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190:世界の裏側

注意

先に『ある日々の物語』にて投稿している『ある日々EX』を読んでいただけると内容がよりわかると思います。

砂糖注意も一応伝えておきます。

ラグズライド王国。近状報告のために国の重鎮たちが集まる場所は国王を始めとする重鎮が揃っている。彼らはそれぞれ各地で起こっているモンスターによる被害の他に、領地での問題や民の様子などを報告していく。



「では次だ。召喚した勇者どもの様子はどうか?」



「はっ! 召喚者たちは概ね戦うことを了承しました。了承したものたちは既に戦闘訓練と個別に能力の成長に努めております。そのうち数名は突出した実力と能力を兼ね備えているためあと数日あれば実戦訓練へ移行できるでしょう」



「流石異世界からの召喚者だ。成長速度がこの世界の者とは比べほどにならんな。して? 戦いを選ばなかった者はどうか?」



「ジョブに生産職を持つ者は王都に住むそれぞれの職人のもとに預けております。報告によれば預けた職人からはそのまま弟子に欲しいと要望が多発しております。戦闘職で否定したものですが、現在は王都の巡回など治安維持をさせております」



「ほう? 奴らはよくそれを受けたな」



「平和のためならばと快く受けました。異世界の人間の考えることはよくわかりません。しかし彼らの力は流石というべきでしょう。住民からの信頼を直ぐに勝ち取り立派に治安維持に努めております」



「当然だ。戦わぬのならそれくらいはして貰わねばただ廃棄するだけだ。他に何かあるか?」



「報告は以上となります。が、一つ陛下はじめとして皆様にお伝えしておきたいことがあります」



「よかろう。聞こうではないか」



「先程も報告した戦う勇者の中で突出した者のうち二名、『ケンブ・レイジ』『スズハラ・アヤコ』の二名ですが既に我が国の最高戦力である『七剣聖』に及ぶものでございます」



その一言で静かだった一同がざわめく。『七剣聖』とはラグズライド王国にいる最高戦力である。たった一人で遍くモンスターから街一つを守る実力を持っており、『七剣聖』を尖兵として戦場に投入すれば状況を瞬く間に反転させるほどの実力者だ。



その『剣聖』に既に並ぶと言われれば流石の彼らにも動揺が走る。つまり言えば異世界人たちがやろうと思えば『剣聖』を押さえ込みつつ、国を取ること出来てしまうのだ。



危機感を抱かずにはいられないだろう。自分たちを殺しかねない存在が既に出現したのだから。



「それは吉報。今後も励むように伝えるが良い。必要ならば『剣聖』を招集し、直接鍛えさせることも許可する」



「陛下!? よろしいのですか!? そんなことしてもしも異世界人どもが反乱を企てようものなら!?」



「貴殿、余のことを信じられんと? そういうのであるか?」



「っ!!?・・・・も・・・申し訳ありません」



「まぁ良い。貴殿の危惧にも一理ある。だが、異世界人と余は既に契約をしている。これを無碍にすれば異世界人どもは二度と元の世界には帰れん」



召喚した時に異世界人とした契約がある限り、召喚された者はその契約を果たさない限り元の世界には戻れない。そして国王はその契約を破棄された場合の対策もすでに打っていた。それを知る者はこの場にはいない。



「この契約は『ラグズライド7世』と『異世界人』が結んだ正式な契約だ。無碍にすればそれはつまりこの国を敵に回す事になる。平和ボケをしている者にはそれがどういうことか想像できんほどのものだ」



「つまり・・・裏切ることはないということですか?」



「そうだ。それとも貴殿は余が交わした契約を無下にして異世界人に首輪を付けることがのぞみか?」



「滅相もありません! 陛下がそこまでいうのでしたら我らも安心というものです」



「そうであろう? だが余にも至らぬ部分があった。今後は気をつけるとしよう。では次だ・・・」





――――◇――――



闇に包まれた地下室。そこはラグズライド王国のどこかにある秘密の場所。そこに集まっているのはお互いに顔も知らない7人。



お互い仮面で顔を隠し素性は愚か、その性別すら偽ることが出来る特殊な力を持っているため、男なのか、女なのかすらわからない。ただそれぞれこの場で名乗る名前を決めており、思惑も全く違う七人だ。



「さてフィーア。僕ら全員を集めたんだ。何か面白いことがあったんだよね?」



「さっさと要件を言え」



「・・・・・・帰りたい」



「アインもドライもフュンフも面白みっていうものがないよ。ねぇゼクス?」



「仕方なかろう。三人とも自分以外には興味がないのだから」



「そーそー。ズィーベンみたいに集まるのが好きな人間じゃないんだよ」



「とかいいつつツヴァイは内心集まれて嬉しいんじゃない?」



性格も全く違う七人。さらに言えば人としての相性も最悪な組み合わせも存在している。にも関わらず彼らはこうして集まる。組織のようなものであればまぁわかるだろう。



しかし彼らは表でも裏でもこの場以外では全く関わりを持っていない。不思議な関係性なのだ。



「これ以上雑談すると帰る人がいそうだからアインが言うようにサクッと要件を言うよ。”鍵”が来たよ」



「「「「「「・・・」」」」」」



「それから噂だけどね。五代目剣聖を名乗る時代人がエリュザクトにいるみたい。鍵と五代目。因縁浅からぬ二人がこの時代に揃ったわけだよ。これが何を意味するかわからない君たちじゃないだろ?」



「いいだろうフィーア。お前は私たちに何を望む?」



ドライと呼ばれていた仮面の人物が声色を変えて問いかけた。それを聞いてフィーアは喜びを隠すことなく笑みを浮かべた。



「ふふん! 簡単さ。”鍵”を覚醒させたい。その為には”困難”が必要だろ? 丁度この国には”歴史に名を残す馬鹿の子孫がふんぞり返っているだろ? それを鍵にぶつけたいんだ」



「・・・・・・了解した。俺がなんとかしよう」



次に名乗りを上げたのはフュンフと呼ばれていた、帰りたがっていた人物。しかし今、その声にはやる気と熱意が宿る。



「それで満足するのか? こちらでもそれ以上の”困難”を用意することくらいは造作無いぞ?」



「ゼクスゼクス。困難には順番があるんだよ。今回はまず様子見さ」



「そうか。ならばいつでも頼れ。”鍵の覚醒”の為ならばなんでもしよう」



「ならさ、私は五代目にちょっかい掛けてきてもいいかな?」



「そういうと思ったぞズィーベン。もとよりこちらはお前を止める術を持たない。好きにすればいい」



「・・・死ぬなよ」



「死なないよ? だって死ぬのは痛いからね。それに私”たち”には目的がある。それを果たすまで死ぬつもりはないよ」



彼らが集まる理由。それはただ一つ共通の目的があるため。信念も理念も全てが異なる彼らだが、たった一つ決めた”目的のために”彼らはお互いを利用し、利用される。



王国のどこかで弾む七人の会議は静かに続いていく。




――――◇――――





「いやぁ〜流石零司だよ。強いね」



「もらえた力の強さだ。俺だけの強さじゃない」



日々の訓練を終えて部屋に戻ってきた。模擬戦に能力発動による能力そのものの成長など、毎日の訓練は“曰く”大変だという。



俺も最初は動かない体が悲鳴を上げていたが、一ヶ月も続ければ体は動くし、能力によって身体能力も上昇する。俺のもらった能力はかなり高レベルの能力だったらしく他のクラスメイト達よりも成長が早かった。



でも、それはあくまでも”能力でカバーしている俺の力”に過ぎない。少なくとも”魔剣聖”というやつの力じゃない。



「また何か悩んでるでしょ? 顔に出てるよ?」



「・・・ごめん」



「大丈夫だよ? 零司は零司だから」



「ありがとう」



俺が俺であると明言してくれる綾子にはいつも助けられている。そして俺自身こんなにも脆いのかと疑ってしまうほどの弱さだった。どうして”当時の俺”はあそこまで出来たのか不思議に思うほどだ。



「はいぎゅ〜!!」



「苦しいんだけど?」



「苦しい方が嫌なこと忘れられるでしょ? これぞお姉さん風の癒しって奴だよ?」



「・・・ふんっ、どこがお姉さんなんだか」



「酷くない!? たまには素直に褒めてよ!!?」



「変に背伸びするのが悪いんだ。そう言って抱きつきたいだけだろお前」



「なぜバレた!?」



「バレないと思った理由を聞きたいんだが?」



「なら堂々と抱きつきます。はいギュー!!」



暖かさと心臓の音が俺に伝わる。優しくもはっきりと聞こえる鼓動は俺の不安を拭ってくれる。今日も一緒にいるとこの鼓動が俺に教えてくれる。



「にひひ、零司って意外と甘えん坊だよね?」



「・・・うっさい。余計なこと言わないで抱きついてろ」



「それでも離れろって言わない零司なのでした」



近いうちに実戦訓練をすると今日俺たちを鍛えてくれている騎士が言っていた。それはつまり本当の戦闘をするということだ。命と命を取り合う本当の戦い。



万が一に備えて騎士団がついてきてくれるがそれでも絶対じゃない。死ぬときは簡単に死んでしまう。それを”経験している”から、今こうして隣にいる綾子を失ってしまうのではないかと恐れている。



今日は守れた。でも明日は? そんな不安が俺に付きまとう。全てを捨てて、全てを失って、そして新しく得たことで初めて知った失うことへの恐怖。



きっと『魔剣聖』が見たら今の俺を腑抜けと言うだろう。けど、そんな状態の俺を、俺自身は嫌いじゃない。きっとこの弱さは『アール』が持っていた強さの一つなのだと、今の俺にはわかるから。



「綾子」



「うん。いいよ? 最近の零司は本当に甘えん坊だね」



「うっさい。あと俺が言える義理じゃないけど少しは自分を大事にしろよ」



「いいの。零司が相手だし」





――――◇――――





「うーん! いい感じになってきたね!!」



「エロゲマイスターである俺にはこの程度のシナリオなど朝飯前ですぜ主任」



「R1、そっち方向へ行くの(R-18要素)はお前が原因かっ!!?」



「エロは人を強くする!! エロイズパワー!!! これは古事記にも書いてある!! 南無三!!」



「主任、コイツ部署変えません? モーショントレース部門とかその辺りに」



「書くシナリオは面白いから却下。でもたまに運動させたいから(お仕置きとして)一時間放り込んできなさい」



「あ、待って!?せめてもう少し鑑賞させてぇぇん!!?」



「「かもーん・・・この世の悪夢(夢の理想郷)の世界へ・・・」」



「いやぁぁぁぁん!! 社員さんのエッチィ!!!!」



ワールドシナリオの下準備をしつつ、日々の業務に精を費やす私たち。アールくんは『天籟刀:ズイカク』の力を解放して即座に『クヴァレイドルクイーン』を切ったし、その姿を録画しただけでなく、二戦目も見られると言うご褒美も貰った。



それだけじゃなくて思った以上にプレイヤーの『クヴァレイドルクイーン』に対する挑戦意欲も高い。これは素直に嬉しい光景ね。これだけ勝とうとする気持ちを持っているプレイヤーが出てきてくれたなら実装してやった甲斐があるというやつよ。



実際『クヴァレイドルクイーン』は同時期に影で実装した新スキルさえ入手すれば、後は回数をこなせばなんとかなる。アールくんはそれを直ぐに見抜いていたしそれを伝えるという出血大サービスまでしていた。



他にも魅了なんて気にしないほどの感情の高まりか、アール君の様に高い精神力さえあればスキル無しでも勝つことは可能。問題はそれに気づけるかどうかってことね。



「そういえば主任、今度助役とデートでしたよね?」



「そうよ?デートという名で藤宮君とも話をしてくるわ」



「なにそれ完全に主任のご褒美だらけじゃないですか。ズッりぃ!!」



「くそ・・・あのカードを構築で選ばなかった自分を恨むZE・・・!!」



「なぜ俺のミサイルが地雷デッキに負けたんだっ!!?」



「運命力のなさだろJK」



「愛の前には環境トップなど無力である。これ常識」



「実際傍から見るとあの運命力はやばい。惚れるレベルで愛されてるよ」



喚くがいいわ普通の変態ども! これぞ主任権限・・・ではないけど、実力の違いってやつよ! 長年愛用し続けているマイフェイバリットを舐めるんじゃないわよ?



現環境で使い物にならないとしてもこのカードは永遠のマイフェイバリット!! イラストアドの塊&最強の効果(私の中では少なくとも最強)なのよ。



その力の結果、私はデートもする。藤宮くんと今後の身の振り方についても話す。どちらも出来るというのが大変ご褒美なものなのよね。



ヌワハハハハ!!!!



デートは何着てこうかしら? 久しぶりだから頑張っちゃおうかなっ。




クラス召喚とエクスゼウスのおはなしでした。


リアル接触フラグ

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― 新着の感想 ―
[一言] 魔剣聖かぁ……七剣聖とかいう舐めた馬鹿どもが言うには零司君は鍵なんやろなぁ。また敵対しちゃうのかなRと魔剣聖
[気になる点] >でもたまに運動させたいから一時間放り込んできなさい」 (ルビの開始位置が、『でもたまに~』からなきがする。終わり位置は合っていると思うが) [一言] どうやって、アールたちのリアル…
[一言] カードゲーム······ミサイル······うっ頭が
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