↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陰キャの僕にも拒否権を与えてもらえませんか? 〜陽キャ女子の距離感がバグってて、逃げ場を封じられたのだが?〜  作者: 古治
文化祭編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
73/92

第73話 ワンピース

「ばいば〜い!」

「じゃあ」


 私はとーっても大きく手を振って、大輝くんと別れた。大輝くんは、胸のあたりですごく小さく手を振っていた。――なんか、寂しいなぁ⋯⋯。

 大輝くんはすぐに振り返って、家に戻っちゃったや。私も帰ろっと。私は振り返って、とぼとぼ歩いて家に向かった。


「⋯⋯」


 何もしゃべらない私の背中に、少し心地良い風が吹いてきた。これくらいが、1番涼しいなぁ。



 ******

 


「はぁ〜」


 私が家についたとき、思わずため息が出ていた。


「大輝くん、やっぱり気づいてくれなかったな⋯⋯」


 せっかく校則を破ってまで三つ編みにしたのに⋯⋯。あんなに前髪整えたのに⋯⋯。とにかく色々、頑張ったのに⋯⋯。


「それも、大輝くんらしいっちゃ、大輝くんらしいけどさぁ?」


 やっぱり、気づいてほしいじゃん?


「ううん! これは、大輝くんが私に課したミッションなんだ!」


 髪型だけで褒めるなんて、甘ったれないで。洋服ぐらい考えてよ。

 ――ってね!

 変な妄想って自覚はあるけど、これも大輝くんが悪いんだ! 何でもかんでも適当に大輝くんのせいにしても、大輝くんが怒らないから、いいの!


 私はそうやって、全部を大輝くんの責任にした。


「デートの洋服、どうしよう!?」


 私は部屋に直行して、クローゼットを開いた。――もちろん、流れ出てきた色んなものなんて、全部無視して。


「やっぱ、ワンピースにしようかな? うーん、スカートもいいなぁ。でも、ズボンも動きやすいよねぇ」


 私は奥から引っ張り出したたくさんの洋服を、とりあえず適当に選別した。


「やっぱり、スカートかワンピースにしよ!」


 だってさ、くるくる〜ってしたら、ひらひら〜ってなるしねっ。


「うーんと、じゃあワンピースにしようっ!」


 ワンピースだと、上に着るもの選ばなくていい⋯⋯じゃなくて、全身可愛くなっちゃうからね!

 私は1つワンピースを取り出して、身につけてみた。


「なにこれ〜! 私こんなワンピース持ってたっけ?」


 私は鏡の前でくるくる回ってひらひらさせながらつぶやいた。

 えーっと、あとは、髪型も決めなきゃ! 大輝くんに気に入ってもらわなきゃだしねっ!


「えっと、今日はあと、リンスとシャンプーと⋯⋯」


 考えることが多くて、脳が爆発しちゃうかもっ!? うんうん! 全部、大輝くんのせいにすればいいんだ! 大輝くんを喜ばせたいから、大輝くんのせいにしーちゃおっ!


  


 ◇  ◆  ◇  ◆  ◇  




「ふぅ。やっと、帰った」


 バタッ、とベッドに飛び込みながら、僕はつぶやいていた。あのシャーペンを見るたび、栞凛の笑顔がしつこいぐらいに、脳裏に蘇ってくる。

 僕はそんな気持ちを誤魔化そうと、勉強をした。


「こんなもので、気が紛れるなら、楽、だよね」


 今日の栞凛は、なんか様子がおかしかった。校則破って髪型変えてたり、僕に隠してリップ塗ってたり。もうなにがなんやら。


「なんか⋯⋯違った、な」


 僕はそれをずっと言い出せずに、適当に会話していた。


「でも、なんか、よかった、かも⋯⋯」

 

 何かがよかった。いつもと違う、何かが。その何かを説明できるときは、僕にいつ来るのだろうか。


「⋯⋯どんな感じに、なるんだろ」


 週末の栞凛を想像して微笑む僕がいた。

 ――なんか、いつもの僕じゃ、ない、みたい⋯⋯。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。