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(公開質問状) 喧嘩を売られたような気がしたので、買ってみた。

 

 第三回『なろうコン大賞』の二次選考が終わり、私の作品は落選しました。

 

 「作品の質が出版できるレベルではなかった」というのが一番の原因であり、それは自分でも「まあ、そうだわな」と理解できるので、その点について語る言葉は持ち合わせておりません。

 しかしながら、少々気になる部分があり、このような『公開質問状』の形で意見表明することにしました。

 以下、二次選考通過作品への総評を引用しながら、その『違和感』についてコメントし、当方の意見を述べたいと思います。



 * 総評からの引用 その一 *


 二次選考からは出版を前提とした要素がより色濃くなる形となり、プロとしてデビューしていただく以上は、更新の頻度や全体の文字数といったもの(が)重要なポイントとなった他、内容面では「読者を引きつけるための要素」が大きな選定要素となりました。



 * コメント *


 ここで述べられている「更新の頻度や全体の文字数といったもの(が)重要なポイントとなった」件については、最初の応募時点では触れられていなかった点であり、二次選考でその点を重要なポイントとするのであれば、最初の時点で警告すべきではないかと思います。

 これでは、短編が選考対象から容易に除外されてしまいます。

「無意味に長いだけ」を否定した一次選考の総評とも、微妙に矛盾します。

 ただ、今回の大賞が「プロおよび出版」を前提とした選考であることを考えますと、この点が問題となるのは応募する側で想定してしかるべきと思います。

 

 ですから、これは単に重箱の隅をつつく指摘に過ぎません。



 * 総評からの引用 その二 *


 例えば『異世界系』等では悪く言えばありふれた舞台設定の中、いかに新しさを出そうと作者の方が日々努力しているためか、設定や展開に興味を惹かれるものが多く、読者を意識していると感じました。

 流行しているジャンルの中で、読者を引き付ける作品は共通認識を盛り込みながらも、自分の色を少しずつでも出している作品が書籍化というハードルの中では、意識していない作品に比べて完成度で一歩前に立つ作品が多かった印象はあります。



 * コメント *


 この部分に、非常に強い違和感を感じた次第です。

 このまま素直に読みますと、

「書き手の多い『異世界系』というジャンルは、作者が読者を意識して努力しているから、他の分野よりも自分の色を出して読者を引き付ける作品が多い」

 ということになります。


 総評を書いた方は、本気でそう考えているのでしょうか?


 私も大人なので、総評の書き手がどのような背景でこう記述したのかは推察できますし、本気とはとらえておりません。

 普段であれば、そのような大人の世界の事情を云々するつもりはございませんし、自分自身が応募していなければ読み流しもしたでしょう。

 が、今回、非『異世界系』の書き手として二次選考に参加したため、当該部分が『売られた喧嘩』に見えるのです。

 

 ですから、以下、『売られた喧嘩』に対する個人的な意見を開陳させて頂きます。

 

 

 * 意見 *


 『異世界系』というジャンルに活気があるのは、それが若いジャンルであるからです。

 そして、その世界の現状は、ヒューゴー・ガーンズバックが一九二六年に『アメージング・ストーリーズ』を創刊して以降の、アメリカSFが陥った『パルプ・フィクションの時代』に酷似しています。

 あの時代、アメリカSF界は「半裸の金髪女性がタコ型宇宙人に襲われるところを、主人公が光線銃で助ける」テンプレートの小説を、手を変え、品を変えて、大量生産しました。

 市場が「新しい視点、新しい刺激」を必要としておりましたから、新たな書き手が活躍する余地も広く残されておりました。

 また、既存作家の層が薄く、出版された後、市場の側で選別がされにくかったという事情もあるでしょう。

 いずれにしましても、書き手にとって非常に魅力的な世界です。


 一方、非『異世界系』のタイトルを出版する場合、市場には競争相手が多数ひしめいております。例えば『推理』というジャンルを考えてみた場合に、多数の書き手が既に市場にひしめいております。

 この中で、一定以上の販売実績を上げるためには、かなりの品質が求められるでしょう。出版には慎重にならざるを得ません。一定の水準に達しているだけでは生き残れるはずもありませんので。

 今回、私の作品が二次選考に残らなかったのは、この点で非常に物足りないからだと思いますし、それは正当な評価と思います。


 しかしながら、二次選考を通過した作品が殆ど『異世界系』となった事情を説明するのに、「作者が読者を意識して努力しているから」というのは――


 あまりにも非『異世界系』の書き手を馬鹿にした言い方ではありませんでしょうか?


 これでは、非『異世界系』の書き手が「全然意識もしていないし、努力もしていない」ように聞こえます。私は非『異世界系』の書き手が、全員そうだったとは思えません。

 正しくは、

「『異世界系』は若いジャンルなので、新たな書き手の活躍できる範囲が広い」

「非『異世界系』は競争が激しいので、出版に至るハードルが高い」

 と、ただそれだけの『大人の事情』ではないかと推察しております。

 

 むしろ、そう言われたほうが納得もできるのですが、いかがなものでしょう?


 ***


 以上、いろいろ言いましたが、通常このような問いに真面目に答える者はおりませんので、公開質問状の形はとりますものの回答は期待しておりません。

(あったら凄いなとは思います)

 ただ『売られた喧嘩を、私が買った』だけです。

 大変失礼致しました。

 

(終わり)

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― 新着の感想 ―
[一言] 作品を読ませていただきました! 面白かったです! 時間帯等参考にしていきたいと思います!
2022/03/06 18:15 退会済み
管理
[一言] こんにちは!興味深い内容でした! すべての作家さんが悩む点だと思います。
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