第86話 おみくじ
どうしよう⋯⋯!? 私、何をお願いしよう!?
私はお願いすることがたくさんありすぎて、すっごく迷う。
えっと、『大輝くんと結ばれますように』『大輝くんとずっと一緒にいられますように』『大輝くんが幸せな人生を送れますように』⋯⋯思いつくことすべて、大輝くんが関わっていることだった。
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お賽銭をしたあと。私と大輝くんはおみくじを引いた。
「あっ! 見て! 大吉だよ!?」
私は見せびらかすように、大輝くんに見せた。
「うわ、末吉。なんか、低いなぁ」
末吉? そんなもの、私が打ち壊してあげるからっ!
「大丈夫! 私がいるからねっ!」
私はそれだけ言って、もう一度おみくじの紙を睨みつけた。
えっと、恋愛のところは、ここだっ! 私はそこだけを気にして、他の欄が一切目に入ってきていなかった。
「えっとぉ『【恋愛】今あるものを手放さなければ、きっと実るでしょう』だって!」
⋯⋯『今あるもの』って、大輝くんのことだよね!?
私は勝手に自分の中で興奮してしまっていた。
「ねぇ! 大輝くんは!? どうなの!?」
私は大輝くんのを覗き込んだ。
でも、大輝くん、すぐに隠しちゃった。
「言うから。ちょっと待って」
「⋯⋯えー。ちょっとだけね?」
私は仕方なく、もうちょっとだけ私のおみくじを見ることにした。
あ、待ち人もあるじゃん! 待ち人って、恋愛の相手でしょ? 私、もういるんだけどなぁ。
そう思いながら、私はそこを読んでみた。
「えっとぉ『【待ち人】来ず。ただし、貴方から尋ねれば、機会あり』!?」
これって、これも、大輝くんと、ずーっと一緒にいれば——あ、わかった!
私はそれに気づいたとき、少しお腹を擦ってみた。
「ふふっ、待ってるね」
私はそこを見つめながら、ぼそっとつぶやいた。
「はい、見せてあげる」
「うんっ! ありがとっ!」
私の目線は一直線に【恋愛】のところへ向かっていた。
「えーっと『【恋愛】気づけば、実る。気づかなければ、去る』だってよ!」
「⋯⋯もう、読んだから、読み上げなくても、いいよ」
私はそんな大輝くんの言葉は無視して、【待ち人】のところへ目を向けてみた。
「えっと『【待ち人】来ていますが、無視するといなくなります』だってよ! じゃあ、大切にしたいといけないねっ!」
「⋯⋯うん」
「一体、誰のことなんだろうねっ!」
きっと、私だよね!? うん! 絶対! そうあってほしい!
「⋯⋯さぁ」
私は期待を込めた目で大輝くんのことを見つめてみた。そしたら大輝くん、顔を赤くしてうつむいちゃったや。——きっと、恥ずかしいだけだよねっ!
私はそうやって決めつけることにした。——だって、そうあってほしいし!
「⋯⋯僕、結んでくる」
「あ、私もっ!」
私は急いで大輝くんを追いかけた。
「大吉なら、結ばなくてもいいんじゃない?」
大輝くんは、自分のおみくじをそこに結びながら言った。
「いいのっ! 大輝くんが結ぶなら、私も結ぶのっ!」
「⋯⋯そ。ま、好きにして」
私はそうやって、結ぼうとした。
「あれっ、んっ!」
⋯⋯やば、結べない。どうしよ。
「手伝おうか?」
「う、うん」
自分で結べないのにすごく驚いたけど、それよりもっと、大輝くんが自分から来てくれるとは思ってなかったもんっ!
「⋯⋯えっ!?」
大輝くん⋯⋯!?
——奇襲はずるいじゃんっ!




