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【連載版】 「誰でもヤらせてくれる」と噂の隣のギャル。実は超がつくほど家庭的で、毎日めちゃくちゃ甘やかしてくる  作者: 茨木野


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51/53

51.


 奉太郎が、自分の過去との決着を付けている、一方その頃……。


「うぎゃぁああん! みゆきんどうしよぉおおおお!」


 昼神 聖華は自分の部屋で、仰向けになって手足をジタバタさせていた。

 その姿は、さながら幼子。


 なんとも幼稚な姿であり、そして……。


「デートに何を着ていけばいいかわからない、わーかんないよー!」


 ……スマホをスピーカーモードにした状態で、聖華は深雪と会話していた。

 議題は、デートに着ていく服について。


「阿智くんの好みがわからないよー! 助けてみゆえもん~!」


 ぶつっ、と通話を切られてしまう。

 聖華は慌てて通話をかけ直す。


「あの……深雪さん? どうして切ったのでしょうか……もしかして、怒ってらっしゃる?」


『……かなり』


「ひぃん。ごめん……」


 聖華は深雪に対して、『深刻な事態が発生してるの、助けて……』とメッセージを送ったのだ。

 深雪が心配して通話をしたところ……この返答。


 怒るのも無理はなかった。


「阿智くん、どんな服着てけば喜んでくれるかな……」


 聖華の頭にあるのは奉太郎のことだけ。

 彼に喜んでほしい。

 でもどうすればいいのかわからず、頭の良い友達を頼ったというわけだ。


『私が阿智くんの好みなんて知ってるわけないでしょ』

「そこはぁ~……そのぉ~……それとなーくみゆきんに、探って欲しい……」


 ぶつっ。

 聖華はまた通話をつなげ、そしてスマホの前で土下座する。


「友達を都合の良いように使おうとして、すみませんでしたっ!」

『……ん』


 あくまで対等な友達相手に、パシリみたいなことをさせようとしてしまった。

 聖華は反省し、頭を下げる。


 深雪も、聖華に悪意があるわけではないと、経験で知っていた。

 だからあっさり許したのである。


『聖華。大丈夫だから』

「みゆきん怒ってない……?」


『……怒ってないから。あと大丈夫って言ったのは、あなたがそんな無理しなくても、大丈夫ってこと』


 深雪の言ってることがわからず、聖華は首をかしげる。

 彼女は優しい声音で、子供に言い聞かせるように話す。


『……阿智くんは、どんなあなたも受け入れてくれるから。無理して自分を変えようとするんじゃなくて、自然体のままで接してあげて』


「みゆきん……」


 なんでそう言い切れるのさ、という言葉は出てこなかった。

 聡明な親友がそういうのだから、聖華は信じるだけだ。


「わかった。アタシ、いつも通りの格好で、戦場に赴くよ!!」


 むんっ、と聖華が意気込む。

 だが深雪は少し考えた後、『……当日の服を着て、みせて』と言う。


 聖華は言われたとおり、その服を着て、自撮りして送って見せた。


「どう?」

『……制服』


 そう、聖華は制服でいくつもりだったのだ。


「え、駄目? だっていつもの服装ってこれじゃん……?」

『……聖華。普段着って意味だから』


「そ、そっか……」

『……阿智くん、頑張って』


「なんで阿智くんに!? そこはアタシにじゃないの!?」

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