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【連載版】 「誰でもヤらせてくれる」と噂の隣のギャル。実は超がつくほど家庭的で、毎日めちゃくちゃ甘やかしてくる  作者: 茨木野


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55/58

55.


 手をつないで、奉太郎たちは大型商業施設へと足を運ぶ。

 休日だからか、やはり人が多い。


(手をつないで正解だった)


 奉太郎は一人心の中でつぶやく。

 口に出さないのは、聖華を傷つけないためだ。


(昼神さん……すごく繊細だからな)


 自分と手をつないだのは、迷子にならないため。

 好きじゃないから、がーん……と。


 そう言って、落ち込む聖華が容易に想像できたのだ。


(でも直ぐに、誤解は解けるんだろうなぁ……)


 聖華のその単純明快さを、奉太郎は好ましく思っている。

 だがそれを口に出すのははばかられた。


 照れくさかったからだ。


「ふへへ~♡ 阿智くんちゅき~♡ ちゅきちゅきちゅき~……♡」


 一方で、聖華は思ったことを全部口に出していた。


「人混みに迷わないようにしてるのも優しいし~♡ あたしの要望取り入れてくれたのもうれしすぎ~♡ ちゅき~♡」


(繊細なんだか、図太いんだか)


 聖華は、奉太郎の一挙手一投足に大いに心を乱される割には、脇が甘い。

 そんなつぶやきが聞こえてないとでも思っているのだろうか。


(多分わからないんだろうな。今……本当に幸せいっぱいなんだろうな)


 聖華は、あまりに、わかりやすすぎる。

 裏表がなさ過ぎる。


 それを……奉太郎は本当に好ましく思っているのだった。

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