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乞う路傍の雪以下なら夢と仰せ  作者: 杜若表六


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埴谷雄高Ⅱ

一般的な小説、とくにロマン主義においては、主人公の様々な行動の後に反省がくるけれども、死靈においては、主要人物の行動の前に思索がなされる。その思索の内容は、未来・宇宙の領域・観点からそれまでの宇宙の歴史・人類の営みに対する反省が含まれている。虚體が現れるのは、その反省が徹底的に行われ、様々な我々の先入観と考えの型が否定されつくしたあとであると予告されている。

これはロマン主義があくまで個人から出発し個人へ集約される形式なのに対し、死靈は個人の存在の革命こそ自由な連帯を導くという理念に貫かれている。

ロマン主義の強みとしては手ごろな認識から出発して個人の自由というものを追求できる。弱みとしては結局個人の自由が精一杯の目標であり、存在の革命というところまで持っていけない。

死靈及び「不可能性の文学」においては、強みとして根本的な意識の変革、存在の革命を狙っているから、個の存在の自由を模索することと全体の自由を志向することが矛盾しないで併存している。弱みは創造が非常に難しいこと。決して人を安心させるものではない。そして一か零かといった博打めいたところがある。

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