185:特異個体『クヴァレイドルクイーン』戦 Ⅱ
『クヴァレイドルクイーン』
『ローザクヴァレ』の特異個体。その強さは『ローザクヴァレ』が比にならない力を持つ。
能力
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裏設定
元々こいつは”道中のザコ敵&ギミック解除しなければボスなのに無限湧き”予定だったらしい・・・
主任Xの采配によりボス化&各種調整で落ち着いた。初期案バケモン過ぎる・・・
前話『特異個体『クヴァレイドルクイーン』戦Ⅰ』を一部修正しました。
繰り広げられる激しい攻防。さすがは特異個体というべきだ。癖はあるものの、それをカバーするだけの応用力と、それをあえて餌にして俺を釣るように立ち回る思考能力がある。
既に20分ほど戦闘を継続しているが、未だ弱る様子も、疲労する様子も見られない。くっそ思っていた以上にタフなやつだ。こういった相手が一番めんどくさい。負けることはないだろうが、勝つまでに相当な体力を使わされる。
ぶっちゃけ言えば正真正銘のソロなら突撃して一気に勝負を決めることも吝かではないのだが、ディアがいるのでそれは却下。初見の相手に対してリスクが大きすぎる。
そして俺がそれを選ばない理由がもう一つある。戦闘時間が経過するごとに『クヴァレイドルクイーン』はその攻撃パターンをさらに増やしてきたのだ。
「それ強すぎんだよお姫様ァア!!!」
その中でも特に注意しなければならないのは、この触手。先端を弾丸のように分離させて飛ばしてくる攻撃。それもマシンガンのように連発して放たれる。速度は“視える”速度だから対処は可能だ。しかし、この攻撃が最も危険な攻撃だった。
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時間は遡り少し前。触手による攻撃が速度を増してきた頃だろう。俺の目も慣れてきて、大分”視える”ようになってきた頃。この攻撃は放たれた。
その時の俺はその攻撃を切り落とし、一気に勝負を付けに行こうとしていた。慢心していたというべきだろう。いくら強くても勝てない敵ではないと。
触手の弾丸を切り落とし、切った肉片が体に付着したのだが、俺は気にせずに一気に駆け抜けた。だが、それが命取りだった。
ディアと融合していなければ、俺は今頃負けていただろう。そして同時に、それをキッカケにして俺はスイッチを切り替えた。『カースサイスリッチ』や『オーグ』と同様に自分よりも格上相手なのだと。そう思わせるほどのものだった。
この触手の弾丸。本体とは別で意思があったんだ。おそらくその思考はただ一つ『食事』。切られても消滅せずに残り続け、その思考を実行するために地面に落ちても、何かに付着しても生き続ける。
案の定、俺に付着した肉片はそのまま俺の体を捕食し始めた。しかもだ。俺自身は全く食われ始めていることに気づかないんだ。
胸に、足に、腕に被着した肉片が装備の間を縫って肉体に触れ、そして捕食をする。感覚がないまま捕食されていく俺の体。間一髪で気がついたのは融合していたディアだった。
捕食されていることに気がついたディアは即座に俺の思考を完全支配し、触手の弾丸から回避を選択、さらに俺の全身に麻酔をするように神経を殺して、体内に侵食した肉片を文字通り、全て同時にえぐり出した。
肉片を全て取り出したことでギリギリ『AS:復活』が発動、さらに即座に回復ポーションを使用してもらったことで俺は本当に間一髪の所で生きていられた。
神経を殺されていたため痛みによる失神や苦しみは殆ど無かったが、生きたまま自分の心臓と骨をゲーム内で“また”見ることになるとは思っていなかったため、ショックが大きかった。
同時に、自分の慢心を恥じた。無意識とは言え俺は相手を見下して、そして殺されかけた。いや、ディアがいなければ確実に殺されていた。
もう油断はしない。“今の”俺の“全力を持って挑む”と決めた。
それからの俺の戦闘は『剣聖物語』での戦い方に、『強者との』戦いに切り替えていた。一撃を受ける=死である事を意識して、攻撃はすべて回避、もしくは迎撃しすべて斬る。
触手の弾丸に被弾した場合は即座にその部位を自分の肉ごと切り落とし、肉片が消滅するまで切り裂く。文字通り命を懸けて得た情報だ。生かさない訳にはいかない。
そんな僅かな慢心が生み出したミスを超えて現在に至る。肉片を取り出すために負った傷は、既にアイテムで埋まったが、痛覚的な意味合いでは今でも痛い。高い授業料を払ったと思えば安いかもしれないが、ここまで自分の感覚が麻痺しているとは思わなかった。
だが、わかったことはそれだけじゃない。この触手の弾丸攻撃の後は、他の攻撃よりも隙が大きくなる。何度か繰り返し攻防を繰り広げた結果“視えた”攻撃のタイミングってやつだ。
――――◇――――
『 LAAA 』
「『初月雀』六羽!!」
触手マシンガンが終わった直後に出来る僅かな瞬間を狙い『初月雀』を囮込で六羽叩き込む。当然『クヴァレイドルクイーン』はそれを防御する。なぜ回避ではないかというと、触手発射の反動で一瞬怯んでいるのだ。なので防御せざるを得ないのだ。それにしても美しい・・・
『 LAAA 』
その中の一羽が『クヴァレイドルクイーン』の胸元にキズをつけた。その傷を受け少し後方へと声を大きくしながら下がった。頭をとろけさせるような美しい歌声は聞いていたいが、攻めるならこのタイミングだ。美しい肌から流れる体液も美しいが、せっかく掴んだこのチャンスだけどチャンスを不意にするようなことだけど無駄にはしない。
『ヨヨヨーヨ!!!』
「チィッ!!! クソがっ!!」
左足踵に、飛ばされた触手の一部が被弾しており、気がついたディアがそれを知らせてくれた。相変わらず侵入された感覚が一切ないのが厄介すぎる。ディアに神経の支配を頼みスキャンのように確認してもらわなければ俺でもまだ感覚として掴めていない。だがその肉片すら美しい。
上がってくる美しくも可憐な触手が太腿に達した時、太腿ごとをまとめて抉るように刃を突き立て触手を抉り出す。刃の先に刺さった触手はまるで鰻のようにうねり、刺さる刃から抜け出そうとする。うねる触手をそのまま切り裂き消滅を確認、腿の穴は既にディアに使ってもらったアイテムにより回復。
抉った痛みは大きいがなんとかなるレベルだ。即座に立て直し、視線を戻せば、クヴァレイドルクイーンも既に立て直しが完了していた。先程からこの繰り返しだ。攻撃が少しあたり、チャンスを掴んだと思えば、俺もいつの間にか被弾している。
無視して突っ込んでいきたいが、背に腹は変えられない。もし突っ込んで上手くクヴァレイドルクイーンを倒せても、直後に瀕死にでもなれば最悪やり直しだ。引き分けだけはゴメンだね。こっちも色々かけて戦ってるんだしな。
「修行のやり直しだな」
『ヨ』
「わかってるよディア。少し俺は気が抜けすぎていた。師匠が見たら絶対怒る程にな」
楽しいことがありすぎて、嬉しいことがありすぎて、気持ちが緩みすぎていたのかもしれない。間違いなくマリアーデが見たら説教するくらいには油断しただろう。
だけど二度目はない。俺は『五代目剣聖』であり、『四代目剣聖マリアーデの弟子』なのだから。これ以上の失態は絶対に見せない。
「そういう意味では感謝するよクヴァレイドルクイーン。お前のその優雅さには心も体も、全てが魅了されるよ」
『 LLAAA 』
既に思考もだいぶ汚染、もとい魅了され始めてきてこれ以上の戦闘は良くないだろう。体力の消耗は間違いないとして、長時間聞いていると蓄積するタイプのものなのかもしれない。少なくともこれ以上時間をかけるのは危険だ。
自分の問題点も再確認出来た。不抜けた俺ももう見せてはいけないと気合も入れなおした。そして改めて現状を正しく認識する。
現状、クヴァレイドルクイーンにダメージが入っているようには見えない。あってもカスダメ。そのカスダメすらあっという間に即座に再生している状態だ。間違いなくHPも回復しているだろう。
『ヨヨ』
「わかってるさ。ここから先は俺が”使える”全てを使っての全力だ」
ディアに今言われたように、もう使わない理由はない。間違いなく相手は俺よりも格上で、現状の装備含めた俺では太刀打ちができない。認めるさ。だからコイツを抜こう。
今まで使っていた『双子星の剣』を鞘に収める。そして最初にディアに預けていた『剣聖物語』での我が愛刀『天籟刀:ズイカク』を俺は手にとった。
前作からの引き継ぎ要素みたいで卑怯かなと感じていたため、極力使わないようにしていたのは事実だ。だがそんな甘えを言えるほど俺は強くないのだと、このクヴァレイドルクイーンは教えてくれた。
『 AAA 』
「喜べよお姫様。これが貴女に対する俺からの礼だ。俺の全力を持って貴女を倒す」
決闘で対戦相手に使ったり、ディアに作ってもらう複製は、はた迷惑なクソ野郎相手には使ってきたが、『天籟刀:ズイカク』の特殊能力を実戦で使うのは『プラクロ』では初めてだ。
「目覚めろ『天籟刀:ズイカク』」
――――◇――――
『天籟刀:ズイカク』特殊能力『天籟刀』発動
――――◇――――
直後、俺の視界に映る全てが停止した。正確には停止したように見えるだけだ。俺の体感時間が加速しているんだ。これが『天籟刀:ズイカク』の力。俺の思考速度と体感速度を加速させることを可能にした唯一の武器。
この力を発動中はスタミナ的な意味での体力をかなり消耗するので長時間の使用は出来ない。せいぜい3分が限界だ。故にこの力を使うのは本当に全力で戦い抜くと決めた時だけだ。
それがまさに今この時なんだ。
空気が変わったのを感じ取ったようで、『クヴァレイドルクイーン』はたじろいでいた。しかしそれを自分で自覚したのか、今まで以上に声を大きくして、俺を魅了するために歌声を響かせる。
耳に響く美しい歌声すら、今の俺には雑音でしかない。全ての感覚が超加速しているため、音すらゆっくり聞こえてくる。
「五代目剣聖アール。我が剣にて汝を斬る」
『 AAA 』
今までは二本から三本程度の触手から打ち出されていた触手弾丸を、ほぼ全ての触手を使い放ってきたクヴァレイドルクイーン。さらに打ち出しながら触手をなぎ払い遠近全てを網羅した絨毯爆撃のような攻撃に出た。
ここで切り札とも言うべき同時攻撃を使ってきたみたいだな。だけど、“完全に視える”よ。感覚の加速は“それら全てを置いていく”。
「月光真流奥義『十六夜天雷』」
加速した体感速度と思考速度に合わせる為に全力で『十六夜天雷』を使い身体能力を極限まで高める。
最初に迫る触手の弾を十字に切り裂き、その勢いのまま伸びてきた触手を切り落とす。すかさず他の弾丸を八つ裂きにして、消滅のエフェクトを確認してから前に進む。
更に、切り裂いた触手や肉片から出る白い体液を潤滑油のように刃に乗せて斬撃の速度をさらに加速させていく。
「超越流派・・・いや、あえてこう言おうか、超越剣聖流派演武『桜姫千年歌』」
せっかく運営が呼称してくれたんだ。『超越剣聖流派』と今後呼ばせてもらおう。桜華戦流と月光真流の合わせ技。呼吸にて存在感の濃薄を繰り返し、相手の認識を混乱させる。そして『月渡』と『月火』にて徐々に距離を詰めていく。
――――桜よ桜、千年の時を超えて花ひらけ
――――私が去ったその地にて、その花びらを咲かせてください
――――私が残した大切な人を、千の時を超えて何時までも見守ってください。
――――あの人たちが生まれ変わったその時も、あなたが私の代わりにそばにいてください。
――――その花びらで、皆に優しさを届けてください。笑顔を届けてください。
――――桜よ桜、千年の時を超えて、私の思いを彼らに届けてください。
――――あなたたちに出会えて、私は幸せでした。
『 LAAAA !!? 』
言うならばこれは歌舞伎の舞のようなもの。桜の花びらがひらりひらりと舞うように、敵を切り裂き前に進み、一歩進むごとに俺の存在感は増えていく。桜の花びらが数多く舞うように。
「『――――そして、あなたにも言葉を送ります。私のお願いを聞いてくれてありがとう。私の大切なお友達』」
『 LAAAA 』
唄が終わり、たどり着いた場所は、俺とクヴァレイドルクイーンの間合い3mもないほどの距離だ。触手は全て切り落とし、未だ再生中。弾丸は現在進行形で全て光となってい消えている最中だ。
「桜に願いを込めた、姫の心を貴女にも」
鞘に『天籟刀:ズイカク』を収め、貯め続けた衝撃を集中させていく。その瞬間、クヴァレイドルクイーンの顔を隠していた前髪にあたる触手と、胸元のドレスを形作っていた触手が俺を射殺すべく形状を変えて槍のように”恐らく高速”で迫ってきた。
だが、俺の視覚上では“精々低速で視える”攻撃を対処することは可能だ。触手の槍を体の軸をずらして回避、この距離で“恐らく高速”で放ったにも関わらず、回避されたことに驚いたんだろう。隠れていた顔には驚愕の表情が浮かんでいた。やっぱりとんでもない美人だなお姫様。
「超越剣聖流十二宮奥義『桜月恋翔サジタリオ』」
『天籟刀:ズイカク』をなぎ払うように一閃。刃と共に生み出された衝撃の爪による一撃が、クヴァレイドルクイーンのドレスを引き裂き、心臓を切り裂いた。
『 A AA AA aaa 』
体を硬直させ、力なく俺の方に倒れてきた『クヴァレイドルクイーン』を優しく受け止める。そしてお姫様は震える手を俺の頬に、視線をしっかりと俺の方へと向けながら声をあげた。
その声は心の底から美しい歌声だった。自分の死を覚悟したクヴァレイドルクイーンが、自分が生きた印を残すために歌う。その歌は『私を忘れないで』と歌っているように俺には聞こえた。
「忘れないさ『クヴァレイドルクイーン』。貴女のことを俺は忘れない。だから安らかに眠るといい」
『 A アア Aaア AaaaRuuu 』
最後の表情はどこか儚く、そして悔いのない綺麗な笑顔だった。そしてそのまま『クヴァレイドルクイーン』は光となって消えていった。
――――◇――――
・特異個体『クヴァレイドルクイーン』撃破
・生存者:プレイヤー『アール』
・生存者:従者『モンスター:破滅の球体-ディア-』
・瀕死したプレイヤーは全て最寄りの泉にて復活します。
・戦闘終了に伴い、封鎖していた戦闘エリア『海岸エリア:ボスフィールド』を開放します。
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・『クヴァレイドルクイーン』を撃破しました。
・レベルアップ!:アールはレベル51になりました。
・UtSレベルアップ!:『UtS:継承者(五代目剣聖)Lv2』『UtS:師範代Lv3』『UtS:星の魔術回路Lv4』にアップ
・UtS変化:『UtS:アルティメットカウンター』『UtS:クリティカルブレイカー』が融合。『UtS:刹那Lv1』獲得。
・特異個体初回登場討伐報酬:武器:太刀『艶姫刀:クヴァレイドル』を入手しました。
・賞金:26000Dを獲得
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さようならクヴァレイドルクイーン。この戦いを俺は絶対に忘れない。この自分の気の緩みを俺はもう許さない。
『ヨヨヨーヨ?』
「あぁ、そうだな。せっかく手に入れたんだ。確認してみようか」
勝利した報酬として手に入れた新武器『クヴァレイドル』。あのお姫様の名前を持っているんだ。性能が気になる。どんな力があるのかもとても気になる。
ポーチから取り出して見ると大きさは『天籟刀:ズイカク』よりも少し小さい程度。個人的には居合い切りにちょうど良さそうな長さだ。刃は白に薄く桃色が光り、『クヴァレイドルクイーン』の素肌と同じで美しいものだった。
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武器 太刀『艶姫刀:クヴァレイドル』
攻撃力:+528 特殊能力『クヴァレイドル』
『クヴァレイドルクイーン』の命が宿る太刀。自身を倒した勇士に対して『ローザクヴァレ』の姫である『クヴァレイドルクイーン』から送られる最大級の報酬。美しくも鋭い刃は見るもの全てを魅了する。
――――◇――――
攻撃力は間違いなく俺が有する武器の中ではトップの性能だ。攻撃力Ωである『天籟刀:ズイカク』はもちろん除いてだが。
普段使いとしても便利そうな太刀だし、いいかもしれない。これで俺の基本装備は『投刀:抛』『双子星の剣』『双子星の籠手』の三つに失った『真刀:戯』が修復できるまで『クヴァレイドル』を使っていくことにしよう。
これでとりあえず『剣聖物語』の時と似たような装備になってきたわけだ。向こうでは太刀一本剣二本に籠手装備のスタイルだったけど。
「しっかし綺麗な刃だなこれ・・・説明書きの通りこれは魅入るわな」
『ウレシイ』
「???」
なんだ今の声? でも言っていた事的には『クヴァレイドル』が喋ったようにも聞こえなくもない・・・・・・うん。変なことを探そうとするのはやめよう。
『剣聖物語』と『プラネットクロニクル』は似ているし、続編だからこそ新要素も多いんだ。こういうこともあるだろう。
「お前自我があるのかよ」
『チョットマッテ』
間違いなく『クヴァレイドル』が喋ったのである。真化とは違うが、まぁこういう要素も『プラネットクロニクル』には追加されたみたいだ。
どこぞのディスティニーの主人公がもつ自我のある剣みたいだな。シリーズ屈指の名作と呼ばれるあれをオマージュするとはセンスがいいじゃないか。
『クヴァレイドル』が輝き出すと、俺の想像を超えることが目の前で起こった。剣を握っていたはずなのに、何やら柔らかい素肌のようなモチモチした肌触りに変わり、ゆっくりと剣が変化し始めた。
それは今まさに倒したはずの『クヴァレイドルクイーン』本人であった。髪の毛のような触手も、綺麗なドレス姿も見間違えるわけもない。強いて言うなら俺が切ったであろう部分は素肌が見え、傷もしっかり見えている。
たわわな豊乳にもその傷はしっかりと残っている。見えてはいけない部分は見えていないけどどちらかというとアウトである。健全な男子にはよくないエロスがある格好だ。
「・・・・・・」
『ヤクソクシタ、ヨロシク』
うん。やっぱり凄まじく綺麗な声だ。できたらまた歌とか歌ってほしい。今度は素直に聞き惚れるから。とかは今は置いといて、ヘルプ表示。
触れていた、たわわな感覚はとても、かなり名残惜しいけど我慢我慢。ブニッてしてたよ。いかんいかん。検索『特殊効果:クヴァレイドル』っと・・・・
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・特殊能力『クヴァレイドル』
『クヴァレイドルクイーン』の文字通り魂が宿っているため、所持者のMPを消費することで一時的に『クヴァレイドルクイーン』と同じ力が使える。また、気まぐれではあるが『クヴァレイドルクイーン』が顕現し、戦闘中に300秒だけ従者『クヴァレント』となる。
◇クヴァレイドルクイーンの能力◇
・水姫侵食
自分が傷つけた相手を『特殊状態:水姫侵食』にする。侵食が心臓に達した時、相手を瀕死にする。
・水姫魅了
心に隙がある相手を『特殊状態:水姫魅了』にする。水姫魅了にかかると、魅了対象はHPの9割に相当するダメージを受けない限り水姫魅了が自然回復せず、戦意を喪失する。
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「おい待てこら」
顕現って何だおい。能力見て確信したけど、これ完全に『リアルハードモード』『アフターストーリー』仕様じゃねーか!? なんつー怪物作ってんだエクスゼウス!!
最高かよ・・・普通に考えると全然クロニクルモンスター化しても不思議じゃないスペックはあるんだけど。俺個人としては命を削る戦いができたので大満足です。
『ミテミタクナッタ。オマエノミチ。コレカラツイテク。ワスレナイヤクソクシタ』
「うん。一応聞くが帰れって言っても着いてくる?」
『コトワル。キズモノニシタノニ責任トラナイノカ?』
「”責任”だけ流暢に言うんじゃねぇよ!!?」
再戦願望はあったしこれはまぁこれでよし。問題は性別がクイーンなので女性。つまりリークに俺が折檻される可能性があることくらいか。でも折檻くらいで再戦可能な武器化したボスが身近にいるとかすげぇありがたい。
素直に嬉しいわこれ。しかも武器としての性能も『アフターストーリー』仕様だから同じく『アフターストーリー』仕様のモンスター相手に使えるし。
『水姫魅了』はかかれば絶対勝利確定の強能力だし、『水姫侵食』も侵食された場合はその部位をどうにかしない限りはそのまま即死案件だし。『桜華戦流』とは相性がバチクソに最高な能力だ。
けど、間違いなく特異個体以外では能力の開放はしないほうがいいだろう。特異個体で使うとしても強すぎる能力だし、普段使いなんてしてみろよ? 絶対にヌルゲー化する。俺以外に所持者がいないのが今の所安心できる。これが流通したら流石にゲームが終わるか、インフレしてやばくなる。
これだけの性能なのに『アフターストーリー』仕様のモンスター相手には少し物足りないくらいだと感じる俺は多分頭おかしいと思う。簡潔に言うと『リアルハードモード』って超鬼畜難易度だわ(褒め言葉)
ってことはあれか? 冗談半分だった『恨血の木』の亜種『喜血の木』とかもいるんじゃない?他にも特異個体はいるだろうし。やばい。楽しみになってきた。
全制覇したい気持ちが溢れてきた。今度リーク達と色々試してみよう。個人的にはこの前倒したガセルの特異個体がすごく気になる。
『ナニカアッタノカ?』
「いや、楽しみが増えたと思ってな。とりあえずこれからよろしく頼む。クヴァレイドル・・・長いから『イドル』でいいか? 呼び方」
『カマワナイ。スキニヨベ』
「オーケイ、改めてよろしく頼むよ、イドル」
新しい武器であり、修行相手ともなるイドルが仲間(?)に加わったのである。従者の枠食わないの助かるわマジで。
とりあえずみんなが戻ってくるまでに武器の能力の把握とイドルから色々と話を聞いておこう。もしかしたら”二戦目”をする可能性もあるし。
プラクロで誰にでもワンチャンあるように調整はされていましたが、それでもレベル90超えが束になっても、メタ積まないと瞬殺されるレベルの実力者クヴァレイドルクイーン。
楽しいことと混乱することとかが重なりすぎて気が揺るんでいたアールも慢心から実質敗北しましたが、それがきっかけで再度気合いを入れ直し、ついに前作での愛刀本来の力を使いました。
分かりやすく言うと、思考と体感だけがクロックアップ状態。身体能力は変わりませんが、強引に近づけてほぼ同じくらいに加速させていました。それでもまだ追いつかない。
最強武器(アールの中では)の能力使用は、文字通りアールの全力での本気です。剣聖物語時代ではこの力と、磨き上げ続けている技術を常時フルに使うことで邪神を撃破してクリアまでこぎつけました。
友人や恋人、そして数多くのプレイヤーと一緒に戦うこともあり、割と浮かれていたり、油断しがちだったアールですが、今後このようなことはなくなります。この戦いがある意味アール本来の実力を呼び起こすキッカケになりました。
わかりやすく言うと、『戦闘開始直後に種割れ発動&戦闘終了まで永続』状態開放。バースト技(『天籟刀:ズイカク』の能力開放)常時使用可能。
感想お待ちしています。




