第二話 美食家のご注文-⑦
ホッグスがすぐさま近くにあった液体を、プニカスへとかける。
……当然、彼のもかかる。
専用のタレと、ヨ"ダレ"に塗れたプニカスは、どことなく恨めしそうな目でこちらを見上げているような気がしなくもない。
……ごめんて。
「……っ……」
さて、見たくもない現実を直視するに……今、俺は逃げ場は失った。
ともすれば、どうするか?
……ふっ、そんなの古来より決まっているじゃないか?
手負いの獣がそうするように!
あるいは、鳥に啄まれた魚がそうするように……!
俺は―――――!!!!
「あっ、じゃあ、あの……頂きますね~……」
―――諦めも肝心だよね。
運命運命っと!
そうして俺は、ホッグスさんから手渡しでヌメロウのようなプニカスを受け取り……それを口に運んだあぅぉぇ……。
もはや魔物食がどうとかはどうでもよく、ただ……無心でぇおぅぉぇ――――って、あれ!?
「……いや、これは!!」
しかし、口に含んだその瞬間。
俺の目の前に広がったのは――――広大な草原だった。
爽やかな風が吹く小池のほとりで、綺麗な鳥たちが愉快な音楽を奏でている。
彼らの声に合わせて、周囲の花々が咲き誇りだす。
気が付けば、周囲には沢山のプニカスたちがこちらを見て、涙を流し―――。
……涙を流し?????
「……なんだこれ……? もしかして俺、呪いにかかった……???」
まるで夢かと思うほどの幻覚症状に、俺は思わず顔をしかめる。
するとその反応が面白かったのか、二人はすぐにヌメロウも食べるように促してくる。
……まぁ、一つ食べれば二つも変わらないので、俺は再び無心でそれを口にしたぉうぇぉぇ―――途端。
今度は目の前に―――――冷たく、仄暗い洞窟が広がった。
湿気の混じった冷気が肌を撫で、天井か滴る水滴が静寂に響く。
地面にはいくつもの鍾乳石が幻想的な形を成し、それぞれが独立した年月を感じさせる。
気が付けば、周囲には沢山のヌメロウたちがこちらを見て、涙を流し―――。
「―――ってなんですかこれは!!?」
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