第四九話 マッドヒーロー
七人の『松澤病院 脱走者』が全員壁に両手をつき、尻を向けて立っている。
MPの二人が七人の身体をチェックして行く。
残りのMPが拳銃を構えて、七人の動きを見ている。
ナンシーはMP達の後ろで壁の七人を見ている。
スミス将校がマッカーサー司令官(元帥)の座るソファーに近寄り挙止の敬礼をする。
司令官の身体を観て心配そうに、
「Marshal, Are you unhurt ?」
司令官は薄笑いを浮かべて、
「It's you saw.」
スミス、
「・・・Who person are they ?」
司令官は観念している七人を見詰め、
「・・・Japanese heros.」
スミスは振り向いて壁の七人を見て、
「Heros !?」
マッカーサー元帥、
「Yes , ・・・Japanese・・・ Heros」
(そうだ。日本人の英雄だ。)
司令官は尊敬の眼差しで壁の七人を見る。
そして、
「Handled politely !」
スミス、
「? Yes ser !」
スミスはマッカーサー司令官に挙止の敬礼。
テーブルの上に並べられた封書とキチットたたまれたザラ紙を見て、
「What is this ? Marshal !」
マッカーサー元帥が、
「An important documents.」
スミスはテーブルの書類を見詰めている。
マッカーサー元帥が、
「Promise with me is written .」
壁の時計が「十三時」の鐘を鳴らす。
マッカーサー元帥が、
「It's time ! I'm called to an emperor.」
(天皇陛下に会う時間だ)
ナンシーは我に返って、
「Wo ! It's prepared quickly .」
ナンシーが司令官室から出て行く。
司令官の机の電話が鳴る。
スミスが受話器を取る。
「Yes , I'm Smith speaking .」
受話器からの声が漏れる。
「Terrorist is going there .」
スミスが、
「Terrorist ? ・・・, No , Japanese heros. Telephone from where is it ?」
声、
「The police station in Marunouchi. They have a psychiatric disorder person.」
スミス、
「Psychiatric ?」
声、
「A runaway from the Matsuzawa Hospital. Okawa Shumei is inside fora member.」
スミス、
「Sure ! Okawa Shumei !」
マッカーサー司令官は『大川周明』の名前を聴き『七人』をもう一度、凝視する。
そして、
マッカーサー元帥が、
「Who is Okawa Shumei?」
周明は両手を挙げたまま振り向き、マッカーサー司令官(元帥)を見て薄笑いを浮かべ、
「My name, Shumei Okawa Ser .」
マッカーサー司令官は周明の顔を眩しそうに見て、ため息を吐く.
司令官はもう一度、全員の名前を聞く。
「Other persons name again?」
周明は壁に向かって立つ六人に向かって、
「名前をッ!」
まず首藤が両手を挙げて振り向き、
「元帝国陸軍参謀副長、首藤操六!」
次に岡田が両手を挙げて振り向き、
「元帝国陸軍准尉、岡田 滋!」
次に堀田が両手を挙げて振り向き、
「元帝国海軍調査部少尉、堀田善衛!」
次に杉浦が両手を挙げて振り向き、
「元帝国従軍画家、杉浦誠一!」
次に山田が両手を挙げて振り向き、
「元帝国海軍一等兵曹、山田欽五郎!」
山田はマッカーサー司令官にウインクをする。
最後に肥田が両手を挙げて振り向き、
「元帝国陸海軍部付け体育家、肥田春充!」
マッカーサー司令官は七人全員の顔をもう一度、一周する。
覚悟を決め、堂々とした態度の七人。
マッカーサー元帥が、
「・・・ , I don't forget you forever.」
周明、
「Thank you very much. Please keep appointment for 7 people Ser .」
ナンシーが司令官室に入って来て、
「I'm ready for a car.」
マッカーサー元帥、
「Yes . Thank's !」
マッカーサー司令官は、机の脇に置いた『紅いカバン』を持って総司令官室を出て行く。
スミス以下MP達が全員整列。
挙手の敬礼でマッカーサー司令官(元帥)を見送る。
GHQ本部 裏門通路 の踊り場。
エレベーターが停まりドアーが開く。
MPが素早く踊り場に出て、周明、肥田、堀田、首藤、岡田、杉浦、山田の七人を眼でガードする。
七人は堂々と踊り場に整列して行く。
スミス将校が最後にエレベーターから出て来る。
七人を眼で一周して『独り言』をいう。
「・・・Mad Hero(気違いの英雄)・・・」
周明がそれを聞いて、
「Thank you (ありがとう).」
裏門に軍用トラックが停まっている。
運転席には『村瀬巡査』が正面を向いて座って居る。
助手席には太ったあのMPが。
太ったMPはトラックの窓を下げ、ガムを噛みながら薄笑いを浮かべ七人を見ている。
通路を歩いて来る七人。
七人は後部荷台の後ろに整列する。
MPが荷台の幌を開ける。
周明を先頭に七人が次々と荷台に消えて行く。
助手席の「太ったMP」が後ろの荷台を見て、
「Hurry up. Jap Monkey !」
スミス将校はトラックの助手席に近づき、
太ったMPに、
「Shut up ! They're a Japanese hero.」(黙れ! 彼等は日本の英雄だ)
太ったMPは若いスミスを見て、
「? ? ?・・・Yes sar !」
運転席の村瀬巡査は正面を向いて、薄笑いを浮かべて頷く。
村瀬巡査はエンジンキーを捻る。
七人を乗せた軍用トラックは、ゆっくりと『丸の内警察署』に向かう。
続く




