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218:『四腕巨人ゲルゲナート』激戦 Ⅳ

暫くボス戦続きます。

あと、感想いただけると糧になるのでよかったら感想ください。



地面に沈み込んだことで『ゲルゲナート』の機動力が失われた今。畳み掛けるならここしかない。経験上それを全員わかっているからこそ、私が声を上げる前に動き出す。



「一気に攻め立てる!!! 全員誰かの邪魔するような戦い方をするんじゃないわよ!!!!!! 」



『ゲルゲナート』の叫びをかき消すほどの雄叫びがそこら中から木霊する。狙える場所を効き易いとかそういうのを無視して全力で攻撃していく。



少しでもダメージを与えること。少しでも攻略のためのヒントを得るために。この瞬間に持てる全てを懸けて責め立てる。



斬撃が、弓矢が、魔術が、まるで雨のように『ゲルゲナート』の体へと打ち込まれていく。陥没した穴から抜け出そうと『ゲルゲナート』は腕を再生させようとするが、再生した瞬間に真化ジョブ持ちが腕を壊していく。



偶然とは言え生まれたこの絶好の機会を少しでも長引かせる為に皆が会話をせずともその意図を理解して行動をする。



「奴に動く隙を与えるなァァッ!! 波状攻撃でこの状態のまま押し止めろォ!!!」



誰かが叫び声をあげながら地面から抜け出そうと足掻く『ゲルゲナート』に突っ込んでいく。まぁそういうつもりだったから別にそこを咎めるつもりはないけど、出来ればこっちの指示が出るまで指示を勝手に出さないでくれないかな。



名前は押さえたから後で折檻決定よ。



けど、流石に何度かワールドシナリオを経験してきたプレイヤーだけあって攻撃は激しいけど、互いの邪魔をするような攻撃をしないのは誇れる部分。



真化ジョブ持ちがそれぞれ四本の腕を各個迎撃してくれているおかげで『ゲルゲナート』は満足に腕を使えない。



ほかの連中に攻撃を任せて、私は周辺の状況の把握をしておく。今の私魔力0固定だから攻撃には参加できないし。まぁメス猫ほどの索敵能力はないけど、それでも私にはこれがある。



ポーチにしまってある『小惑星の果実』を口にした。本来は敵の弱点を発見するためのアイテムだけど、弱点が表示されるってことはつまり、敵の場所が分かるっていうことでもある。



私の視界に変化が生じ、光の玉のようなアイコンがいくつか見える。大小様々な大きさがあり、大きさから距離を測ることくらいは簡単だ。



残念ながら『ゲルゲナート』の弱点的なものは表示されず、ひたすら攻撃を繰り返すしかないのだけど。



うん。周辺に新しい敵と思われる反応はないわね。地中にも近寄ってくる反応はなし。



あとアールの反応もなし。取り込まれたのかと思ったけど、奴の体内にそれらしい反応を見せる光の玉はない。かと言って地中の中にもアールらしきアイコンはない。



女狐の心配しすぎみたいね。となると現実むこうから強制的にログアウトさせられて急用でも出来たのか、はたまた変態エクスゼウスにワールドシナリオを簡単にクリアされないための措置として呼び出されたのか。



ともあれ心配するほどのことじゃなさそうね。別に私は動揺してなかったし。流石にゲームで恋人が急に居なくなったからって泣きそうになるほど乙女じゃないし。



「わりぃ遅れた!!」



「・・・紛らわしいゴリラね。一回くたばれば?」



「戻ってきた瞬間にひどくね?」



護衛を終えて戻ってきたゴリラ。発言的にアールと勘違いしたじゃない。声なんて似てないのに全く。クソゴリラ。



「おいこら、誰がクソゴリラだ」



「アンタ以外にいないでしょうが。まぁいいわ。さっさとあのデカブツ沈めてきなさい」



「いやもうリアルに沈んでるじゃ・・・いやいやリークさん? ジョークですよ? ジョーク」



「ちょっと機嫌悪くしてるからそういうのやめなさい。アンタの股にあるイチモツ潰すわよ?」



「いや怖すぎだろ・・・なに? 目の前でアール殺られたの?」



「・・・殺られたならいいんだけどね」



「OK、なんとなく状況は理解したぞ」



「なら逝け。そんでもってあのデカブツ殺してこい」



「あいよ。なんか不穏なこと言われたけど今日は指示に従うぜっと!!」



ゴリラはそう言ってふた振りの獲物を担いで吶喊した。戦力的には前のワールドシナリオ時よりも上がっている。



ルシオンとチーザーは少なくともあと30分くらいは来られないって言ってるから期待はしないでおくのがいい。



少なくとも現状戦力で形態変化するとしても、間違いなく第一形態は仕留められる。形態変化しないなら目の前で一方的にボコボコにされているからこのまま倒せる。



一応トドメさせる様に大技決めるためのMPチャージ済ませておこう。もう少しで魔力0のデメリットも解除されるし。



「『星錬詠唱』開始」





――――◇――――





「ねぇ犬!! どこ行くのよ!?」



『知らん!!』



「ハァッ!!? 探してる奴の場所向かってるんじゃないの!!?」



『場所が分かるなら探さんわ!! わからんからひたすら走り回っているのだ!!』



「んな考えなしに走っても見つかるわけがないでしょうが!! もぅ!! 誰を探してるのよ!?」



『さっきも言っただろうが女郎がっ!アホ鳥だ!! 我の勘が言っているのだ! 奴の力が必要だとな!!!』



「だからアホ鳥って言われてもわからないんだってば!! 特徴とか名前とか教えてよ!」



『見たことがあるだろうが!! あの馬鹿デカイ翼と我よりも少し遅い速さで飛ぶ鋼のような翼を持っている馬鹿な鳥だ!!』



「・・・まって・・・ねぇまって・・・」



『なんだ!!』



「いやうん・・・そう言われたらものすごーっく。見覚えもあるし出会ったこともあるけど・・・マジであの化物探してるの?」



『気に食わんがな』



「えっと・・・あのクソ鳥ってその・・・アンタの仲間なの?」



『腐れ縁だ』



「えぇ・・・アンタじゃぁあの時仲間のこと容赦なく殺したの? ってか前にアールとなんか会った会ってないの話してたって聞いたけど?」



『殺していない。頭を冷やすために蹴散らしただけだ。向こうは我の事を認識できていなかったようだがな。ならば出会っていないも同然だ』



「えぇ・・・何その理論」



『ふん。怒りで我を忘れ彼奴との約束を忘れた鳥など一時的とは言え仲間ではない。倒すべき阿呆だ』



「・・・ふーん」



『なんだ小娘。見えなくとも貴様がどんな顔をしているのかくらいは分かるぞ』



「いやぁ、あれだねぇ。アンタ。昔の仲間が暴れてたらご主人の評価を守るために倒すくらいにはアールのこと大事に思ってるんだねぇって思っただけよ」



『・・・』



「反論しないんだ?」



『黙れ小娘。さっさと探せ。どうせ奴のことだ。遥か空の上で飛んでいるに違いない』



「そういう重要なことは早く言いなさいよ!! それだけあれば一瞬で見つけられるわ!!」



『・・・何?』



「全く、アンタかなり馬鹿よね。アタシのこと誰だと思ってるの? 何かを探すことに関して言えば情報一つあれば大陸の何処にいたとしても見つけられる力持てるレイレイ様よ?」



『何故そういうことを早く言わない!! 無駄に走ったではないか!!』



「アンタが何も言わずに走ってるから目的地があると思ったから黙ってたんでしょうが!!」



「『ぐぬぬ・・・!!!』」



「まぁいいわ。とりあえず速度落として止まりなさい。急に止まるんじゃないわよ? アタシが吹っ飛ぶから」



『チッ・・・』



「意外と素直よね。アンタ」



『黙れ。さっさとせんか』



「わかってるわよ。『翼握』『アークメモリー』・・・・・・・・・・・・見つけた。結構遠いわね」



『・・・・・・貴様も彼奴程ではないが大概おかしいのではないか?』



「へっへーん! 探し物調べ物においてはあのメス猫すら凌駕するアタシの力よ。感謝でむせび泣きなさい? ほら行くわよ。案内するからその方向に走って」



『流石に彼奴の女という訳か。振り落とされるなよ小娘!!』



「ふぇッ!? ちょっとまきゃぁぁ!!!!!」




――――◇――――

レイレイ Lv99

メインジョブ『暗殺者:恋華』(真化ジョブ)

サブジョブ『アークコンダクター』(真化ジョブ)

――――◇――――

真化ジョブ:『暗殺者:恋華』

・ジョブ『暗殺者』から派生するジョブ。自身を中心とした一定の距離にある全てを把握できる力を持ち、生命から認識されなくなる力を持つ。恋の華が芽吹くように。誰にも気づかれずに大切な人を守りたいと願う思いの結晶である。

専用スキル

・暗殺者・

通常の半分のMPでジョブ『暗殺者』のスキル全てが使用できる。

・存在希薄・

あらゆるものから自身の姿を消す。自身の意思、もしくは攻撃を受けない限り解除されない。

・必殺恋技・

以下の条件を満たした場合のみ、相手の全てを無視してHPを0にする。

①:自分の場所を相手に知られていない。

②:自分のHPが90%以上残っている。

③:相手の死角から急所への攻撃を行う

・トラップマスター・

存在するあらゆる罠を使用できる。(ジョブ『罠師』の専用スキルの罠も使用可能)

・恋華の守護者・

己の大切な存在に敵対するモノ、または仇なす存在に対して与えるダメージが二倍になる。ただし、発動後一定時間が経過するまでは敵対した存在以外に与えるダメージは0になる。

――――◇――――

真化ジョブ『アークコンダクター』

・ジョブ『情報屋』『探検家』『暗殺者』『密偵』『呪文使い』『罠師』の力をもった者が『恋華』の力を目覚めさせた時にのみ授けられる力。星を知る力『――――』を除けば唯一無二の力であり、その力は『――――』に匹敵する。そしてそれは『――――』を見つけ出すために必要不可欠な力でもある。

専用スキル

・多重思考能力・

複数のことを同時に並行して考えることができる。

・情報収集・

一定距離以内であれば誰の会話であろうとも聞き取る事ができる。

・翔握・

陸・海・空すべてを見通すことが出来る。ダンジョン内の罠の場所から解除方法まで、挙句には特徴がわかれば探すモノがどこにあるのかなど、その場所の特定も可能。

――――◇――――


速報。レイレイ。真化ジョブ二つ持ちだった。普通にクソ強い能力ですねこれ。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 下から数えて四行目のレイレイのメスネコというセリフは女狐じゃないですか?
[気になる点] >②:自分のダメージがHPの9割以上残っている。 (いまいち②の条件が読み取れない。 『自分のHPが1割以下である。』とか?) [一言] レイレイの『アークコンダクター』は、 2人で1…
[一言] レイレイ存在希薄使えばどんな相手でも倒せそう
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