↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/11

第1話:林檎の木の下で出会った僕たち

#サイプレス #サバイバルホラー #スラッシャー #サイコパス #学園 #恋愛 #ツンデレ #バカップル #友情 #異文化交流 #インドネシア #ウリンの意志 #2000年代ホラー

2018年、8月。

日本の夏の日差しは強烈だったが、長野県茅野市の傾斜地に広がるリンゴ農園には、涼しい山風が吹き抜けていた。

インドネシアの南カリマンタン州出身の20歳の青年、エドは、アルミの脚立の上に立ち、大きな実を育てるための「摘果(てっか)」の作業を器用にこなしていた。


長野国際文化学院(NICC)に通うただの語学留学生が、東大や京大といった日本最高峰の超エリート大学生たちと親友であるということは、普通に考えれば奇妙な話かもしれない。しかし、その秘密はこのリンゴ農園にあった。


始まりは数ヶ月前の春休みだった。この農園が募集していた住み込みの短期バイトに、生活費を稼ぎたいエドと、日本の田舎を体験したかった東大PEAKコースのアメリカ人留学生ウィリアム、そして彼の彼女である大分出身の東大生・吉田千佳がやってきた。さらに、静けさを求めて旅をしていた京大文学部の一ノ瀬蓮と、その彼女で医学部の宮城芽衣も加わった。


一ヶ月間、同じ寮で寝食を共にし、汗を流してリンゴを収穫する中で、彼らの間の壁は完全に崩れ去った。エドは日本語がまだ拙いため普段は無口で控えめに見えたが、大自然を生き抜いてきた「実践的な科学の知識」と、流暢な英語を持っていた。それがウィリアムや蓮の深い敬意を勝ち取ったのだ。何より、インドネシア人らしい温かい笑顔と、どこか抜けた「くだらない笑いのツボ(レチェ)」を持つエドのキャラクターは、4人のエリートたちを大いに癒やし、5人はまるで家族のような絆で結ばれた。


――ブー、ブー。


ズボンのポケットでスマホが震えた。LINEのグループ通話だ。エドは脚立から下り、木陰に入って通話ボタンを押した。


「よお、エド! マイブラザー! 相変わらずリンゴの木をハグしてるのか?」

ウィリアムの陽気なバリトンボイスが英語で響いた。後ろからは彼が働く渋谷のカフェの環境音が聞こえる。


「まさか。少なくともこのリンゴたちは、お前の滑ったジョークよりはマシだよ」

エドが英語で返すと、ウィリアムは電話の向向こうで大爆笑した。


「ちょっと、ウィリアム! おしゃべりしてないでコーヒーマシンを掃除して! それからエド、このおバカな外人の世間話に付き合っちゃダメよ!」千佳のツンとした声が割り込む。彼女は今、ウィリアムのバイト先の片隅で、勉強するフリをしながら彼を監視しているらしかった。相変わらずのツンデレである。


「千佳ちゃん、そんなに怒るとシワが増えちゃうよ?」

別の回線から、沖縄出身の芽衣の明るい声が聞こえた。彼女は今、京都の古本屋で店番をしている蓮のところに突撃している最中だった。


「まったく、騒がしいな。あんたたちの声のせいで、僕の哲学書が泣いているよ」

蓮が静かな京都弁で皮肉を言うが、隣にいる芽衣に「はい、蓮くんアーンして!」とお菓子を口に突っ込まれ、冷徹な哲学者は一瞬で真っ赤になって黙り込んだ。


エドは苦笑しながら彼らの掛け合いを聞いていた。バカップル二組に挟まれた唯一の独身(シングル)だが、この温かい友情がある限り、日本での生活で孤独を感じることはなかった。


「エド、8月の夏休みは長いだろ? 来週、僕たち4人で長野に行くよ! みんなで集まって、最高の夏休みの旅行計画を立てよう!」

ウィリアムが興奮気味に言った。


エドは長野の澄み切った青空を見上げた。風が優しく吹き抜け、色づき始めたリンゴの甘い香りを運んでくる。親友たちとの再会が待ち遠しかった。

この時、彼らはまだ誰も知らなかった。長野で楽しげに話し合って決めるはずの旅行先――それが、あの霧深いテキサスの『カドー湖』であり、命を奪うチェーンソーの悪夢が待つ場所だということを。

第1話をお読みいただき、ありがとうございました!


日本での彼らの日常は、とても平和で笑いに満ちていますよね。しかし、この楽しそうな夏休みの旅行計画こそが、彼らの運命の歯車を狂わせる始まりとなります。


次回、東大・京大組が長野のエドのもとへ集結!

とあるカフェで賑やかに旅行先を話し合う中、ウィリアムの口から、彼らの人生を地獄へと変える運命の場所――『カドー湖』の名が告げられます。


5人組の賑やかな再会はどうなるのか? ぜひ、そのまま【第2話】へお進みください!

もし気に入っていただけましたら、【ブックマーク登録】や【評価(★)】で応援していただけると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。