227:大鎧怪鳥
レイレイとギルファーのお話です。ちょっとだけお付き合いお願いします。
超高速で連れて行かれたレイレイさん。どうなっているんでしょうか?
前話にて『ジェクト』と明記しておりましたが、『ジェクス』の間違いです。さらに続けてすみません。メス猫=レイレイ。女狐=リーク。です。発見次第修正していますので許してくださいorz
――――時間は少し遡る――――
「うひゃぁぁぁぁ!!?!?!?!?!!?!?!?! そのへんからひだりぃぃぃぃぃ!!?!??!?!」
『ここまで近づけば我でも分かる』
早いのよこのアホ犬っ! なにこれなにこれ速すぎでしょ!!? マップが一瞬で移り変わるのよ。しかも進路上にいるモンスターを瞬殺しまくるから走る速度も全く落ないし、振り落とされないように掴まってるのが精一杯よ。
やたらと回転するジェットコースターみたいに何度も何度も動くからもう気持ち悪くなってきた。これ絶対に状態異常掛かってるわよね。あ、ダメ。ちょっと吐きそう。
『ふん・・・見つけたぞ』
「ふぎゃっ!? ちょっと!! 急停止するなって言ったじゃない!!」
急停止したから、その勢いで振り落とされて地面に落ちた。嗚咽感は引っ込んだけど代わりに鞭打ちみたいになって体痛いんですけど。エクストラモードじゃない状態でこれならアールとか女狐は一体どうなるのよこれ。
『見てみろ女。あそこにいるぞ』
アホ犬が見上げた先には雲一つない綺麗な青空の中をくるくると回って飛んでいる鳥の影があった。それにしてもめちゃくちゃここ空が綺麗に見えるわね。本当に雲がひとつもないし。どこなんだろう・・・・・・
「ちょっ!!? ここアミュレクスト山の山頂!!? 嘘でしょ!!?」
いまだ前人未到の山『アミュレクスト山』。登山家プレイヤーからしても、戦闘職プレイヤーとしても未だ踏破されていない大陸最大の山。場所的に言えば大陸の端の方にあり、近くの街には全速力で向かっても早くて二日はかかるほどの場所。
その上モンスターも曲者ぞろいで難易度も高い山なのに。というか普通ミスリアからここまで来るのに走ってくるなら一週間はかかるはずなのに立った一時間程度でついちゃうものなの!?
やっぱりこの犬アホでも『クロニクルモンスター』の一角なのね・・・こっわ・・・。
『チッ。ウザったらしく飛びおって糞トリ風情が・・・叩き落とすしかないか』
おいこらアホ犬お前何不穏なこと言ってるのよ。確かにあんたにとっては大した相手じゃないのかもしれないけど、こっちからしたらトラウマレベルで馬鹿強いモンスターなんだからそういうことするの止めなさいよ。
どうせ言っても聞かないとは思いますけどね!! こんちくしょう!!!
『だぁぁぁれがっ!! 糞トリッスかこの穀潰しの卑し犬風情がァ!!!』
『何だと貴様ァ!!!』
「ぷくっ!!?」
聞こえてたのも驚きだけどやばい。的確すぎてフォローしようがないんですけど。しかもちょっと面白かったし。
本当に一瞬だった。瞬きした次の瞬間には、巨大な翡翠色で、鋼のような鎧を羽ばたかせている7mはあろうかの大きな鳥が居た。
あれ? なんか前見たときはもっとこう・・・黒くなかった?いやうん。すごく見覚えはあるんだけど、こっちに理解できる言葉を話はしなったし。『キュルォォ』みたいな叫びしか上げてなかったしうん。
「どちら様?」
『それはこっちのセリフだぞ人間!!』
『阿呆め。既に取り繕っても遅いわ。鳥だけにか?』
『煩いッスよ糞犬!!! お前のせいじゃないッスか!! あと面白くねぇから黙るッス!!』
目の前でスケールは違うけど、鳥と犬が喧嘩してる。なんか変なものを魅せられている気分。本当に何こいつら。
「っと、そうじゃない! ねぇ貴方!! この犬が貴方を探してたの!! アールを助けるために貴方が必要だとかなんとか!!」
『アールって・・・もしかして兄貴っスか!!? マジッスか!!?』
『我の勘だがな。貴様がいたほうが良いと思っただけだ』
『じゃぁ行かないッス』
「『ハァ!!?』」
ちょっ!!? 今の流れは『そういうことなら一緒に行ってやるッス』みたいなことを言うところじゃない!!?なんでそうなるのよ!!?
『俺ッチこの前そいつにぶっ飛ばされただけじゃなくて人間にもお気に入りの場所を荒らされたッス。兄貴が直接頼んで犬とそこの人間寄越したならまだしも、ちょっと怒ってるお前らのお願い聞いてやるほど俺ッチは良い鳥じゃないッス』
うぐっ・・・それを言われるとグウの音も出ないわね。初めてのワールドクエストの発端は藪蛇やって起きたある意味事故みたいなものだし。
あ、もしかして黒かった時って怒ってたからなのかしら? それなら納得。
『どうしてもって言うならイヌ。暫く俺ッチの下僕になるッス』
『誰がするか!! そう言うならば貴様になど頼らんわ!!!』
『そーッスか、ならさっさとどこか行くっすよ。シッシ』
『行くぞ女! ここにいるだけでも気に食わn「待てやこら!!」うごっ!!?』
何処かに行こうとした阿呆犬の首を捕まえてどこかに行くのを止める。まず置いてかれたらアタシどうやって帰れって言うのよ。それと、ここまできて収穫なしとかそれこそバカじゃないの。
『何するか貴様!!』
「諦め早すぎんのよ!! 鳥さん。せめて話だけでも聞いてくれないかしら?」
『誰が鳥さんッスか!! 俺ッチには『ジェクス』っていう兄貴から貰った大事な名前があるッス!! 呼ぶなら『ジェクス様』と呼ぶッスよ人間!!』
すんごくムカつくこいつ。この犬がマシに思えるくらいにはムカつく。けど我慢我慢。怒ってる理由はこっちにも多少原因あるし、少しは下に出ないとね。
「ご・・・ごめんなさいねジェクス様」
『敬語をしっかりと使うッス!! 言葉下手くそッスね!!』
ギルファー。ごめんなさい。貴方がどれだけ良い犬だったのか理解したわ。こいつめちゃくちゃ偉そうな上にムカつく。チラッと目を向けると、ギルファーと目があった。今だけは同じ思いみたい。
目が語ってる『調子に乗らせるとうざいのだ』って言ってるわねこれ。ギルファーが本気で私のことすごく哀れんでいるのだけど、怒りじゃなくてなんか感動してるのが変な気分。
「申し訳ありませんでしたジェクス様。どうか私のお話を聞いて頂けませんか?」
『フン!! 話を聞いて欲しかったらまずは謝罪からッス! 俺ッチのお気に入りの場所を荒らして申し訳ありませんでしたと土下座するッス!!』
こんの糞鳥ィィ・・・!!! そもそもあんな町の近くでNPC脅かすように空飛んでたのがそもそもの原因でしょうが・・・!!! あんたのせいでどれだけの人が迷惑かけられてたと思ってるのよ・・!!!
お気に入りの場所を荒らされたから暴れたっていうのは理解するけども・・・けどもぉ!!
「も・・・たいへん申し訳ありませんでしたジェクス様・・・・お許し下さい」
『へん!! 下手くそな土下座ッスね!! 誠意が感じられないッス!!』
ムカつく。マジでムカつくこいつ!!! アールはよくこんなクソみたいな性格の鳥をそばに置いてたわよね本当に。アタシなら間違いなくぶち殺す。
というか今すぐにでもぶち殺したい。本気でその首落としてやりたい。けど我慢するのよ湊。ここで我慢して協力してもらわないと収穫なしよ。
姿勢を整えてもう一度土下座。これ以上ないくらいに綺麗に土下座をしながらもう一度、嫌だけど心を込めて謝罪する。死ぬほど嫌だけども。
「本当に申し訳ありませんでした。全時代人を代表しましてジェクス様に心からの謝罪を申し上げます」
『多少マシになったッスね。謝罪に関してはまぁ及第点ッス。顔上げていいッスよ』
「で・・では・・」
『じゃぁ次は謝罪の気持ちとして俺ッチに謝礼を持ってくるッス。それで手打ちにしてやるッスよ。その後助けて欲しいならその気持ちを込めて何か持ってくるッスよ』
「・・・・・・・」
『お・・・おい鳥・・・悪いことは言わんから調子に乗らん方がいいぞ・・・』
『なんッスか糞イヌ! もしかしてお前こんな人間に怯えてるんッスか? ダッセ!』
『いやまぁそうではないのだが・・・友人の好だ。教えてやる。この女もアールの仲間だ。早く謝っておけ』
『関係ないッス!! どうせ最近仲間になっただけのパッと出ッス。そんな奴に怯えるほど俺ッチ弱くないッスよ!!』
『そうか・・・ならばこう言えばいいか? この女、”お前との相性は最悪だぞ”?』
『・・・・へ?』
「・・・・アハ★殺す★」
ジェクスくん自分よりも下の相手か対等な相手にはくっそ強気。実際アールとの所詮でも糞ウザかった模様。
そしてレイレイの雰囲気が代わり何かを察したギルファーが珍しくも助言するも、ジェクスくん修羅を目覚めさせてしまった模様。
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