製作ノート 18ページ目
◆劇団船橋式「二人三脚作劇法」
本作を執筆して感じるのは、AIたちが力を発揮するのは、物語のアイディア出しと壁打ち、そして誤字脱字と物語での整合性チェックです。
前出の例のとおり、肝心な文章作成は物足りなさを感じてしまいますが、自分が手を入れる前提で少し丁寧に依頼すると手間がだいぶ減ります。
本作で試行錯誤しながら書き進めた結果、途中から一つのやり方に落ち着きました。
第三章までは、構成を伝えて出てきたたたきを、私が地道に加筆修正していました。
第四章から、以下にご紹介する方法に変えて、最終話まで運用しています。
◆二人三脚作劇法 詳細
0.前提
本作の場合、文字数の都合で、執筆での一話とこちらに投稿する一話の単位が異なります。
このため、表記を以下のようにします。
・執筆上のストーリー➡執筆話(数千から数万文字)
・投稿上のストーリー➡投稿話(1500から3000文字)
1.執筆話の構成を考える(人間)
私が執筆話の大まかな流れ(起承転結)を考えます。
必要に応じて、副監督と壁あてしてアイディアを練ります。
2.執筆話の全体構成を作成(人間)
流れに基づき、執筆話の全体構成を書きます。
複数シーンに分け、「公園。陽菜が灯を見つけて駆け寄る→灯は陽菜を受け止め、抱きしめた」というように、登場人物の行動内容を各シーンごとに書きます。
大事なセリフは会話劇にして書いておき、たたきに組み込んでもらいます。
3.たたきをシーンごとに執筆(AI)
作成した執筆話の全体構成を副監督に渡して、シーンごとにたたきを作成してもらいます。
表示文字数の制限があるので、一度に全シーンを作成してもらうのは難しいです。
よって、本作では数シーン単位にわけて作成してもらいました。
そして、私がシーンごとのたたきをドキュメントなどに貼り付け、執筆話全体のたたきにします。
4.たたきをチェックし、加筆修正(人間)
全体構成と照らし合わせながらたたきの内容を確認し、加筆修正していきます。
登場人物や風景、持ち物などの描写、登場人物の演技、本来のハルシネーション(もっともらしいウソ)の裏取り、思いついた追加シーンの挿入……。
やることはたくさんありますが、実例で示したように、たたきはあくまでたたきでしかありません。
作者自身がきちんと「(投稿できるような)物語に仕上げる」という工程が不可欠だと感じています。
5.決定稿を投稿話に分割(人間)
こうして加筆修正した「決定稿」を投稿話の文字数に合わせて分割していきます。
なろうに投稿する場合、一話あたり1500文字~3000文字が良いと言われています。
これに合わせて数万文字の執筆話を複数に分割していくのです。
ただ、機械的に分割するのではなく、次回も読んでいただくよう、できるだけ「引き」を意識して分割します。
文字数の範囲が決まっているので、AIでも分割案を考えることができそうですが、実はAIは文字数カウントの基準がテキストエディタと異なるようで、アテになりません。
テキストエディタやなろうサイトのエディタ上で2万文字近くある執筆話を「全部で5000文字程度ですから、前後編で二分割なら読者さんも読みやすいです!」と、行間からドヤ顔が浮かぶような提案をしてきます。
このため、人間がテキストエディタの文字数を見ながら、分割していかなくてはいけません。
なお本作では、投稿を始めた後にこのことが発覚したので、ある時期から投稿一話ごとの文字数を減らしました。
6.後書きのたたきを作成(AI)
分割の範囲を決めたら「執筆○○話、投稿分割案 1.はじめから「○○まで」(××文字)」と分割構成を作成して、副監督に渡して各投稿話の後書きのたたきを作成してもらいます。
本作の場合は後書きで次回予告を登場人物にやってもらっています。
そのためには分割した話の内容を汲み取ってもらう必要があるので、どうしてもこのような工程を挟むことになります。
7.決定稿と後書きを修正して投稿(人間)
このような工程を経て、いよいよなろうに投稿します。
なろうのエディタに貼り付けながら、本文を改めて加筆修正して最終稿とし、後書きの次回予告を確認しながら必要に応じて修正などを行います。
複数話掲載しますので、同じ日の更新をしないように注意(例外あり)しながら、予約投稿していきます。
……ということで、本作は7つの工程で一つの執筆話が投稿話に分割されて連載されたのでした。
こうして書くと割と手間がかかることがお判りいただけると思いますし、決して「万能な執筆マシン」でもないことがご理解いただけたかとも思います。
さて、お気づきかもしれませんが、実は第四章から構成されている話数が大幅に増加しています。
これは、第四章から有料版AIにしたことが大きいでしょう。
試行錯誤していた執筆方法も、ご紹介したものに近づいたことも相まって、たたきに対する加筆修正でも以前の「間違い修正など品質維持の加筆修正」から「物語そのものを向上させる加筆修正」に変質していき、文字数も増加したのです。




