第5章 ライバル登場!?二人の関係に波乱が…
夏祭りでの大成功から数日後。
挟と米の屋台は商店街で話題となり、二人の名前が少しずつ広がっていた。
「挟くんと米ちゃんのコンビ、ほんと最高だったよ!」
「今度はお店でも食べたいなぁ」
そんな声を聞くたびに、二人は少し誇らしく、そしてくすぐったい気持ちになった。
*
だが、その空気を揺さぶる存在が現れる。
商店街に、新しい飲食店がオープンするという噂が流れたのだ。
その名も―― 「グローバル・フード・カフェ」。
海外仕込みのシェフが腕を振るう、多国籍料理の店。
おしゃれな外観とSNS映えするメニューで、オープン前から若者の注目を集めていた。
「へぇ……すごいな。うちのハンバーガー、太刀打ちできるかな」
挟は少し不安げに呟いた。
「私のおにぎりなんて、もっと地味に見えちゃうかも」
米も眉を下げる。
そんな二人の前に、颯爽と現れたのが――
その新店の責任者であり、挟の幼なじみでもある 神宮寺 蓮 だった。
「やぁ、挟。久しぶりだな」
涼しげな笑みを浮かべる蓮。背は高く、都会的な雰囲気をまとっている。
彼は昔から何でも器用にこなし、学生時代には女子からの人気も高かった。
「蓮……お前がこの店を?」
「そうだ。世界の味を日本に広めるのが俺の夢なんだ」
そして蓮は、米の方へと視線を移した。
「君が尾ニ切米さんだね。祭りの屋台で評判だったって聞いたよ」
「えっ……あ、はい。どうも」
米は思わず背筋を伸ばす。
蓮のまっすぐな瞳に見つめられると、どこか落ち着かない。
「もしよければ、うちのカフェで一緒にやらないか? おにぎりを世界に広めるっていうのも面白いだろう」
突然の誘いに、米は驚きのあまり言葉を失った。
挟は反射的に一歩前に出る。
「ちょっと待てよ! 米は――」
だが蓮は余裕の笑みを崩さない。
「選ぶのは彼女だ。挟、お前だって本気で彼女の夢を支えたいなら、彼女にとって一番の舞台を考えるべきだろう?」
その言葉に、挟の胸はざわついた。
米は……俺と一緒にいるのが本当に幸せなんだろうか?
迷いと不安が、じわじわと心に広がっていく。
米もまた、揺れていた。
挟と一緒にいるのは楽しい。でも――世界に挑戦するチャンスを掴むのも夢の一つかもしれない。
二人の間に、見えない距離が生まれ始めていた。




