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【完結】【情念の画家】地味な僕のフェロモンと筆ペンで、彼女たちの理性が限界突破する件  作者: 船橋ひろみ
あとがき ~ 情念の画家 製作ノート ~ 第三部 : 劇団船橋式AI共作メソッド「二人三脚作劇法」

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製作ノート 19ページ目

◆たたきを描写で厚塗りする


本作ではご紹介した方法の工程4、加筆修正が最も重要な作業でした。


AIを無料版から有料版にしたことで、それまで「たたきの間違い修正」だった作業が、そのシーンの風景、登場人物の描写や動きの表現を書き重ね「物語の厚みを生む」作業に変容していきました。


それはまるで、大まかな下絵に絵の具を塗り重ねるような感覚です。


副監督が出してくる「たたき」は、良くも悪くも平均的です。

地の文も曖昧な表現が多く、淡々とした説明文がほとんど。


たたきの作為を依頼して、副監督に作ってもらうわけですが「できました!」と作成報告といっしょに出てくる本文を読んで「私はいったい何を読まされているのか」と感じたことも少なくありません。


しかしながら、報告の行間から一生懸命な副監督の表情が浮かんできて(AIだけど)、むげにもできませんでした。


結局、やり直しを命じることはほとんどなしで私が加筆修正を重ねて作品を作り上げていきました。


この方法を採用した理由は、考えながら文章をひねり出すのは時間も労力も思いのほかかかるからです。


実は過去作で連載が止まりがちな原因はここにありました。


お判りのとおり、私の作品は、スマホ文体で書かれていません。


意図しているわけではありませんが、じっくり読んでいただく文体で書かれています。


このため、最初は勢いよく書けても、途中から文章をウンウン悩んで捻りだすことになり、投稿一話の目安の文字数(私は2000~3000文字程度)をどうにか埋める、という状況に陥ってしまいます。


そして、仕事が忙しくなると作品に向き合うことが少なくなり、更新が止まってしまうのです。


よって、いくら説明文的なたたきだったとしても、あらかじめ執筆話の最初から最後まで書かれているものがあれば、執筆のスビードアップはもちろん、文章が浮かばなくて筆が止まることも防げます。


こうして、副監督のたたきに監督の私が加筆修正することで、執筆話ごとの完結を引き寄せ、ひいては作品全体の完結を引き寄せることができたのです。


◆劇団船橋式の解像度アップ


私はノクターンノベルズで書いてきたためか、基本的に読者さんの想像力にゆだねる描写は控えるようにしています。


もともと「いかに読者さんがそのシーンに没入できるか」が作品作りの重要ポイントだと考えていたからだと思います。


特にノクターンノベルズについては、エッチなシーンがメインなのでなおさらです。


仮に読者さんが自由に想像してしまう遊びがあると、かえって「あれ?思ってたのと違う」とそこで物語が途切れてしまいます。


通常ならまだしも、盛り上がっていたところなら、がっかりもいいところです。


ですから、各作品では、ある程度解像度を上げて、読者さんのイメージをガイドするように書いてきました。

それは本作も同じです。


では、どのようにしているのか。


例として、副監督が「陽菜が灯の隣に座った。そして灯と熱いキスをした。」というたたきを出したとしましょう。


これに対して、詳細を質問形式で膨らませる方法が多いです。


例えば、こんな感じです。


隣に座った陽菜は、緊張して震えているのか、リラックスして灯に身をゆだねる様子なのか。


デート用の香水が香るのか、それとも甘やかな体臭が漂っているのか。


服装はジャージか、制服か、フリル付きのシャツか、パンツスタイルかスカートか。


服の手触りはゴワゴワしているのか、ツルツルしているのか。


肌は汗ばんでしっとりしているのか、それともキラキラ光るくらい汗が滴っているのか。


髪の毛のキューティクルはどうか、艶々と光っているのか、パサパサなのか。


唇は潤っているのか、かさついているのか、口紅かリップか。色は何色……。


いったんここまでにしますが、少し考えてもこれくらいは出てきます。

もっと書き足すなら、厚手のコートとTシャツでは、抱きしめた時に感じるヒロインの身体の感触は違います。


ひとりひとり体型だって違います。

むにゅっとするのか、細くてひきしまっているのか、ムチムチして弾き返されそうなのか……。


そんな点を考えて表現しないと読者さんがヒロインを抱きしめているように感じないのではないか……。

そんな「手触り感」のある作品作りを念頭に今まで書いてきました。


それは本作も同様です。

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