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バビロンの謎―七つの星門と失われた王国  作者: 虫松


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第1話 ベルシャザルの計画

金星の封印が砕けた。


紅紫色の光は夜空へ消え、三つの封印が揃った瞬間――


バビロン全土が激しく震えた。


ゴゴゴゴゴ……


砂漠そのものが波打ち、都市の地下から巨大な歯車のような音が響き渡る。


ナディアが顔色を変えた。


「始まった……!」


アントニウスが剣を握る。


「何が始まった?」


ナディアは震える声で答える。


「ベルシャザルの本当の計画です。」



太陽の塔


三人は黄金に輝く太陽の塔を見上げる。


これまでの塔とは桁違いだった。


雲を突き抜ける高さ。


塔全体が太陽のような光を放ち、地下へ膨大な魔力を送り続けている。


ナターシャが呟く。


「まるで塔じゃない……。」


ナディアは首を振る。


「塔ではありません。」

「あれは巨大な魔力炉。」

「バビロン全体を動かす心臓です。」


その瞬間。


地面が割れた。


地下深くから、巨大な鎖が何百本も現れる。


鎖はさらに地下へ続いていた。


アントニウスは眉をひそめる。


「何を繋いでいる?」


ナディアは答えなかった。


答えたくなかった。




一方。


バビロン最上層。


天空神殿。


ベルシャザルは巨大な星図の前に立っていた。


七本の塔が描かれた古代の粘土板。


その横には、数千年前の巨大な設計図。

神官たちが跪く。


「大神官様。」

「三つの封印が解除されました。」


ベルシャザルは静かに微笑んだ。


「順調だ。」

「すべて予定通り。」


若い神官が尋ねる。


「本当に封印を壊させてよろしかったのですか?」


ベルシャザルは頷く。


「封印とは閉じ込めるものではない。

目覚めさせるための鍵だ。」

神官たちがざわめく。


ベルシャザルは黄金の窓から都市を見下ろした。


「彼らは勝ったと思っている。」


「だが実際には。」


「私の計画を完成へ近づけている。」


地下神殿

太陽の塔の地下。


誰も知らない巨大空間。


そこには山脈より大きな石像が横たわっていた。


いや。

石像ではない。

巨人だった。


身長五百メートルを超える巨大な人型。


黄金の鎧。


青い水晶でできた瞳。


胸には七つの空洞。


そこへ七つの封印が収まるよう設計されている。

神官たちは巨人の周囲で祈り続けていた。


ベルシャザルが静かに告げる。


「紹介しよう。」

「バビロニア最後の守護神。」

「不死の巨神――」


彼は両手を広げた。


「バビロン。」


その名が響いた瞬間。


巨人の指先がわずかに動いた。


ドクン……


地面が揺れる。


神官たちは歓喜した。


「動いた!」

「大神官様!」

「成功です!」


ベルシャザルは静かに目を閉じた。


「あと四つ。」


「四つの封印が揃えば。」


「神は目覚める。」


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