223:武装竜轟臨
狩人ジョブのヤバイ人遅れて参上。
謎BBPやばすぎる。ロータスがニコルみたいに高騰してるし。カートン一個確定じゃないとか噂あるしマジ?でも新イラストのパンツァーはすごく欲しい。
武装竜。
確認されている竜型モンスターの中で、武装を纏う竜。そのままね。その力は妖精竜メルキゼに迫ると言われているほどで、撃破したという情報は流れていない。
更に出現箇所も分かっておらず、出会うことすらできない。そもそも存在するのかすら分かっていない幻のモンスター“だった”。
あるたった一人のプレイヤーがある日『なんか進化したぜ!!』とか言いながら見せつけてきたあの日。文字通り世界中のプレイヤーはひっくり返るほどの衝撃を受けた。
しかも同時に四匹も連れてたらもう放心以外に反応ができないのよ。今思えばあれは進化じゃなくて真化だったのかもしれない。ネーミングセンスはひどいけど。
「オラオラオラ!!!『ピー助』と『クー郎』はあのデカ物にたら腹炎食わせてやんな!! 『モン太郎』は捕まえてきた連中地面に下ろしてから行ってこい!! 行くぜ『Jrリューヤ』!!お前の剣で蹴散らすぞ!!!」
「『龍武華激隊』聞きましたね!! 各竜に乗る皆さんは指示に応じた攻撃で『Jrリューヤ』とマスターを支援してください!!」
「「「「「了解です!!!」」」」」
『『『『GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!』』』』
「うわぁぁぁん!!! なんでそんな名前なんだよバカ姉貴ぃ!!!!」
あ、ルークもいるみたい。チーザーと一緒に一番でかくて強そうな『Jrリューヤ』に乗ってるみたい。でかいのにJrって・・しかも弟の名前って・・・有名人は何を考えてるのかよくわからないわ。
『Jrリューヤ』は腕から伸びる二つの剣を構えて『ゲルゲナート』へと吶喊する。勿論迎え撃とうとするのだけど、前後左右から武装竜のブレスや魔術攻撃、更には武装竜だけが現状使える兵器である『魔力粒子砲』での砲撃が『ゲルゲナート』に襲いかかる。
「皆!! 我々も行くぞ!! チーザー君にだけかっこいい姿をさせるわけにはいかないからね!!!」
「「「「「「「「「「当然だァ!!!!!」」」」」」」」」」
地上部隊も負けじと動き出す。巨大な生物同士の戦いでも、私たちにできることはいくらでもある。むしろ小さいからこそ小回りが利くから予想外の一撃をたたき込める。
特攻持ちを筆頭にして全員での攻撃を開始する。私は体力回復を済ませてチーザーたちがいる『Jrリューヤ』へと『テレポート』を繰り返して彼女の横に立った。
その時に見せたルークの驚きの表情はまぁすごいのなんのだった。写真残したし後でアールに見せてあげよっと。
「チーザー!! 掲示板は見てた!?」
「勿論!! アールの奴を救出すんだろ!! んでもって注意すんのは『月光流』の奥義だな!!」
「今のところはまだ『恋爪レオ』だけしか見てないけど全部使える可能性はある!! 腕も足も振るわせたらダメよ!!」
「ハッ!! 誰に向かって言ってやがる!! 遅れた分その程度のことやり遂げてやんよぉ!! 聞いてたな『ピー助』『モン次郎』『モン太郎』『Jrリューヤ』!!! やるぜぇぇぇ!!!」
『『『『GYAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!』』』』
「あぁ・・・いるだけで僕の心がゴリゴリ削られてるよぉ・・・・」
「総員状況開始!! 助け出すわよ!! アールを!!!」
――――◇――――
「よくわからないけど、いきなり捕まって来る予定もなかったイベントに駆り出された」
「おっ( ^ω^ )? 蒼くんが珍しく饒舌だね。というか今割と聞き逃せない一言があったよねぇ?(#^ω^)ピキピキ」
「・・・・・・聞き間違いだ」
「定期連絡もしなかった馬鹿蒼くん!! この戦いが終わったらミラファちゃんと一緒にお説教だよ!!!」
「・・・さっさと倒すぞ。来たんだから最低限の事はする」
「絶対に逃がさないからね!!!蒼くんの阿呆ヽ(`Д´)ノ!!」
「蒼の奴爆発しないかな。割とマジで」
「昼行灯さん。それはさすがに・・・まぁ想う気持ちはわかりますけど」
「美女にお説教されるとか普通にご褒美やんwww」
「あ、そっちでしたか!!? というかまさかそっち側なんですか!!?」
――――◇――――
恐怖をぬぐい去る程の戦う目的と、チーザーの参戦により状況は再び覆った。腕による『月光流』の攻撃は、そもそもさせない為に地上部隊こと特攻持ち達がひたすら腕を狙い行動を抑制。
本体への攻撃はチーザー率いる『真・龍武華激隊』が担当し、確実にダメージを通していく。更に後押しするように徐々にやってくる他所に行っていたプレイヤーと、ゲルゲナートに殺られてリスポーンしたプレイヤーたちの戦線復帰。
作戦は至って単純。特攻持ちで腕を落としつつ、武装竜で仕留める。その他大勢はひたすら攻撃で奴にダメージを与えること。
支援組は攻撃部隊のバフが尽きないように援護しつつ、アイテムの補充。『月光流』以外の攻撃を防御するシロマサたちの支援を厚めに頼んでいる。
やっていることは先ほどと変わっていない。けど、一撃を許してしまえば一瞬で戦線が崩壊するという地獄のような難易度に変わった。
正直願っているのは『星波ピスケス』と『風瓶エリシオン』を『ゲルゲナート』が使えないことだけ。それ以外の奥義は腕と体の動きにさえ注意すれば迎撃可能だからね。どれも前動作が結構わかりやすいから妨害しようと思えばいくらでもできる。
逆を言えばその二つが使えるともう防ぎようがない。『星波ピスケス』は震脚。使われれば地面にいるプレイヤーは間違いなく全滅するし、『風瓶エリシオン』だって、この巨体で使われたらただの体当たりですら必殺の一撃になる。
それを言ってしまえば『月光流』を何か一つでも使われてしまえばこちらの負けなんだけどさ。それでも前動作が他の奥義よりも少ないから気づいた時には既に遅いなんていうのがありえる。
アールが其の辺強いのは実戦経験とほか動作に組み込むことで前動作を悟らせない所にある。というかほぼノーモーションから使ってくるから防ぎようがない。なんでノーモーションから使えるのよ本当に。
今絶賛教えてもらっている最中だけど、『月光滅流』の奥義は基本タメがないと殆ど使えなくて、形は出来てもただの打撃になっちゃうのよ。
まぁその稽古のおかげでこうして『ゲルゲナート』の前動作とかで攻撃を防げてるんだけどね。あと『恋爪レオ』しかまだ見せていないのもデカイ。
「チーザー!! くるよ!!!」
「あいよ!! 『モン太郎』!! 右腕だぁ!!」
『GYAAAAAA!!!!!!』
一瞬フリーになった右上腕が『恋爪レオ』のタメに入ったのを見逃さず、指示を飛ばして奥義使用を妨害する。振り上げられた手首へ翼に備え付けられているブレードを突き立てる。
突き立てたブレードをそのまま下に下がりながら腕を切断する。そこに乗るプレイヤーたちが傷口をかき乱すように攻撃を叩き込み悪化させていく。勿論当然のように『ゲルゲナート』はすぐに再生はするけど奥義発動の阻止は出来た。
「行けよ『Jrリューヤ』!!」
『GYAAAAAAAAAAAA!!!!!』
鉤爪をアールが捕らえられている胸の中心へと伸ばす『Jrリューヤ』だけど、『ゲルゲナート』もそこが自身の弱点であることを理解しているようだ。もしくはアールを奪われないようにしているのかもしれない。
こちらの攻撃が胸元に伸びるとほかの攻撃を無視して防御に回る。更に体外へむき出しだったアールを捕らえた球体を体内へと内包していく。
「洒落臭せぇ!! 『Jrリューヤ』!! 抉り出せ!!!」
「姐さん!!頭突きが来ます!!」
「チッ!!! 避けろ『Jrリューヤ』!!」
腕ではなく頭突きでこちらを沈めに来た。竜にとってはただの頭突きかもしれない。でもそこに乗る私たちにとっては受けてはいけない一撃。それに万が一頭突きに『月光流』の応用がされていたら一撃で死ぬ可能性がある。
すぐに回避行動を取るけど、向こうのほうが一手早い。ここで一時的とは言え武装竜が行動不能になるのは不味い・・!!
「クソッ!!向こうの方が早いぞ」
「不味い!! 誰かお願い迎え撃って!!!」
「任せろ!!」
飛び上がってきたのはニコニーコだった。右手を握り締めて、地面に叩きつけようとする頭に向けて一直線に飛んでいく。
「ソウルバーストスマァァシュ!!!」
嫌な鈍重な音が戦場に鳴り響く。下からかち上げるように叩き込まれたニコニーコの一撃のおかげでこちらへ被害を出すことはなかった。でも、ニコニーコ本人へのダメージは免れず、力負けしたニコニーコが地面に叩きつけられる。
対する『ゲルゲナート』はその衝撃を全部打ち消されたようでスンっと動きを止めた。特攻持ちの一撃受けて相打ちにも出来ない。やっぱり何か応用を効かせていたのね。
「ニコニーコさん!! すぐに助けます!!!」
幸いだったのはニコニーコのHPが尽きずに、まだ生き残っていたことだ。これならリスポーンして戻ってくるよりも復帰は早い。
「ら・・・ライトニングくん・・・!!! すまない・・・頼む!!」
「チーザー!! ニコニーコが復帰するまでお願い!!!」
「わぁぁってる!! 『Jrリューヤ』!! 押さえ込め!!!」
「全員聞きなさい!!! 出来るだけ時間をかけずにこいつを倒す!! 最悪・・・アールのことは諦めるから覚悟だけは決めておいて!!!」
ネーミングセンスはその時の気分で決める人チーザーさん。助けることと、倒すことを天秤にかけて、アールがこの状態を知ったときどう考えるかを予想して苦渋の決断の指令官やってるリークさん。
助けられず負ける方が一番アカンですからね。
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