第67話 特別席計画
「大輝くん! 大輝くんは、ちょっとすることないから、ぶらぶらしてきていいよ?」
「え? あぁ、うん。まぁ、わかった」
「じゃあねっ!」
私は大輝くんを追い出して、教室に戻った。
「みんな⋯⋯! 協力してほしいんだけど、いい⋯⋯?」
「⋯⋯っ。お、おう」
「任せて!」
自分で言うのもあれだけど、私が可愛らしく言うと、男子はみんな手伝ってくれるみたい。
「ねぇ、女子たちもさ、協力してくれない? お願いっ!」
私が頼み込むと、みんなは了承してくれた。
「まぁいいよ。時間が足りるかわかんないけど」
「急いでみんなで作り上げよう!」
みんな、よかった。協力してくれるみたい。
「私ね、特等席を作りたくってさ⋯⋯」
「特等席?」
「え、どうして?」
「別にいらなくない?」
みんな、最初は批判的だった。だけど、私は、頑張って交渉した。
「みんなもさ、仲のいい人とか、呼んでない?」
誰からも、何も返ってこなかった。⋯⋯ちょっと寂しい。
「ほら、あのさ! あ、彼氏彼女とか!」
私がそう言うと、みんなの目がギランって光った⋯⋯? まぁいいや!
「わかった、そういうことなら、いいよ」
「俺は協力する」
「うちも協力するわー!」
良かった。みんな乗り気だ。⋯⋯1人を除いて。
でも、私声かけれないや。だって、恋の戦争中だから。
「えっと、バックヤードあるじゃん? あそこに作りたいんだ!」
「え? バックヤードに作るの?」
「おいおい、バックヤードに作れるわけねぇだろ?」
みんな、やっぱり無理だと思ってた。だけど、それでも、私は頑張った。
「みんなで力を合わせれば、大丈夫!」
「⋯⋯まぁ、栞凛ちゃんがそういうなら、うちはええで〜!」
「わかった! 可愛い栞凛さんの言うことなら」
みんな、理由はどうであれ、納得してくれたみたい。よかった。
「えっと、バックヤードの半分ぐらいをやりたくて⋯⋯」
「バックヤードへの扉が半分ぐらいのところについちゃってるけど、大丈夫?」
確かに、扉はど真ん中にあった。
「えっとね、ちょっとだけ、バックヤードを狭くしてもいい?」
「⋯⋯ま、いいんじゃねぇか?」
「そうすれば、出口も広くなるし、そうするか」
みんな、すごく協力してくれた。よかった。
「ふぅ。とりあえず、扉は移動できたね」
「でも、時間やばくない?」
もう、開始まで10分もない。ここで大きな作業はできないなぁ。
「あ、そうだ。伝えなきゃ、よき戦争中に」
私は、小春ちゃんを探した。
おかしいなぁ、さっきまでこの辺にいたのに⋯⋯。
「バックヤードかな? さすがに、廊下には出ないだろうし」
私はバックヤードの扉を開いた。
「あ、いた。伝えなきゃいけないことがあって」
すると小春ちゃんは、すごく不機嫌そうな顔をこっちに見せた。
「今日は、私のものだから」
私はニコッと笑って、その場をあとにした。
「ふふっ! もう、戦争中じゃなくなったかもなぁ」
私は勝ち誇ったような笑みを浮かべていた。
「⋯⋯でも、小春ちゃんのメイド服も、ちょっとかわいかった、かも⋯⋯」
私はブンブンと首を振り、誤魔化した。
「私が絶対、先に振り向かせてあげるんだから!」
私はそうやって心の奥に決意した。
開始直前、みんなは持ち場についた。机を4つくっつけただけの、簡単なつくりだけど、いいよね?
だんだんと、お客さんが入ってきた。
開店からちょっとしたとき、ようやく待ち望んだ人が来たみたい。
「彼女さーん! 来たぜ!」




