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陰キャの僕にも拒否権を与えてもらえませんか? 〜陽キャ女子の距離感がバグってて、逃げ場を封じられたのだが?〜  作者: 古治
文化祭編

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第86話 おみくじ

 どうしよう⋯⋯!? 私、何をお願いしよう!?

 私はお願いすることがたくさんありすぎて、すっごく迷う。


 えっと、『大輝くんと結ばれますように』『大輝くんとずっと一緒にいられますように』『大輝くんが幸せな人生を送れますように』⋯⋯思いつくことすべて、大輝くんが関わっていることだった。



 ******



 お賽銭をしたあと。私と大輝くんはおみくじを引いた。


「あっ! 見て! 大吉だよ!?」


 私は見せびらかすように、大輝くんに見せた。


「うわ、末吉。なんか、低いなぁ」


 末吉? そんなもの、私が打ち壊してあげるからっ!


「大丈夫! 私がいるからねっ!」

 

 私はそれだけ言って、もう一度おみくじの紙を睨みつけた。

 えっと、恋愛のところは、ここだっ! 私はそこだけを気にして、他の欄が一切目に入ってきていなかった。


「えっとぉ『【恋愛】今あるものを手放さなければ、きっと実るでしょう』だって!」


 ⋯⋯『今あるもの』って、大輝くんのことだよね!?

 私は勝手に自分の中で興奮してしまっていた。


「ねぇ! 大輝くんは!? どうなの!?」


 私は大輝くんのを覗き込んだ。

 でも、大輝くん、すぐに隠しちゃった。

 

「言うから。ちょっと待って」

「⋯⋯えー。ちょっとだけね?」


 私は仕方なく、もうちょっとだけ私のおみくじを見ることにした。

 あ、待ち人もあるじゃん! 待ち人って、恋愛の相手でしょ? 私、もういるんだけどなぁ。

 そう思いながら、私はそこを読んでみた。


「えっとぉ『【待ち人】来ず。ただし、貴方から尋ねれば、機会あり』!?」


 これって、これも、大輝くんと、ずーっと一緒にいれば——あ、わかった!

 私はそれに気づいたとき、少しお腹を擦ってみた。


「ふふっ、待ってるね」


 私はそこを見つめながら、ぼそっとつぶやいた。


「はい、見せてあげる」

「うんっ! ありがとっ!」


 私の目線は一直線に【恋愛】のところへ向かっていた。


「えーっと『【恋愛】気づけば、実る。気づかなければ、去る』だってよ!」

「⋯⋯もう、読んだから、読み上げなくても、いいよ」


 私はそんな大輝くんの言葉は無視して、【待ち人】のところへ目を向けてみた。


「えっと『【待ち人】来ていますが、無視するといなくなります』だってよ! じゃあ、大切にしたいといけないねっ!」

「⋯⋯うん」

「一体、誰のことなんだろうねっ!」


 きっと、私だよね!? うん! 絶対! そうあってほしい!


「⋯⋯さぁ」


 私は期待を込めた目で大輝くんのことを見つめてみた。そしたら大輝くん、顔を赤くしてうつむいちゃったや。——きっと、恥ずかしいだけだよねっ!

 私はそうやって決めつけることにした。——だって、そうあってほしいし!


「⋯⋯僕、結んでくる」

「あ、私もっ!」


 私は急いで大輝くんを追いかけた。


「大吉なら、結ばなくてもいいんじゃない?」


 大輝くんは、自分のおみくじをそこに結びながら言った。


「いいのっ! 大輝くんが結ぶなら、私も結ぶのっ!」

「⋯⋯そ。ま、好きにして」


 私はそうやって、結ぼうとした。


「あれっ、んっ!」


 ⋯⋯やば、結べない。どうしよ。


「手伝おうか?」

「う、うん」


 自分で結べないのにすごく驚いたけど、それよりもっと、大輝くんが自分から来てくれるとは思ってなかったもんっ!


「⋯⋯えっ!?」


 大輝くん⋯⋯!?

 

 ——奇襲はずるいじゃんっ!

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