新たな眠り
十五分ほど歩いた。ミロが先頭を歩き、胸を張り、顎を上げ、まるで軍事パレードにでも出ているかのような姿勢だった。ボルレンはその後ろで、四輪の荷車を引いている。荷台には気絶した盗賊が五人、無造作に積まれていた。
「今日はいい狩りだったな。きっと隊長も大喜びするぞ!」
「……夕食、抜かれると思う」
「どうしてだ? ちゃんと仕事をして盗賊を捕まえたんだぞ! 英雄みたいに扱われて当然だろう! ほら、みんな足を止めて俺たちを見てるじゃないか!」
周りを見渡す。確かに皆こちらを見ている。だがその表情は、賞賛というよりむしろ恐れに近かった。窓辺から子どもを引き戻す母親や、地面に唾を吐く老人までいる。いったいミロの目にはどこに称賛が見えているんだ?
ふと、さっき俺をあの路地へ案内した老婆を思い出した。彼女は明らかに怒っていた。まあ、理由は分かるが……他の人たちはなぜあんな反応なんだろう。
「そういえば、この荷車を貸してくれたおじさんにもお礼を言わないとな。本当に役に立った!」
「王国の平和と繁栄のために役立ったなら、それだけで一般市民にとっては十分な報酬だと思います」
「なるほど……」
「そうか? なら問題ないな! お前の善行が大きな繁栄につながるよう、俺が保証しよう!」
荷車の持ち主のおじいさんが少し気の毒だ。かなり怯えていて、ろくに考えずに貸してしまったようだったから。
それからさらに一時間近く歩いた。この街は本当に広い。ようやく川の左岸にある大通り――デリクが言っていた「籠の大通り」に出た。迷ったのも無理はない。ここに来るまで、まだかなり距離があったのだ。
少し進んだところで、小さな喫茶店に立ち寄り軽食を取った。ボルレンは食べることが大好きらしく、俺が仲間になる祝いだと言って奢ってくれた。もっとも、俺はまだどこに配属されるのかも知らないが。
とりあえずケーキを一切れとお茶を飲んだ。メニューは読めなかったので、適当にそれらしいものを頼んだだけだ。
もちろん、荷車と気絶した盗賊たちのせいで店内はちょっとした騒ぎになった。結局、ゆっくりする間もなく店を出ることになった。
大通りを進み続けると、ついに軍の村に到着した。門は巨大で、内部はそれ以上に広い。ミロが門番に声をかけ、俺たちは中へ入った。
中央の大通りを進む。両側には巨大な建物が並んでいた。まるで邸宅のような兵舎で、それぞれ広大な敷地を持ち、立派な庭園まである。貴族の屋敷と言われても信じそうな規模だ。
この軍の村はとにかく広い。少なくとも一つの大きな地区ほどはあるだろう。
制服を着た人々が行き交っている。だがその制服は少しずつ違っていた。ミロに聞くと、ほとんど独り語りのような説明が返ってきた。要するに、所属する兵舎や役割によって違うらしい。基本色は赤だが、色合いや装飾が変わる。ミロとボルレンの制服は深紅で、ミロだけが緑色のマントを羽織っていた。
通り過ぎる兵士たちは皆こちらを見ていた。ただし、街の人々とは違う表情だった。まるで――
「また問題を連れてきたのか……」
とでも言いたげだ。
「まだ遠いんですか?」
「もうすぐだ!」
舗装された道の終わりまで進むと、今度は小さな林のような場所に入った。ボルレンは荷車を操るのに少し苦労している。
さらに歩くと、開けた場所に出た。中央には石造りの小さな建物がある。
簡素な平屋で、本来は白かったのだろうが、湿気のせいで灰色にくすんでいる。前には井戸があり、焚き火用の場所と鍋が吊るされていた。周りには丸太が椅子代わりに置かれている。
「ようやく到着だ!」
「……ビスケット、隠しておこう……念のため……」
「そうだな……」
「……」
……?
ミロがこちらを見ている。何か忘れている顔だ。俺、何か言うべき?
「そういえば、名前を聞いてなかったな。君の名前は?」
あ、そうだった。
「エリアスと呼んでください。みんなそう呼びます」
「なるほど! 俺は英雄と呼んでくれ。みんなそう呼ぶ!」
「呼んでない」
「!」
?
建物の中から一人の男が出てきた。こちらへ歩いてきて、俺を頭から足まで見てから言う。
「で、お前は? ここに何の用だ」
どうやら上官らしい。俺は足を揃え、背筋を伸ばし、敬礼して名乗った。
「エリアスです! ヴィレデン南部から、軍への出頭のために来ました!」
この世界で敬礼が通じるのかは分からない。もっと設定を考えておくべきだった。
「そうか。召集状か何かは持っているか?」
男は皮肉な口調で言いながら、こっそり逃げようとしていたミロの襟首をつかんだ。
「はい、あります」
鞄から手紙を取り出す。旅のせいで少ししわくちゃだが問題ないだろう。
男はそれを見て少し目を見開き、ミロを放して急いで手紙を受け取った。
封を開き、細部まで読み込む。まるで契約書の細かい文字を確認するような真剣さだ。
「ミロが、ここに持ってくればいいと言ったんですが……」
「本来は召集所に提出するものだ。普通なら、こんな推薦付きの者をここへ送ったりはしない」
そう言いながら、手紙を上着のポケットにしまった。
「……ただし、この施設の責任者が候補者の推薦状を提示する場合は別だ」
俺が混乱した顔をしていたのだろう。男はもう一度説明した。
「つまり、今夜はどこかで荷物を置いて休め。明日からお前はこの兵舎の一員だ」
そして力強く握手してきた。
「よろしく。俺はセドラミュ。この部隊の隊長だ」
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それから少し離れた場所。
ヴィレデンの首都を二分するディラ川。その川に架かる橋の一つの下。
「さあ……さあ……」
暗いローブを全身にまとい、フードで金色の髪を隠した小柄な少女がいた。
「あと少し……」
両手を伸ばし、小さなガラス瓶へ向ける。魔法学院で学んだ知識を必死に思い出しながら。
「もう……少し……」
力を込めて、集中して――
そして。
「……あれ?」
何も起きない。
それでも少女は諦めなかった。諦めるわけにはいかなかった。彼女の中に潜む力は本物だと、学院自身が証明している。ただ、まだ開花していないだけ。
だが時間は過ぎていく。周囲の人々も、次第に彼女を信じなくなっていた。
だからこそ、どうしても――
眠っている魔法を目覚めさせなければならない。
少女は拳を握った。
「もう一回!」




