表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
陰キャの僕にも拒否権を与えてもらえませんか? 〜陽キャ女子の距離感がバグってて、逃げ場を封じられたのだが?〜  作者: 宮茉紀 古治
2学期開始編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
52/71

第52話 最低級レベル

「ほらっ! 食べて!」


 そう言って僕の前に出されたのは、これぞ和食、って言うようなものだった。


「ご飯と、味噌汁と、目玉焼き! 上手でしょ?」

「えぇ⋯⋯」


 まだ食べてもねえよ、と思いながら、僕は箸を手に取った。

 食べようと思っても、手が進もうとしない。なぜか、ジロジロ見られている気がする。


「そんなに、見ないでよ」

「えー、いいのっ!」


 そっちはいいかもしれないよ? 僕が嫌なの。わかる?


「はぁ。もういいや」


 僕は諦めて、栞凛の視線に耐えながら、ご飯を食べることにした。


「どう? おいしい!?」

「うーん。外野がうるさくて⋯⋯」

「外野!? 私か黙らせてくるから!」


 まさかこいつ、自覚がねえ!? 自分だと、気付かないか。都合いい思考だなあ。


「待ってて! 外見てくる!」

「あ⋯⋯うん」


 ドタドタと足音を立てながら、急いで扉を開けて外に飛び出ていった。


「ふぅ。これならゆったり⋯⋯」

「誰もいないじゃん!」


 そんなすぐ戻ってこないでくれ。ゆったり食べられないじゃないか。




 ******




「ごちそうさま⋯⋯」


 僕が食べ終わったと同時に、栞凛が食べようと自分の分を持ってきた。


「あー、箸忘れちゃった〜。それちょうだい?」

「え、これ? 待って」


 僕は一度流しに持っていき、水で流そうとした。


「いいよ流さなくて! あとでやっとくから!」

「僕が一度使ったから、さすがに洗わないと⋯⋯」


 僕は栞凛の話を聞かず、箸を水で流そうとした。


「だめだよ! だめったらだめなの!」

「⋯⋯なんで?」


 一度手を止め、理由を聞いてみた。どうせくだらないことだろうけど。


「間接キ⋯⋯スじゃなくて、とにかく! いいの!」


 僕がポカンとしていると、手で持っていたはずの箸がなくなった。

 マジで、もうよくわからんやつやな、こいつ。


「ふふーん! 大輝くんと、ふふっ!」


 栞凛は箸をペロッと舐め、それからご飯を食べ始めた。なんとも行儀が悪い。

 

「う〜ん? やっぱ、大輝くんの料理の方がおいしいや」


 自分で作ったはずの料理にそう文句を垂らしている。

 僕は三つ星レストランのシェフじゃないねん。


「あ、宿題やっておいてくれても⋯⋯」

「やらないよ」


 僕は即答した。というより、喋ってる間に言った。

 絶対やらない。自分でやるもんだよ、そういうのは。



 ******



 しばらくして、ようやく栞凛の昼ご飯が終わった。


「やっとか。遅い」

「ごめ〜ん!」


 もう心こもってないやん。

 

「さ、宿題を写さないとね!」

「教えてあげるから、()()()解くんだよ?」

「えーっ! 大輝くんのケチー!」


 唇を三角形にして、ふてくされたよ、こいつ。


「当たり前でしょ。自分でやるものなんだから」

「⋯⋯はっ! 私、天才かも!」


 ⋯⋯どうせまたくだらんことだろ。答え写すとか、それくらいしか思い当たらんが。


「答えを写せばいいんだ!」


 それを聞いたとき、僕は思わず吹いた。

 まさか、本当に答えを写すだとは⋯⋯。


「何笑ってるの!? 私の最高級のこの考えに!?」


 どこが最高級やねん。なんなら最低ぐらいまであるよ。


「まあ、とりあえず、私に教えて!」

「とりあえずて。まあいいけども」


 僕と栞凛は階段を登り、栞凛の部屋へ向かった。


「くふふっ! 楽しみ〜!」


(こいつ、どうせまたなんかよくわからんことでも、企んでんだろうな)


 栞凛は不敵な笑みを浮かべ、不思議と笑っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ