表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/11

第6章 三角関係とすれ違い――恋と夢の選択

蓮からの誘いは、米の心に小さな波紋を広げ続けていた。


「世界に広める……かぁ」

夜、おにぎり屋のカウンターで仕込みをしながら、米はぽつりと呟いた。

両親は嬉しそうに「それもいいじゃない」と背中を押すが、米の胸は重たい。


一方、挟も眠れぬ夜を過ごしていた。

「俺じゃ、米の夢を叶えるのに力が足りないのかもしれない」

ハンバーガー屋の厨房で包丁を握る手に、力が入りすぎてしまう。



数日後、蓮の店「グローバル・フード・カフェ」がオープンした。

華やかな外観、異国情緒あふれるメニュー、SNSに映える内装――。

オープン初日から若者が長蛇の列を作り、商店街の話題を独占した。


「すごい人だかりだな……」

挟と米は少し離れた場所からその光景を眺める。


そんな二人に気づいた蓮が、余裕の笑みで手を振る。

「来てくれたんだな。どうだ? 一緒にこの舞台で挑戦してみないか、米」


「……」

米は返事を飲み込んだ。挟の視線を感じながらも、胸の奥で迷いが渦巻いていた。


「蓮さんのお誘いはすごくありがたいです。でも、私は――」

言いかけた瞬間、挟が割って入る。

「彼女は俺と一緒にやるって決めてるんだ!」


だが、その言葉に米は驚いたように振り返った。

「挟くん……私、まだ何も決めてないよ」


その一言は、挟の心に鋭く突き刺さった。

信じていたはずの絆に、初めて小さなひびが入った瞬間だった。



その夜。

「挟くんのことは大事。でも、私だって夢を追いたいの」

米はそう告げると、振り返らずに自宅の暖簾をくぐった。


残された挟は、ただ立ち尽くすしかなかった。

心に広がるのは、不安と焦り、そしてどうしようもない寂しさ。


「……俺、本当に米を守れてるのか?」


商店街の夜風が、彼の独り言をさらっていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ