第4章 祭り本番!二人の屋台大奮闘
夏祭りの当日。
商店街の通りは、色とりどりの提灯に照らされ、浴衣姿の人々でにぎわっていた。
太鼓の音が響き、甘い綿あめや香ばしい焼きそばの匂いが夜風に混ざる。
その一角に――「ハンバーガー&おにぎり屋台」が並んでいた。
看板には、米の描いた元気なイラストが大きく貼られている。
「よし! 準備完了!」
挟が腕をまくると、米も気合十分に頷いた。
「今日は絶対、いっぱい売ろうね!」
二人が試行錯誤の末に完成させたのは――
『ハンバーガーおにぎりバーガー』。
バンズの代わりに小さなおにぎりを使い、具材はジューシーなハンバーグ。
和と洋が合体した、子どもにも大人にも食べやすい一品だった。
*
最初のお客さんは、小さな兄妹だった。
「おにぎりなのにバーガーだって!」
「たべてみたい!」
米が笑顔で渡し、挟が元気よく説明する。
「熱いから気をつけてな!」
一口食べた子どもたちの目が、ぱぁっと輝いた。
「おいしい!」
その声に、周りの人たちも興味を持ち、屋台の前には次々と行列ができていった。
「やばい、米! どんどん売れてくぞ!」
「うん! でも焦らずに!」
二人は声を掛け合いながら、息ぴったりで動き続けた。
挟は次々とハンバーグを焼き、米は笑顔で接客しながらおにぎりを手際よく握る。
汗だくになりながらも、不思議と楽しかった。
「……なぁ、米」
忙しい合間に、挟がぽつりと呟く。
「俺、やっぱりお前と一緒にやるのが一番だ」
米は手を止めずに、でも頬を少し赤くして答えた。
「うん。私も……そう思ってた」
*
やがて、屋台の売り切れを知らせる札がかかる頃――
通りは拍手と笑顔であふれていた。
「ハンバーガー屋とおにぎり屋の最強コンビだな!」
そんな声が聞こえてきて、挟と米は思わず顔を見合わせる。
夜空に花火が咲いた。
二人は並んで見上げる。
「……子どもの頃の約束、ちょっと叶った気がするな」
挟が照れくさそうに笑うと、米も同じように微笑んだ。
「じゃあ、これからも一緒に、少しずつ叶えていこうね」
花火の音に紛れて、二人の小さな声が重なった。




