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301 遊牧民兵士との接触

 キサの馬に乗せてもらって帝国東部を走っていると、急にキサが馬を止めて木の陰に寄せ、ささやくような声を発する。


「いました、見張りだと思います」


 キサの視線の先を追うと、なるほど馬に乗った兵士が2人。止まった状態で、周囲を警戒するように辺りを見回している。


 こちらに気付いている様子はないので、キサの方が先に気配を察知したのだろう。


 シーラに鍛えられ、エルフのティアナさんの教えも受けただけあって、とても優秀だ。


「キサ、あの二人と話をするから、ゆっくり進んで……あ、待って。そういえば今更だけど、遊牧民的には『馬にも乗れない情けない男と話はできん』みたいなのってあったりする?」


「遊牧民同士ならありますが、農耕民は馬に乗らない事を知っている人なら大丈夫だと思います。

 あの二人はどうか分かりませんが、大王様ならその辺の事情はご存知のはずです。

 むしろ『馬に乗る農耕民は軍人』というイメージがありそうですから、交渉に行くなら警戒されないかと」


「なるほど……じゃあ進んでくれる。ゆっくりでいいよ」


「はい」


 キサは落ち着いた声で返事をするが、背中の弓と腰の矢筒を確認してから馬を歩ませる。


 護衛としても頼もしいね。



 ――キサがゆっくりと馬を進める間、俺は視線を二人の遊牧民に固定しておく。


 向こうが気付いた瞬間に視線が合えば、『こっちは先に気付いていたよ』とちょっとしたマウントを取れるだろう。


 交渉の場では、こういうのが意外と有利に働いたりするのだ。



 そんな事を考えながら進んでいくと、向こうでも俺達を発見したらしく。武器を構える。


 だけどこちらに近付いてくる事はなく。俺達の方から進み寄っていくと、ギリギリ弓の射程かなという距離で『止まれ!』と声を発した。


 ここで争う意味はないのでキサに馬を止めてもらい。大声で叫ぶ。


「私は帝国復興軍軍師、アルサルである! 皇帝陛下の意を受けて来た、ハイタル大王にお取次ぎ願いたい!」


 こういう時に言葉が共通ってのは便利だよね。


 遊牧民の兵士二人は一瞬戸惑った表情を浮かべ。一人は俺がキサの馬に乗せてもらっているのを見てだろう、あなどりの表情を浮かべたが、皇帝の使者を名乗る者を無碍むげにもできないのだろう。


 一人が視線で合図をすると、もう一人が伝令に走り。残った一人は武器を下ろしてこちらにやってくる。


 侮りの表情を浮かべなかった方の人なので、話はしやすそうだ。



「――失礼ですが、皇帝の使者である証をお持ちですか?」


 お、言葉使いも丁寧だ。

 ちょっと偉い人なのだろうか?


「これをどうぞ。皇帝陛下からハイタル大王宛です」


 そう言って、手紙を渡す。


 昨日俺が自分で書いたものなので、多少自作自演臭がするが、皇帝直筆には違いない。


 遊牧民の兵士は字が読めないのか、あるいは紙が上質であるのを見て一定の信用を置いてくれたのか。中を見る事なく丁寧な動作で手紙を返してきたかと思うと、『こちらへどうぞ』と案内をしてくれる。



 ……ゆっくり歩くのかと思ったら、次第に速度を上げ。やがて全力疾走に近い勢いになっていく。


 これは、こちらの技量を試しているのだろうか?


 キサに『大丈夫?』と訊いてみたら、『問題ありません』と返ってきた。

 心強いなぁ。



 ――しばらくの間、かなりの速さで早駆けが続いたが。やがてスピードが緩み。案内の人が感心したように声を出す。


「二人乗ってあの速さについてくるとは、大したものですね」


「――この子は本来皇帝の専属護衛で、帝国でも有数の乗馬巧者こうしゃなのです。

 遊牧民出身なので、今回特別に同行を頼みました」


 遊牧民の人に褒められて、キサはとっさに言葉が出ないようだったので、代わりに俺が答える。


 遊牧民の人は『なるほど……』と納得したようにうなずき。キサは照れたように顔を赤くする。



 今の所良好そうな反応を得て安心しつつ。俺達は馬に乗ったまま、騎馬の一団がいる場所へと案内される。


 大王本人が来ているのか、代わりの将軍かは分からないけど、いよいよ交渉の時だ……。




帝国暦170年 3月20日


現時点での帝国に対する影響度……66.989%


資産

・1億3174万ダルナ


・元宝石がいっぱい付いていた犬のぬいぐるみ(今はおでこに一つだけ)

・エルフの傷薬×10


配下

シーラ(部下・帝国復興軍精鋭部隊長・C級冒険者 月給50万)

メルツ(部下・ジェルファ王国軍務大臣・E級冒険者 月15万を上級傷薬代として返済中)

メーア(部下・ジェルファ王国軍務副大臣・E級冒険者 月15万を上級傷薬代として返済中)

エリス(協力者・ジェルファ王国国王・将来の息子の嫁候補 月30万を宿借り上げ代として支払い)

ティアナ(エリスの協力者 月給なし)

クレア(部下・ジェルファ王国宰相)

オークとゴブリンの巣穴から救出された女の人達24人(雇用中・北の拠点生産担当と中州の拠点運営担当 月給12万)

元孤児の兵士達103人(部下・帝国復興軍部隊長97人 北の拠点の船舶担当5人 医療班1人)

セファル(部下・アルパの街の物資管理担当・C級冒険者 月給30万)(弟も同職 月給10万)

ガラス職人(協力者 月給15万・衣食住保証)

船大工二人(協力者 月給15万・衣食住保証)

怪我を負った孤児の子達43人(北の拠点で雇用 月給7.2万)

キサ(部下・専属護衛・遊牧民 月給48万)

セラードとその妹リーズ(部下・元帝国西方新領州都防衛隊長 元子爵家子息 帝国復興軍後方部隊長と前線部隊長)

ミリザ(協力者・ジェルファ王国内務大臣・王都を仕切る裏稼業三代目)

カーミラ(部下 蜂起軍選抜部隊長 元男爵家長女)

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