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最終回前編 爆発龍対爆発龍

最終決戦の地・テルファー。

巻き込まれ型の僕はついに囮としての役割を果たす。

「よし周りに人はいないな? 」

そう言うと父さんが突然ストップしいきなり滅茶苦茶に投げ始める。

攻撃アイテムをあるだけ投げつけ最後にタンサン毒水をぶっ掛けフィニッシュ。

もちろんこれでは一時凌ぎにしかならず逆に追い詰められていくことになる。

父さんは勝てないものだから焦って下手な戦いをしてしまう。

もっとじっくり行ってもいいと思うけど。

それだけ圧倒的な差を感じているのだろうな。


「ははは…… もう限界みたいだな」

爺さんはあっけなくやられ囮は時間稼ぎにもならないスピードで走り回る。

これでは仲間たちは逃げ切れずにただ茫然としているだけ。

どうしよう? 僕たちのやったことはただの無駄になってしまった。

張り切って囮になった結果がこれでは何の意味があったんだろう?


「父さんどうするの? 」

父さんのミスとは言えそれでもここは頼るしかない。

武器も奥義もなくて爆発龍に敵うはずがない。

それでも父さんならきっと何とかしてくれる。

そう信じてるからと言うよりただ責任を押し付けてるだけ。

「よしお前は爺さんからもらったセーフティゴーグルがあるだろう? 」

父さんは僕とテルファーとの親密な関係を当然知らない。

テルファーのことはただの下品で凶暴な案内役だと思っているはずだ。

それほど鈍感な父さんだが爺さんからセーフティゴーグルを頂いたのは覚えてた。

でもこんなの装着してどうするんだ? 肝心なところが見えなくなるだけでは?


「これを? 」

正気を疑うが大きく頷くので信じてみようかなと。

「今すぐ装着しろ! きっとうまく行くはず」

どうやら父さんは最終決戦に臨むらしい。でもきっとただの捨て身攻撃だろうな。

「装着完了! 」

「よし後は祈るだけだ。早く来いってな! 」

ついに父さんは神頼みに。だがその神がいないから困っているんだろう?

恐らくこの世界にはファンタジーの神の爺さん以上は出て来ないはずだ。

「目を瞑れカズ! そして願うんだ! 」

ダメだ。父さんはここに来て神頼みをやめない。

でもファンタジーの神はあそこでもうやられてるんですけど。

なぜ現実逃避するんだ。僕だってしていいならしたいよ。


「父さん! 」

「いいから! 早くしろ! 」

理性を失った爆発龍が迫る。一度なら草むらに隠れることもできるだろう。

実際父さんは低くしている。二度目もかわせばいい。でも三度目はないぞ。

「もう分かったよ! 」

そう言うってる間に迫って来たので低い体勢を保つ。


「飛びたい! この大空を飛びたいよ! 飛びたい! 空を飛びたい! 」

「違う! 声に出してどうする? 心の中で念じろと言ってるだろうが! 」

父さんの厳しい教えに従い集中力を高める。すると背中の翼が反応する。

「あの翼がむず痒くて…… 」

「よしそれでいい。まずはかわすぞ! 」

再びの爆発龍。とは言えギリギリでどうにかかわす。

しかし三度目はもう視界に捉えられ逃げられないだろう。


だが三度目もどうにか逃れた。今度はジャンプ。その勢いで夜空に舞う。

「うまく行った! それでいいぞ。よし俺を背中に! 」

こうして父さんを背に脱出を図る。だが奴らはターゲットを変えるだけだった。

「まずい! そっちに行くんじゃねえ! 」

暴走する爆発龍は仲間をロックオン。しかしそれでも全力で逃げる仲間たち。

運悪くそこでゾークが転んで絶体絶命のピンチを迎える。

間に合わない。これではもう絶対に間に合わないぞ。

 

「ギャン! 」

そこに連続投石で爆発龍は動きを封じられてしまう。

どうして? 一体誰が石を? 

爆発龍の遥か上空を眺めるとまるでドラゴンが羽ばたいてるかのよう。

まさかあれはドラコ? ドラコなのか?


「大丈夫? ゾーク! 」

絶体絶命の大ピンチにドラコ登場。父さんの最後の望みが叶った。

うん? ドラコはいいとしてその上で暴れてるのは…… ソラ? 嘘だ…… 」

頭を抱える。こんな危険地帯にソラを連れて来るなんて悪夢だ。

クレイジーだよ。父さんにしろドラコにしろどこまで狂ってるんだ?


「一体何事です? 皆さん? 」

訳も分からずにドラコに連れて来られた離れ小島の守り人の竜人が姿を見せる。

「よし揃ったぞ! これで五人…… いや五匹か。

竜人五匹でこっちも変身できる」

当然できると言っても爆発龍になるだけ。それに賭けるつもりらしい。

凄いよ父さん。でも大丈夫なのかな。

だって暴走する爆発龍だぞ? 僕たちでコントロールできるのか?

仮に倒せて逆に僕たちがどうにもならなくなったらどうする?

まあいいか。その時はその時。爺さんにでも止めてもらえばいいさ。


ゾークは爆発龍からの脅威から逃れた。

「よし今だ! 合体! 」

そう言いながらドラコに迫る父さんの目はどこかおかしい。

竜人全員が背を向けて翼を合わせる。

「おいカズはしゃぎ過ぎだ! 」

「父さんはドラコに引っ付き過ぎ! 」

「何だと! お前はソラの面倒をきちんと見ろ! 」

「きゃはは! 」

「ソラ! ダメだよソラ…… ソラ! 」

「あの…… これは一体? 」

「はいでは合体! 」

ドラコが仕切る。


こうしてついに爆発龍となった五人。どうやら伝説は本当だったらしい。

伝説では五人以上の竜人で合体すると爆発龍となる。

父さんがジャック辺りから聞いたつまらない伝説だと思っていたけど。

しかしそれが今現実となる。

こうして五人は合体し爆発龍となるのだった。


「凄いよカズ君…… でもどうやって制御するんだ?

僕たちからしたら化け物が一匹増えただけさ」

ゾークは冷静だ。それは僕だってあまり考えてない。

「ははは! カズがいるから大丈夫だろう。なあハイ? 」

「テルファーも呑気だぜ。それよりもあそこで倒れてるアンを助けるぞ! 」

「よしアンと町長を保護したら避難しよう。そう言えば爺さんは? 」

「それなら力尽きてそこに伸びてる。起こさないであげようよ」

「ああそうだなゾーク。とにかくこの爺さんも連れて退却だ。急げハイ! 」


ううう…… 怒りが爆発する。どうしてもコントロールできない。

始めから分かっていたことだが…… いや次第に治まって行くぞ。

なぜ? そうか父さんが言ってたセーフティゴーグルの効果か。


「よしお前ら勝負だ! 」

五人対五人。数で負けることはない。

ついに始まった最後の戦い。

爆発龍対爆発龍。


                続く

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