↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陰キャの僕にも拒否権を与えてもらえませんか? 〜陽キャ女子の距離感がバグってて、逃げ場を封じられたのだが?〜  作者: 古治
文化祭編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
92/93

第92話 来月の準備?

「僕、何か悪いことしたかなぁ?」


 さっき、なぜだか栞凛が機嫌を悪くしてしまった。ただ、僕には一切それがわからなかった。

 結局栞凛のくれたものは持って帰ってきちゃったけど、いいのかな?


「はぁ」


 僕は心にモヤモヤを抱えていた。

 栞凛があんなに機嫌を悪くするような対応があったなら、教えてほしい。できれば、改善したい。


「やっぱり、わからないなぁ」


 いくら考えてみても、いくら振り返ってみても、何もわからない。僕には理解できないこと、なのかな。

 栞凛がくれた袋を机の上に置いて、僕はそれを見つめていた。中身を開けていいのかもわからない。けど、今日、だもんな⋯⋯。

 2月14日、バレンタインデー。その日にくれるものと言ったら、1つしかない。


「チョコ、なのかなぁ」


 たとえチョコだとしても、今のままでは、すごく食べにくい。だからといって、食べないのも衛生的に悪い。栞凛に返すのも、なんか気が引けるし、なぁ。

 僕にはもう何がなんだかよくわかんない。本当に、僕に渡したかったのか、それとも、そうでないのか。


「ちょっと、聞いてみるか」


 僕はその袋を持って、母親のいるリビングへ向かった。


「ねぇ、今日、これもらったんだけど」


 僕はそう言いながら、母親にその袋を見せてみた。


「⋯⋯これ、あの子からもらったの?」

「うん。だけど、なんか機嫌悪くしちゃって」


 僕がそう言うと、母親は黙り込んだ。


「本当に、食べていいのかもわかんないし」

「食べなさい。そして、来月の準備も、しておきなさい」


 来月? う〜ん、あぁ、公立受験か。でも、あと1ヶ月もない気がするんだよなぁ。まぁ、いいか。



 ******



 僕は自分の部屋に戻って、早速袋から箱を出してみた。その箱の隣には、手紙のようなものまで入っていた。


「なんだこれ、読んでみるか」


 僕は手紙の封を開けて、紙を取り出した。


 

 大輝くんへ。

 これ、私からのバレンタインのチョコだよ。だから、食べてね。美味しく食べてくれたら、嬉しいな。

 

 

 手紙には、それだけが、丸っこい、小さな文字で書いてあった。

 その下には、栞凛が描いたのか、絵のようなものがあった。絵というより、落書きと言ったほうが、正しいかもしれない。

 

「バレンタインか。どうせ、義理だろうけど」


 僕はうまれて初めて、バレンタインにチョコをプレゼントされた。なんかでも、すごく複雑な気持ちだった。嬉しいような、悲しいような、全体的にモヤがかかっている気がした。


「開けるか」


 僕は中に入っていた箱についているリボンを取り、蓋を開けてみた。

 そこには、ハート型のチョコが、ちょっと並んでいた。


「すごく、美味しそう」


 美味しそう、だけど、今の僕では、そのままの味を素直に楽しめない気がした。栞凛とあんなことがあったから、なぁ。

 僕は蓋をもう一度被せて、あとで、食べることにした。



 ******



 後日、学校があった。


「栞凛、来ないな。なんか、あったのかな」


 僕はなぜか、栞凛を待っていた。が、やっぱり栞凛は来ない。

 あの日を境に、栞凛は僕に近づかなくなった。なぜか、僕から逃げるような素振りまで見せる。


 あれは、僕が悪いのか、僕にはわからない。けど、栞凛が何か思ったことがあるなら、できれば言ってほしい。本当に、できればでいいんだけど。僕も、栞凛にとって隣いても、なんにも思わないぐらいの人には、なっておきたかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。