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【連載版】 「誰でもヤらせてくれる」と噂の隣のギャル。実は超がつくほど家庭的で、毎日めちゃくちゃ甘やかしてくる  作者: 茨木野


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56/58

56.


「まずはお昼ご飯にしようか」

「さんせー!」


 奉太郎の提案に、聖華が喜んで乗っかる。


(ほんとに、体全体で感情を表現するんだな)


 聖華は嬉しいと飛び跳ねるし、逆に落ちこんでいるときは、体を縮める。

 今は何度も隣で飛び跳ねていた。


「らんち~。ごはん~。阿智くんとごはん~」


 彼女の上気した頬、柔らかい手。

 そして……彼女の温かさ。

 そばにいるといつもより、彼女の存在を感じられる。


(昼神さん……ほんとに綺麗だな。男達が、自分のものにしたいって気持ちもよくわかる)


 飛び跳ねる度に、聖華の大きな胸が弾む。

 それが道行く男どもの視線を集めていた。


「昼神さん。目立つから」


「へ? あっ! ご、ごめん……」


 聖華はジャンプするのを止める。


(ふぅ……良かった。……良かった、か)


 まだ自分のカノジョでも何でもない。

 それでも、聖華が他人から、そんな風に性的な目で見られることを、奉太郎は許せなかった。


(昼神さん、誰でもやらせてくれるって噂に気づいていた。思ったより、他人から性的に見られたくないんだろう)


 だから、飛び跳ねるのを止めろと言ったのだ。


(俺は……彼女に幸せになって欲しいし、幸せにしたい)


 みさおに、過去に、決着を付けた。

 前に進み、幸せになるために。


「良い感じのレストラン見つけておいたんだ」

「わぁい!」


 しかし……歩くことしばし。


「ありゃー。混んでるね~」


 店の前には、長蛇の列ができていた。

 待合の椅子は全部埋まっており、店の外、隣の隣……そのまた隣まで、行列ができてる。


(しまった。休日の昼時だからな……。予約しておくべきだったな)


 段取りの悪さに辟易する、奉太郎。


 そのとき、きゅるる……と可愛らしい音が鳴った。

 聖華は「と、鳥さんかなぁ~……あははは~……」と顔を赤くしてそっぽを向いていた。


(昼神さん、お腹すいてるみたいだ。ここでの食事にこだわって、お腹をすかせるのはよくない。……決断は早くしよう)


「昼神さん。お昼、地下のフードコートでもいい? そっちのほうが規模大きいし、店も多いから、直ぐご飯食べれると思うから」


 人気店と比べると、ムードがないと言わざるを得ない。

 この変更にがっかりされるかも知れない、奉太郎は少しばかり不安になったのだが……。


「えへー♡ ありがと~!」


「……?」


「アタシお腹ペコペコだったんだっ。だから……ありがとうっ!」


 いつも通り、言葉の少ない聖華。

 おそらく気を遣ってくれてありがとう、と言いたいのだろう。


(ああ、本当に……良い子だな。俺は……やっぱりこの子のことが好きだ)


「いこうか」

「おーす!」

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