↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陰キャの僕にも拒否権を与えてもらえませんか? 〜陽キャ女子の距離感がバグってて、逃げ場を封じられたのだが?〜  作者: 古治
文化祭編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
82/92

第82話 迷信は信じない

『今日通話しない?』


 僕のスマホが震えた。もちろん栞凛だろうけど。

 

「え、なんで?」

『今日さ、大晦日だし』

 

 そうか。もう、今年が終わるのか。自覚ないなぁ。

 僕はベッドに寝転がりながら栞凛に返信していた。


「通話、でいいの?」


 僕はそう送信した。いつもならすごい早さで返信が来るのに、なかなか来なかった。

 


「珍しく、遅いな⋯⋯」


 僕は体を起こして、ベッドの上であぐらをかいた。

 何度見ても、返信は来ていない。しっかりと、既読には、なっているのに。何も、返ってこない。そこには、なぜか栞凛の返信を待つ僕がいた。


 

「来ないな⋯⋯」


 僕は諦めて、画面を下にしてスマホを置いた、そのときだった。


『ピンポーン』


 家のインターホンが鳴り響いた。

 誰だ? こんなときに。


「はーい」


 下から母親の声が聞こえた。ま、僕は出なくてもいいか。


「大輝! ちょっと来て!」

「はいはい」


 下からする母親の声に、僕は従うことにした。



「ん?」

「大輝くんっ! 来ちゃった☆」

「⋯⋯は?」


 いや、え? 『来ちゃった』?


「だって、大輝くんが会いたそうだったしぃ」

「⋯⋯そんな、か?」


 僕は少し振り返ってみた、けど、やっぱり何もない。いつ僕が会いたそうにしていたのだろう。


「こんなところで立ち話もあれだし、さ、上がって頂戴」


 と、栞凛を無理やり中へ引き込もうとする母親。この人も、なんかよくわかんないや。


「じゃあ、行こっ!」


 栞凛は僕の手を引っ張って、階段を上っていった。僕の部屋を目指して。



「ふぅ〜! なんか実家のような安心感がだねぇ」


 僕のベッドに腰掛けると同時に、栞凛はそんな言葉を漏らしていた。


「そう?」

「大輝くんが詰まってるからかもねっ!」

「⋯⋯?」


 どういうことや。意味わからんて。


「よしっ! とりあえず、仕方ないけど勉強しよっ!」

「⋯⋯珍し」


 栞凛から勉強の提案をしてくるとは。超、レアなことだろう。


 

 ******



「もうすぐ、12時になるよ?」


 あと、30分もないぐらい。時間は、12時を指そうとしていた。


「年越しなんだし、お(・)ま(・)じ(・)な(・)い(・)、しよ?」


 年越しの、おまじない? なんじゃそりゃ。


「⋯⋯なにそれ」

「え!? 知らないのっ!?」

「いや、知らないから⋯⋯」


 ほんとに知らない。年越しと言ったら、そば、ぐらいしか思いつかないなぁ。


「年越しにすると縁起がいいってやつ!」

「⋯⋯そば? あれ、年越し前に食べきらないと逆に縁起悪くなる、って聞いたことある」

「それもそうだけどっ!」


 そば。以外には、知らない。初詣、初日の出。何があったかなぁ。


「うーん」


 僕はしばらく考えてみた。⋯⋯何も思いつかないのには、変わりないんだけどね。


「なんでわかんないのっ!?」

「だって、知らない、し」

「もう! 答え言っちゃうよ!?」


 僕はその質問に、頷いて答えた。多分一生出てこないし。


「手をつなげたまま年を超すと、その人とは縁が切れないらしいよ」


 栞凛は自慢げに言って、自分の小指を差し出してきた。


「迷信でしょ、どうせ。僕信じてないんだ」


 僕がきっぱりそう言うと、栞凛はわざとらしく笑ってみせた。


「ふ〜ん。じゃあ、信じさせてあげるよ」

「⋯⋯何があっても、多分信用はできない」

「ううん、身(・)を(・)持(・)っ(・)て(・)、わからせてあげる」


 栞凛は何かを決意したようなポーズをとり、表情を浮かべた。



 迷信なんて、どうせ嘘なんだろ——。





 ⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯。














 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。