感謝SS:ifストーリー/幼児化したディルクを攻めくんたちが可愛がるお話。
ポスノベで「こんな話がすき~!」と妄想の垂れ流しから生まれたこのお話。
気付けば、経験した事のない数字を私に経験させてくれた作品になりました。
これもひとえに皆様がこの作品を愛してくださるお陰です。ありがとうございますm(__)m!
感謝の気持ちを込めて、ちょっとした小話を書きました。
皆様のお暇のお供になれば幸いです^^
これからもディルクたちを、どうぞよろしくお願いいたします~!
朱い、夕日の様な暖かく柔らかいその髪色に、瞳。
雪の様な白く透明感のある肌も、何も変わっていない。
違うところがあるとするならば……サイズ感だろうか。
見た目的には3歳くらいのそのサイズに、私は目を見開いて固まってしまった。
「……?ありゅふれっどしゃま、どうちたの?——んむ?あれ、おれ……しゃべりかた、へん」
ディルクは研究に没頭すると過集中気味になる。そんな彼をエドガーが心配して栄養剤を調合したらしいのだが、ソレを飲んだ瞬間にディルクは幼児化した。エドガーは「あっ、調合する薬草間違えたかも」なんてすっとぼけた事をぬかしている。
しかし、初めて見るディルクの幼い見た目に、後光が見える。幻覚だろうか。
「——ッ、なんて……っ!なんて可愛いんだ……!天使だ、天使が存在している……!」
「アルフレッド、落ち着け。わなわなし過ぎだ」
「エドガー……ッ!これが落ち着いていられるか……?!ディルクの可愛さが天元突破している……!普段から可愛いディルクが、こんな……!こんな可愛いディルクを悪い大人が見てしまったら、大変な事に!このままじゃ、誘拐されてしまう……っ!しまわねば……!」
「いや、アルフレッドが一番悪い大人だと思うが」
「?!ゆ、ゆうかい?!こわい」
「公子様、落ち着きたまえ。ディルク……安心するんだ。何も怖くないぞ、俺がいるからな」
そう言って、ラース殿はディルクを優しく抱き上げ、ニッコリと微笑むと、涙目になっていたディルクもふんわりと微笑む。
悔しいが、ラース殿の対応は確実に私より大人だ。
「わあ……!ふふふ。らーしゅのけ、ぽかぽかできもちいー」
「ふふ。ディルクも……幼児化したからか、体温が高くて……抱きしめていると暖かいな」
「ちょっとちょっと!ベルグマン大佐!高すぎ!ちょっとディルクをこっちに見せてくれる?」
「ディルク、ブライタス侯子様が君に面会したいそうだ。残念だが、少し下に動く」
「ん。いいよぉ」
「ん、ありがと。わー!ホントに子供じゃん……!えっ、ていうかディルクの肌、めっちゃモチモチー!やっば。ずっとツンツンしてたい。ツンツンツン」
人差し指でお饅頭の様なディルクの頬を押し込むたびにディルクの頬はプルンプルン揺れる。かわい……いや、けしからん。
「うあ。あ。おしゅかー、やめ、やめてよぉ」
「む。ブライタス侯子様、ディルクが困っているぞ」
「んー、やめられないとまれないなんだよねぇ。ツンツンツン」
「うぁ。おしゅ、おしゅかぁ、や、とまってぇ」
「ブライタス侯爵令息……!その手をどけろ……!ラース殿、ディルクをこちらに……!」
「ひぇっ!あぅ、こころのなかのおれは、ちょうよろこんでるのに、おれはこわくて……どうちたら……!う……っ!ぐしゅ。こころがふたちゅあるぅ~」
ラース殿がゆっくりと私にディルクの小さな身体を「衣服がずり落ちないように気を付けて」と言いながら引き渡してくれた。
柔く白い肌を周りの者に晒したくなくて必死に大きい衣服を被せながら抱き上げると、大きな可愛らしい瞳から涙が零れた。
「なっ、泣かないでくれ……!君を泣かせたい訳じゃない……!私は君を守りたいんだ、ディルク」
雫を掬うように私の口唇をディルクの肌に密着させると、ぽぽぽっと白い肌が紅潮して。
その変化に愉悦が咽びあがる。愛しくて、どうにかなってしまいそうだ。
「——ああ。頬がモチモチで……堪らない」
「ひょぇっ!あっ、ありゅふれっどしゃま!こ、こんな、とこで……!ほっぺに……!うぁ。むねがきゅんきゅんして……く、くるしいよぅ」
「まだ私が怖いか……?頬に口唇を落としたら、怖くなくなると何かの書籍で読んだことがある。怖くなるまで、もう少しだけ」
「うぇ、しょ、しょうなの……?わ、わかりました。しんぞう……ばくばくしゅるけど、そういうことなら……もうちょっと、いいでしゅよ……?」
「っ!ディルク……!」
「こら、アルフレッド。君が一番変態すぎるぞ。——決めた。ディルクを悪い大人から引き離そう。王太子の命により、今からディルクはヴァーミリオン伯爵家、執事長テスター、侍女長ミストに引き渡す。よろしくな、ふたりとも」
「承知いたしました」
「かしこまりました」
「わぁ~!てしゅたーとみしゅと~!あしょぼ~!」
「ディル様、こちらへ。おもちゃが沢山ありますからね」
「ディルク様の大好きな、お茶菓子も用意してございます」
「うれしーッ!だっこ。てしゅたー、だっこ、して?」
「……っ!承知、いたしました……!——これは、アルフレッド様がおかしくなられるのも、無理はないな」
「ああ、かわいい……!ディルク様、当時のお衣装をまだ残してございますので、お着替えしましょうねえ」
「はーい!」
どこからともなく現れたふたりは小さなディルクを連れて、去っていった。
——そして、新たな欲望が私の中で顔を覗かせている事に気付いてしまった。
ディルクと私の子供が生まれたなら……きっと愛しくて愛しくてしょうがなくなるのだろうなと、先程までのディルクを思い起こして、その未来を見てみたくなってしまったのだ。
「——エドガー、いくらでも金は積む。頼みたいことがあるのだが」
「ちょっとそれ、王太子に対する発言じゃなくない?こわ。アルフレッドのこの変わりよう、エゲつないね」
「公子様……?まずは彼の方の心を掴むことが先決かと。余所見をしていたら、私が横から失礼するから、そのつもりでいてくれ」
「んー。俺は、アイツが倖せなら、なんでもいいけど。——悲しませるようなら、話は変わってくるから」
ああ、なんて——君はこんなにも魅力的なのか。
「——負ける気など、サラサラない」
3人の氷点下の微笑みが、あたりの空気を冷え冷えとさせていく。
しかし、遠くから「わー!てしゅたーじょうじゅー!」とディルクの可愛らしい声が聞こえてきて、私たちは一瞬でその声にほんわりとしたのだった。
その後、ディルクは一晩眠ったら元に戻っていたそうです。
ラースのモフモフのあたたかい毛も、オスカーのツンツン攻撃も、エドガーとテスターとミストの優しさも全部覚えていました。
そして、勿論。アルフレッドのキスも。
頬にキスされるのを思い出すたびに胸が苦しくなるディルクなのでした。
アルフレッド、がんばれ^^




