托生の精神で協力と行こうや」



「だぁぁぁ!!! もう!! ボス片付けたら絶対テメェ潰してやるから覚悟しとけや!!」



「オーケイ、ちなみになんて呼べばいい?」



「『オカリナ』だ!! 何かあるならアタシを通してからいいな!!」



「あの?」



PKされてた側も困惑しつつも手を挙げていた。スマン放置気味だったな。



「お前らもスマンな。悪いが付き合ってくれや」



「あ、はい!! 俺乃英流です!! こっちのごついのがレオ-ガルで、こっちの盗賊風なのがオブサーブさんです!」



「これサクラに自慢してやれば悔しがりそうね。緋月よ。実際に会うのは初めてね」



後衛はなしの全員10人前衛。相手によっては全滅もあり得るか。俺が後衛に回るのもありっちゃありだが、それはしたくないので却下。



「そんじゃぁ臨時パーティー結成でやってきたあの蝙蝠ぶっ飛ばそうか」



「「「ひっ!!?」」」



羽ばたいて降りてきたのは体のあちこちに目玉をもつ蝙蝠のような姿をした怪物だった。女性陣は見た瞬間にその気持ち悪さに悲鳴を上げる。



男性陣も声こそ上げなかったが気持ち悪がっているのは目に見えてわかる。確かに気持ち悪い。全身からヌメヌメしてそうな涙のような液体を流してるし。



進化前の『ワンアイズドラキュラゴ』のように腕こそないものの羽が四枚に増えている。某ポ○モンに出てくるなつき度を最大まで上げて進化させるコウモリ型のアイツに似てるような気がしないでもない。図体も体格も桁違いだけど。



「作戦は簡単だ。とにかく死ぬな。以上」



瀕死状態になると操られて敵対するとかそういう可能性もあり得るからな。こういった目玉系モンスターにはよくあるパターンである。ほかにも目を合わせるとやばかったり。



同時に弱点も目玉だったりするんだが、そんな安直な特異個体を作るような企業じゃないのは知っている。



「言われなくても死んでたまるか!!! このあとテメェをぶっ飛ばすからなぁ!!」



「その元気があるなら逃げ回れそうだな。じゃぁ始めようか『風瓶エリシオン』」



両手に『投刀:抛』を構えて突撃、まずはどの程度攻撃が有効なのか確認する意味合いでもある。駆け抜ける俺に『セブンアイズドラゴキュラ』は四枚の羽についていた目玉を向けてきた。



「ちっ!!」



何かを感じたのでかく乱するように反復横跳びのように動き回る。その瞬間、四つの目玉からビームのように液体が発射された。一滴も触れなかったが、液体が触れた地面を見ればもうドロドロに溶解していた。



溶解液発射の前触れもなく、更に速度も結構早い。見てから回避はよほど速度がない限り無理そうだな。



「皆回避優先で逃げ回ろう!!!」



「認めたくねぇけどあれは無理だ!!」



「くっそ!! お前たち!! 止まるんじゃないよ!!」



9人も行動を開始、広い空間を利用して全速力で駆け出す。いい判断だ。動き出した瞬間に『セブンアイズドラゴキュラ』は残りの眼球を動き始めたプレイヤーに向けると、溶解液を発射。射線は直線なので動き回っていれば、先読みさえされなければ回避できるだろう。



「セイ!!」



持っていた『投刀:抛』を眼球に向けて投擲。速度はそれなりにある。果たしてダメージはどの程度なものか。



『キキキキキ!!!』



まさかのノーダメージ。回避されたわけじゃない。ど真ん中直撃だったんだがそれを傷は愚か、呪いまで跳ね除けてしまった。となると状態異常は期待しないほうがいいか。



『キィィィィ!!!!!!!』



一体どこから声を出しているのかわからないが、凄まじい音量でエリア全体が振動するほどの鳴き声が頭に響く。頭にズキズキくる鳴き声出すんじゃねぇよタコ!!



「ディア!!」



『ヨヨヨヨ!!!』



ディアと融合し耳栓装着。しかし、耳栓をしているにもかかわらず頭に響く声の大きさは変わらない。となるとこれは脳内に直接、もしくは声帯により脳を揺さぶっているってことか。



「『天死毒』突っ込めディア!!」



『ヨヨ!! ヨヨヨヨ!!!』



――――◇――――

状態異常『天死』に犯されました

『UtS:天刻Lv2』発動

――――◇――――



毒を持って毒を制す!! 脳内を揺さぶるならそれ以上の苦痛でそれを上書きする! 嫌なことに慣れてきたから、この頭痛をかき消すだけじゃなくて動きを回復させてくれる素晴らしい毒だぜこいつは!!



しかもレベル2になると抗体の有効期間をある程度コントロール可能だ。慣れ親しんだ『天死毒』なら俺の感覚次第で強弱の調整は可能だ。やるのは融合しているディアだけどな。



完全無効化しない程度に、けれど死なない程度に抗体を作り出し頭痛をかき消す。毒で鈍る身体はディアとの融合にて無理やり稼働させれば問題ない。十二宮奥義は自爆する可能性高いから使えないが問題にはしない。



装備を変更し、『投刀:抛』から『艶姫刀:クヴァレイドル』へ、腕装備を『光結晶の篭手』に履き替えて再突撃。現在の状況では声を出している間は他の行動は取らないようだ。



『キキィィィ!!!』



さらに上がる叫び声だが、我慢だ。まっすぐ正面を向いてこっちに声を張り上げる『セブンアイズドラゴキュラ』。ご丁寧に高低差までこっちに合わせてくれている。殺りやすくなって助かるよ。間合いまであと3,2,1、0!!



「月光真流三ノ型『月火』接続、天匠流剣術『血夜鴉』」



すれ違いざまに一閃、腹にあった大きい目玉を横薙ぎに斬り裂く、投擲では無理だったが直接切りつけるのは行けた。走り込む勢いを『月火』にてそのまま叩き込み、斬るのではなく、裂くように刀を振るう。だが振り抜かずに薄皮一枚分刃は『セブンアイズドラゴキュラ』に残った。



『キィィ!!』



『セブンアイズドラゴキュラ』は叫ぶのを辞めると、好機と見たのか俺に全ての目玉を向けてきた。溶解液がくる。だがそれより前にお前を吹き飛ばせる。振った刀は、まだお前の目玉から出ていないんだぜ?



「天匠流剣術『血眼雀』接続月光真流五ノ型『秋月』!!」



『ギィィ!!?』



柄頭に近い部分を持ち、刃の向きを眼球を抉りながら逆転、そのままぶん殴るように後方へと押し込む。



五ノ型『秋月』は俺が体内で循環させている衝撃を武器に乗せて放つ攻撃。同じく『血眼雀』は抉り突きの剣術。相性は言わずもがなである。



体内を抉る衝撃に耐えられず、俺を見てた眼球は全てあらぬ方向を向き、四方八方に溶解液を放った。



「あぶねっ!!?」



数人当たりかけたようだが回避してくれたようで安心した。『セブンアイズドラゴキュラ』は刀から逃れようと後ろに下がりながら上昇しだしたが、逃すわけ無いだろ。



――――◇――――

『UtS:天刻Lv2』にて『天死毒』に対する抗体が生成完了

――――◇――――



『ヨヨヨ!!』



思考を読んだディアが即座に完全無力化し身体を犯していた重みが一気に消えていく。ここで与えられるだけダメージを与えておく。右手はそのまま『艶姫刀:クヴァレイドル』を持ったまま、左手に『投刀:抛』を持つ。



「超越剣聖流十二宮奥義『堕天鴉針スコルクロウ』!!」



宙に浮いた体をそのまま利用し、右腕を大きく伸ばす。左手の位置が右手から最も離れた瞬間に、右手を軸にして逃げようとする『セブンアイズドラゴキュラ』の眼球へ左手にもつ『投刀:抛』を突き立てる。



衝撃と速度が乗った突きは、腕ごと目玉に突き刺さり。その内部をぐちゃぐちゃにしていく。手に伝わる肉の感覚は気持ち悪いが、慣れてくると不快には感じなくなる。



『ギィ゛ィ゛ィ゛!!!』



「せぇのっ!!!」



『投刀:抛』から手を離し、眼球内の肉を鷲掴みにするように握る。そして羽ばたきにより『セブンアイズドラゴキュラ』の体が持ち上がった瞬間に『艶姫刀:クヴァレイドル』を引き抜きながら地面へと腕を引き抜く。



するとどうなると思う?



『ギィギュイィ!!!!!!!』



腕が眼球ごと『セブンアイズドラゴキュラ』の体から離れるんだ。人間の胴回りほどある眼球は白い血を流しながら引き抜けて、体と繋がる何本もの管が露出し伸びる。



先ほど眼球から溶解液を飛ばしていた。なら眼球に繋がる溶解液の管も当然ある。それを元眼球があった肉体に飛散させたら流石にダメージ受けるだろ?



「シィ!!」



身体に近い位置で管を全部叩き切る。管は暴れながら流れていた体液と溶解液を撒き散らす。俺は引き抜いた眼球でガードしつつ後退、『セブンアイズドラゴキュラ』の真下の地面は溶解液によって溶けていく、だがそこには溶けて行く『セブンアイズドラゴキュラ』の肉もあった。


ここでマリアーデからの特訓で鍛え上げられた毒状態での戦闘が生きてきました。

UtS:天刻『自分、こんな使われ方すると思ってませんでした。』

天死毒『何でかしらないけどいいように使われてました』



社員A『アヴァヴァヴァヴァヴァ・・・・』

社員B『ヒィィィ!!?』

社員C『うげぇ・・!!』

主任X『うっわぁ・・・容赦も情けも微塵にないわねぇ・・・目玉生きたまま引き抜くとか鬼よね』

助役DD(たまたま現場視察中)『それ以前に超音波受けてあれだけ動けるのは人間やめてない?』

助役除く一同『それは寧ろ想像してたので驚きません』

助役DD『うそやん・・・』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 何となくグルメ細胞の役割をディアがやってるような。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ