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【連載版】 「誰でもヤらせてくれる」と噂の隣のギャル。実は超がつくほど家庭的で、毎日めちゃくちゃ甘やかしてくる  作者: 茨木野


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50/65

50.


 みさおとの和解を終えた奉太郎は、喫茶あるくまへと帰ってきた。

 玄関先には、父・聡太が立っていて、二人の帰りを待っていた。


「親父、なにやってんの?」


 みさおが首をかしげると、聡太は微笑む。


「おまえたちのこと待ってたに決まってるだろ?」

「うげえー、過保護~」


「なんとでも言え」


 聡太は苦笑すると、みさおをぎゅっと抱きしめる。


「ぎゃー! 止めてよ! 奉太郎が見てるじゃん! きもいから!」

「はははっ、良いじゃあないかっ」


 強く抱きしめられていても、しかし、みさおはまったく嫌がってる様子はなかった。

 口だけの嫌々だったのだろう。


 久しぶりに見る、仲の良い親子のふれあいに、奉太郎はほっこりとする。

 ……そして、少しばかりの、さみしさを覚える。


 その瞬間、聡太はみさおを離し、今度は奉太郎を抱きしめてきた。


「奉太郎も、おれにとっては家族だぞっ」

「聡太さん……」


 力強い抱擁だ。

 でも、全然痛くはなかった。


 大きな樹に寄りかかってるような、そんな安心感を覚える。


「……すみませんでした」


 塩尻家を、過去を、遠ざけていたことを、聡太に謝った。

 聡太は何が、と聞き返さなかった。


「許す! はいもう終わりだよ」


 ぱっ、と聡太が奉太郎を介抱する。


「おっと、お父さんは配信の時間だ」

「配信……まだやってたんですね」


 実は、聡太は配信業を、副業としてやっているのだ。


「もー、いい年したオジサンなんだから、配信なんてやめなよー。需要ないっつーの」


 聡太は副業のことを家族にまったく隠してない。

(みさおが嫌がったので、家族外には言ってないが)


「悪いなみさお。おれにとっちゃ、リスナーは第二の家族なんだ。捨て置くことはできないんだぜ!」


「ったく……まあ、儲かってるからいいけどさー」


 奉太郎は詳しく知らないが、どうやら聡太の副業は、とんでもなく盛況らしい。

 聡太の父から、喫茶店を引き継ぎ、メインはそっちをやってるはずなのだが……。


 収入的には、配信業のほうが大きいらしい。


「今日は泊ってきな、奉太郎くん」

「とうとつー」


 みさおが苦笑する。

 奉太郎は、しかし、拒む理由はなかった。


「泊ってきます」

「そーしな。か弱い女を夜道歩かせんなよー?」

「か弱い? 誰が?」

「アタシだっつーのー!」


 こうしてまた、奉太郎とみさおは笑い合えている。

 結構奇跡的なことが起きてる。


 そのきっかけをくれた人物ギャルは、この場に居ない。

 でも、奉太郎は聖華に、心から感謝するのだった。

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