第3話:立石公園の孤独と、あの日の影
#サイプレス #サバイバルホラー #スラッシャー #サイコパス #学園 #恋愛 #ツンデレ #バカップル #友情 #異文化交流 #インドネシア #ウリンの意志 #2000年代ホラー
茅野市の丘の住宅街を切り裂く険しいアスファルトを、重い足取りが進んでいく。エドのふくらはぎの筋肉は緊張し、徐々に薄くなっていく長野の山の夜の空気を吸い込むたびに胸が苦しくなり始めた。夏の汗がこめかみから流れ落ち、吹き抜ける夕風に荒々しく拭われる。山頂へと続く残りの道のりの中で、エドの哲学的な思考が巡り始めた。日本語のクラスでは、彼は単なるNICCの留学生として知られているだけかもしれないが、大自然の中では、彼は深い思想家だった。
「エレアのゼノンは、二分法のパラドックスを唱えた」エドは街灯の薄暗い光の下で長く伸びる自分の影を見つめながら、心の中で呟いた。「人間は目的地に決して到達できない。なぜなら、まず目的地の半分の距離を進まなければならず、さらにその残りの半分の距離を進むということが無限に繰り返されるからだ。この丘を登ることは、まさにそのパラドックスのようだ。私はこの日本の地で、一日一日と歩みを進めているが、なぜ本当の幸せは、決して到達できない無限の目的地のようになっているのだろうか」
エドがようやく立石公園の山頂に足を踏み入れた時、8月の太陽はすでに最も低い位置にあり、地平線の向こうへとゆっくり沈みかけていた。諏訪湖の上の空は紫、金、オレンジの見事なグラデーションへと染まり、それはまるで恋愛アニメ映画のワンシーンから飛び出してきたかのような魔法のような景色だった。しかし、この大自然の美しさは、エドの目にはむしろ残酷に映った。彼の周りの公園は、一人ではない人々で溢れていた。
水面を正面に見下ろす柵の近くでは、高齢の日本人夫婦がしっかりと手を繋ぎながら、とてもゆっくりと歩いていた。おじいさんは時折、残った夕日の光が眩しくないようにとおばあさんの帽子の位置を直してあげていた。エドは彼らを見つめ、物理学におけるエントロピーの法則を静かに考えた。宇宙のすべてのものは無秩序と崩壊、そして衰退へと向かう傾向がある。しかし、あの老夫婦の愛は、むしろその自然の法則に抗い、人生の最後まで壊れずに美しく固く結ばれているように見えた。別の隅では、同世代の若い男女が寄り添って座り、夕暮れが深まる中で一つのイヤホンを分け合って一緒に音楽を聴いていた。
そして、エドの視線は芝生の上にある温かい小さな家族へと向かった。父親は大笑いしながら、夕方の赤とんぼを捕まえ疲れた幼い子供を自分の背中に乗せていた。その隣では、母親が優しい笑みを浮かべながら、夫の汗ばんだ額をハンカチでそっと拭っていた。
その温かい光景は、一瞬にしてエドの胸に息が詰まるような強い衝撃を与えた。彼の思考は過去へと引き戻され、何年も前の故郷である南カリマンタンへと戻っていった。熱帯の強い日差しの下、肉体労働者として働いて帰ってきた父親の汗の匂いを思い出す。記憶は、彼らの簡素な木造の家の中の冷たい夜へと移る。そこでは、彼らを縛り付ける過酷な貧しさゆえに治療も受けられず、病気で無力に横たわる父親の姿があった。最期の時、父親の細い手が小さなエドの肩を掴み、こう囁いた。「エド、男は生きる重みで泣くもんじゃない。ウリン(鉄木)の木のように強くなれ。母親を守るんだ」
それを思い出し、現在のエドは苦笑いを浮かべた。彼は父親の言葉に従い、日本への留学を果たすほどウリンのように強くなった。しかし今夜、彼は一つのことに気づいていた。最も強いウリンの木でさえも、山の冷たい夜露の中では孤独を感じ、ひび割れ、凍えてしまうのだと。
悲しみはそれだけでは終わらなかった。エドの心は、一年前の日本での初恋という二つ目のフラッシュバックによって再び引き裂かれた。その日本人女性は、エドがカルチャーショックで精神的に崩壊しかけて初めて来日した時、彼に漢字を教えてくれたボランティアだった。彼女は彼にとって、この異国の地での最初の「雨宿りの木」だった。
しかし、エドがすべての勇気を振り絞って、散り始めた春の桜の花びらの下で想いを告げた時、彼女はあまりにも丁寧な正直さで彼を拒絶した。それは嘘よりも残酷に感じられた。「ごめんなさい、エド君……。あなたはとても優しくて、賢くて、温かい人。でも正直に言うと、私の心にはずっと前から好きな人がいるの。自分の気持ちに嘘はつけないし、あなたの誠実さを裏切りたくないから」
エドにとって、そのあまりにも誠実で敬意に満ちた拒絶は、むしろ彼の心臓の細胞に最も正確な傷を刻み込んだ。彼は彼女を憎む理由も権利さえ持てなかった。彼は戦う前に負けたという現実を受け入れるしかなく、彼女の心の中の空間には、どんなに小さくても自分が入り込む余地など決してないのだと悟った。
太陽は完全に沈んでいた。スマホの画面は19時30分を示していた。諏訪湖周辺の街灯が一つ、また一つと点灯し、夜の闇の中でダイヤモンドの広がりのように美しく輝き始めた。公園にいた老夫婦、小さな家族、そして若者たちは、急に激しく冷え込んできた夜風から温もりを求めるように身を寄せ合い、一人、また一人と帰り支度を始めていた。
エドは長い木製ベンチの端にぽつんと一人で座っていた。彼は自分のバッグを右側に置いた。これまでの人生で決して存在しなかった誰かのための空席を作るかのように。彼はリンゴの木の棘で小さな傷だらけになった、自分の荒れた両手のひらを見つめ、絶対的な静寂の中で深く沈思した。
「一ノ瀬蓮はいつも哲学を引用するが、彼らは机の上で世界を呪っているだけだ」エドは詩的に心の中で思った。
「ヘラクレイトスが『パンタ・レイ(万物は流転する)』と言ったのは正しい。すべては流れ、変化していく。桜の花びらは緑の葉になり、春は夏になる。しかし、なぜ時間は私の幼少期の幸せや初恋をこれほど身勝手に押し流し、私だけをその岸辺で立ち尽くさせているのだろうか。生物学的に見れば、この心臓はただ鉄分に富んだ血液を送り出す筋肉の塊に過ぎない。単純な有機化学反応だ。しかし、これがただの生物学的機械だというなら……なぜこれほど胸が苦しいのだろうか。なぜその中の虚無の空間を、まるで真空のように、目に見えない蜘蛛の巣が締め付けているのだろうか」
エドは夜露で湿り始めた公園のベンチから立ち上がった。彼は自分の腕を縮め、骨に染みるような寒さに耐えるように体を抱きしめた。日本の美しい夏の最中、彼の友人たち――ウィリアム・カーター、吉田千佳、一ノ瀬蓮、そして宮城芽衣――は皆、帰るべき誰かや寄り添う温かい場所を持っていた。それに対して、彼には誰もいなかった。
エドは絶対的な暗闇の中、一人で立石公園の丘を歩き下りていった。このカリマンタンの青年は、明日また生きるために働くべく、夜空の下を静まり返ったリンゴ園の寮へと足を進め続けた。彼は全く予想していなかった。孤独の埃に満ちた自分の心の虚無の空間が、数週間後には、テキサス州のキャド湖で彼を待ち受ける死の叫びの中で、命を賭けた戦いを強いられることになることなど、知る由もなかった。




