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【連載版】 「誰でもヤらせてくれる」と噂の隣のギャル。実は超がつくほど家庭的で、毎日めちゃくちゃ甘やかしてくる  作者: 茨木野


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53/55

53.


 聖華が待つことしばし……。


「阿智くん遅いなぁ~……」


 時刻はそろそろ12時になろうとしていた。

 彼女が来たのは11時。


 待ち合わせは11時だと思っていたので、一時間も待っていることになる。


「遅刻するような人じゃあないよね……どうしたのかな……?」


「昼神さん?」


 振り返ると、奉太郎が、自分に話しかけてきたところだった。

 今日の服装は黒ズボンに半袖シャツ、その上からブルーの上着を羽織っている。


 シンプルゆえに、彼のかっこよさが引き立つ。

 ……が。


「阿智くん遅れたのに、何その態度っ。良くないと思う……!」


 思ったことが口をついてしまった。

 しかし、奉太郎は首をかしげる。


「12時集合だから、時間ぴったりだと思うんだけど……」

「え……? 11時集合じゃ……?」


 聖華が慌ててメッセージを確認する。

 11日の、12時集合。


 ……きちんと奉太郎はそう書いて、聖華もまた了承していた。

 話がごっちゃになっていたのだと、聖華は遅まきながら気づく。


(や、や、やっちまったー!)


 聖華はその場にしゃがみ込んで、そのまま転がりたい気持ちを……ぐっとこらえた。

 

(さっきのなに!? ちょー感じ悪かったんですけどー! いやー! もー! いやー!)


 しかし、奉太郎はきょとんとしたままだ。


「どうしたの、昼神さん?」

「ふぇ……? だ、だって……あたし感じ悪くなかった?」


「全然。……まさか、一時間待ってたの?」

「え、あ、はい……」


 すると奉太郎はすぐさま、頭を下げてきた。


「ごめんね。1時間待たせて。それは、怒るよね。ごめんね」


(え、え、えー!? 好き……!)


 ……明らかに、聖華の方に非があるのに、奉太郎は謝ってきたのだ。

 その器の大きさと、優しさに、聖華はもうメロメロだった。


(好きっ。好き好き好きっ。阿智くん大好き! 好き好きすきー!)

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