前へ目次 次へ 22/76 その少し前の景色 話している 窓越しにふる ある部屋で「今日静かだね」といった 別の部屋で「今日人少ないね」といった 同じ時だった 誰も知らなかった 庭にふる 詩人がいった 「万有引力とは ひき合う孤独の力である」 誰かいった 「孤独をうむ斥力とは つながり合う所属の力である」 誰かいった 「ひき合う孤独の力とは ひき離す所属の力である」 記憶にふる 「今日静かだね」 「今日人少ないね」 「今日寒いね」 「今」 ふっている。…………………………………………