52.
そして、デート当日となった。
日曜日、聖華はおめかしをして、隣の県へとやってきていた。
彼女らが普段拠点としてるのは、東京都大田区。
そこから、JRに乗って、多摩川をまたいですぐのところにある、大型商業施設だ。
「大丈夫かな……変じゃないかなぁ……」
聖華は先ほどから、そわそわと、自分のスカートの裾をひっぱったり、髪の毛をいじったりしている。
今日の服は、聖華が悩みに悩んだ末に選んだ代物である。
薄青のショートデニムジャケット、トップスは少し透けた感じのあるブラウス。
スカートには淡いピンクのロングスカートだ。
(阿智くん、普段アタシのミニスカ見てるし……。なら、ちょっと清楚めのほうが、新鮮に見えるかなって……)
どちらかというと、肌を露出するほうが、好みではある。
時期も五月。
そろそろ気温も高くなりかけていることもあった。
自分の着たい服よりも、しかし、聖華は奉太郎を喜ばせるための服を選択した。
『……本当にそれでいいの?』
昨晩、深雪に服装の最終チェックをしてもらった。
普段の聖華が着る服じゃないものを提示した。
深雪は、自分に問いかけてきたのだ。
無理はしていないかと。
(……無理はしてないよ、みゆきん)
確かに今日の服は自分の趣味ではない。
ありのままの自分かと言われると、違うかもしれない。
(でも、阿智くんを好きっていう、この【自分】に、嘘はないから。これもまた、ありのままのアタシだからっ)
奉太郎を思う自分、それを見せるべきだと思ったのだ。
(伝わるか、わっかんないけど……。多分伝わらないだろうけど……。でもいいんだ)
むんっ、と聖華は気合いを入れる。
……だがすぐさま、その場にしゃがみ込んでしまう。
「うー……キショいかなぁ……重すぎるかなぁ……」




