日の目を見ざるリズァーラー
危険な胞子が地上全土に降り注ぎ、地下の生活圏に全人類が移住した世界。
地下都市における閉鎖的な生活空間にて、人間たちは貧富の差を著しく生む社会構造を築き上げる。
少しでも自分が他人よりも良い生活を送ろうと考える者たちが、限られた生活リソースを独占しやすくする仕組みを作り上げるのは一種の必然であった。
社会構造の底辺へ追いやられた者たちは困窮の中で暮らすこととなったが、彼らよりも低い身分として扱われるのが、人に似て人ならざる存在「リズァーラー」であった。
市民権を持たぬリズァーラーたちは、地下都市の社会構造のなかでも、特に人間たちに嫌われ蔑まれる仕事に就くこととなる。
最たるものが、罪人たちに不名誉な死を与える、処刑任務であった。
顎と牙が大きく変異したリズァーラー「ハリコ」は、暗闇でも周囲を見通せる目を持つリズァーラー「マナコ」とパートナーを組み、罪人として認定された市民を処刑する役目を担っている。
その仕事ぶりが世間から称賛されることは無かったが、ハリコは犬のごとく命令に忠実な働きを続けていた。
地下都市における閉鎖的な生活空間にて、人間たちは貧富の差を著しく生む社会構造を築き上げる。
少しでも自分が他人よりも良い生活を送ろうと考える者たちが、限られた生活リソースを独占しやすくする仕組みを作り上げるのは一種の必然であった。
社会構造の底辺へ追いやられた者たちは困窮の中で暮らすこととなったが、彼らよりも低い身分として扱われるのが、人に似て人ならざる存在「リズァーラー」であった。
市民権を持たぬリズァーラーたちは、地下都市の社会構造のなかでも、特に人間たちに嫌われ蔑まれる仕事に就くこととなる。
最たるものが、罪人たちに不名誉な死を与える、処刑任務であった。
顎と牙が大きく変異したリズァーラー「ハリコ」は、暗闇でも周囲を見通せる目を持つリズァーラー「マナコ」とパートナーを組み、罪人として認定された市民を処刑する役目を担っている。
その仕事ぶりが世間から称賛されることは無かったが、ハリコは犬のごとく命令に忠実な働きを続けていた。
リズァーラーという存在
処刑任務を糧として
2022/08/15 13:28
地下都市におけるリズァーラー
2022/08/17 13:15
存在を望まれる罪人
新たなる任務
2022/08/17 13:16
廃材の降り注ぐ街
2022/08/19 20:55
処刑公務は疎まれて
2022/08/22 20:48
(改)
光と息を断つお仕事
2022/08/24 20:47
処刑任務の妨害者たち
2022/08/26 21:01
民を処刑する者と、民を守る者
2022/08/29 20:49
(改)
罪人は不名誉に葬られ
2022/08/31 21:15
労いの晩餐は新鮮なうちに
2022/09/02 21:02
悪意無くして処刑あり
道具の割には頭の回る
2022/09/05 20:51
(改)
向かう先は窮地、活路は抜け道
2022/09/07 20:03
出迎えは殺菌とともに
2022/09/09 16:45
多くを誘う必要は無し
2022/09/12 20:51
罪なくして裁きあり
2022/09/14 20:28
善人は血を流し、藪の中では口を閉ざし
2022/09/16 20:53
述懐の暇なく畳まれて
2022/09/19 17:15
幕引きは納得を求めずに
2022/09/21 20:54
処刑の是非は問わず、たた指されるがまま
2022/09/23 15:53
生活を剥がれれば、正気は残らず
2022/09/26 21:09
迷える者に救い手なし
2022/09/28 20:24
亡骸は恵み、芳醇なる甘露
2022/09/30 20:52
ただ従う者こそ能あり、思慮は罪なり
2022/10/03 21:00
リズァーラーの情報伝達菌糸に関する実験
地下にては見るべくもない陽光
2022/10/05 20:06
悪意こそが道理を明瞭に示す
己を知り得る空白に、新たな任務を持ち込まれ
2022/10/07 20:58
彼の罪は誠実ゆえか
2022/10/10 15:18
地上すなわち死の世界に、最も近い居住区
2022/10/12 21:31
人の排除を強く望むは、やはり人
2022/10/14 21:13
難敵は状況を掌握する者でこそ
2022/10/17 20:46
押してダメなら引いて、死角から刺せ
2022/10/19 20:22
人智に並ぶ欺瞞なし
2022/10/21 20:47
邪魔者を消すすべの尽きぬこと
2022/10/24 20:51
良い狗には更なる褒美
2022/10/26 20:33
リズァーラーの情報伝達菌糸に関する実験・研究者立ち合い
見捨てられた遺体は、行き所を求め
2022/10/28 21:50
互いに覚えなき再会
2022/10/31 21:04
(改)
忘れても未練の断たれることはなく
2022/11/02 18:33
進化の軌跡を紐解くは菌糸
2022/11/04 21:56
人ならざる姿を己自身もまた知らず
2022/11/07 20:58
手綱を取り得るは御上の者たちのみ
2022/11/09 19:59
命溢れれば浪費も増えて
不穏かつ煩雑なる任務の始まり
2022/11/11 22:08
間引きする、皆が永らえるため
2022/11/14 21:05
処刑は常に正当であれ
2022/11/16 19:23
虚ろなる捕物帖の第一幕
2022/11/18 22:11
装備の下に隠されしは異形
2022/11/21 20:54
選択しなかったのだから、措置は無差別に
2022/11/23 16:34
念には念を入れ、なおも裏をかかれ
2022/11/25 22:02
一人を死なすため多数をも死なす
2022/11/28 21:07
数え切れぬほどに、命を根こそぎ
2022/11/30 21:28
冷徹なる機構に無念の行き場無し
2022/12/02 22:02
命の絶えてなお、死が生活する
2022/12/05 21:03
収穫を得て、死はいずれ忘れられ
2022/12/07 21:34
処刑は取引であり、駆引きである
巨大で、偉大で……存在の無いもの
2022/12/09 22:09
知ろうとせぬことは美徳
2022/12/12 20:47
人に使われる存在の、御しやすいこと
2022/12/14 19:42
倫理は知らず、ただ知性だけを持つ
2022/12/16 22:01
救いの主は事情を知らず
2022/12/19 21:00
操り人形の糸は誰が手に
2022/12/21 21:35
当事者にあらず、人助けは行き当たりばったり
2022/12/23 20:52
語る者は我が身を善く告げて
2022/12/26 16:35
裏切りにあらず、手段にあり
2022/12/28 13:02
準備は万端、誰が為かはさておき
2022/12/30 13:27
告発の場、用意したのは誰か
2023/01/02 11:58
献策は無償にあらず
2023/01/04 15:22
命無き者、いずれ目覚める
2023/01/06 21:37
亡者に出自の詮索なし
2023/01/09 14:17
優秀な遺骸は、良き替えとなる
2023/01/11 14:55
最も深く、暗く、安らぎの無い場所へ
道具は待機にあらず、ただ置かれるのみ
2023/01/13 15:33
無法の間口へ、油断を連れて
2023/01/16 20:53
危難の坩堝、息詰まる荊の藪へ
2023/01/18 15:53
打開の糸口は目の前に、打開策は遠く
2023/01/20 22:02
命綱は無く、深い深い地下都市の底へ
2023/01/23 20:54
窮地への救いは、より深き闇の中から
2023/01/25 14:55
古き世こそは悪夢と知り
2023/01/27 22:12
人ならざる拠り所を、悉くの底にて囲む者たち
2023/01/30 20:54
強者よりの信頼は、抗えぬ拘束
2023/02/01 16:27
従えば官軍、たとえ己が欲の上であっても
2023/02/03 22:22
丁重な見送りは、血濡れの手土産と
2023/02/06 21:57
身を捥がれ、なお愛おしく
2023/02/08 15:10
疵だらけの帰還、迎えも易からず
2023/02/10 22:00
捨て置かれる、棄てられる恐れと共に
2023/02/13 22:03
存在を委ね、物として
知らぬうちは喜んで捨て場へ赴く
2023/02/15 15:21
裏を知らざれば不穏の影も知らず
2023/02/17 21:30
暫しの別れを、物は引き戻すこと能わず
2023/02/20 21:56
檻なしとて、庇護の手からは逃れられず
2023/02/22 11:50
善意は常に外から、他人事から
2023/02/24 22:25
人の温もりは虚飾に祀られてこそ
2023/02/27 21:49
日の目は枠の中、虚構のごとく
2023/03/01 15:13
担わざるを得なかった咎との再会
2023/03/03 21:55
弱き者同士には、担いきれず
2023/03/06 22:23
やがて知る、ゆりかごが棺桶であると
2023/03/08 14:06
光無き再会は、懐かしき死臭と共に
2023/03/10 21:55
光あれ、手の届かぬ先にばかり
2023/03/13 21:56
もとより剥がされる肉もなく
2023/03/15 15:19
真に迫る悲哀は、周到であればこそ
2023/03/17 21:50
望まずとも他者の身を奪うに如かず
2023/03/20 22:00
望まぬ道が示されるは無限の必然であり
2023/03/22 14:55
途切れる記憶の中、苦悶は常に新鮮に
2023/03/24 21:55
輩より奪った手足を、堪能し
2023/03/27 21:42
用の済んだ道具に、帰る場所は残されて
2023/03/29 18:30
道具は決して嘘をつかない
取り戻した平静は、変わり尽くし、暫しのみ
2023/03/31 18:42