第8話 原油と戦争と株価----世界情勢と投資判断
中東情勢が緊迫する。
台湾をめぐる緊張も続く。
原油価格が上がれば、物価にも影響する。
物価が上がれば、金利にも影響する。
そして、企業業績や株価も動く。
世界は、つながっている。
**遠い国の出来事が、僕の持っている株にも影響する。**
投資をしていると、それを実感することがある。
例えば、原油価格。
原油が上がれば、石油関連企業には追い風になることがある。
一方で、燃料や原材料を多く使う企業には、コスト増加という逆風になる。
物価が上がれば、消費者の負担も増える。
企業が値上げできなければ、利益が圧迫されるかもしれない。
さらに、インフレへの警戒が強まれば、金利の引き下げが遠のく可能性もある。
そうなれば、株式市場全体の評価にも影響する。
一つの出来事が、いろいろなところにつながっていく。
だから、世界情勢を見ることは大切だ。
ただし、ここで一つ問題がある。
ニュースを見ていると、不安になることがある。
戦争が拡大するかもしれない。
原油がもっと上がるかもしれない。
株価が大きく下がるかもしれない。
そう考えると、持っている株を売ったほうがいいのではないかと思う。
でも、本当にそうなのだろうか。
不安材料が増えたからといって、すべての株を売るべきなのか。
もちろん、何も考えずに持ち続ければいいという話でもない。
戦争や原油高によって、企業の利益が大きく減ることもある。
その影響が長引けば、配当にも響くかもしれない。
保有している企業に何が起きているのか。
そこは確認する必要がある。
ただ、世界情勢が悪化したことと、保有企業の投資価値が失われたことは、同じではない。
株価が下がっても、企業の稼ぐ力が大きく変わっていない場合もある。
反対に、株価がそれほど下がっていなくても、企業の業績が悪化している場合もある。
見るべきなのは、ニュースの大きさだけではない。
**その出来事が、企業の利益や配当にどう影響するのか。**
そこを考えたい。
もちろん、僕に世界情勢を正確に予測することはできない。
原油価格がどこまで上がるのか。
戦争がいつ終わるのか。
台湾をめぐる緊張がどう変化するのか。
簡単に答えが出るものではない。
だからこそ、予測だけを頼りに売買することには慎重でいたい。
ニュースを分析することと、実際に売買することは同じではない。
情報を集め、リスクを理解する。
そのうえで、保有している企業の状況を確認する。
売るべき理由があるなら、売却を考える。
でも、不安だからという理由だけで、慌てて売らない。
僕の投資目的は、世界情勢を当てて短期間で利益を出すことではない。
安く買って、長く持つ。
そして、配当を積み重ね、将来の年金に上乗せする。
その基本は変わらない。
もちろん、将来もずっと同じ銘柄を持ち続けると決めているわけではない。
企業の稼ぐ力が落ちたり、配当を維持するのが難しくなったりすれば、考え直す。
放置することと、何も見ないことは違う。
世界情勢は、これからも変わる。
そのたびに株価も動くだろう。
でも、ニュースが流れるたびに売ったり買ったりしていたら、僕の投資方針そのものが揺らいでしまう。
大切なのは、世界の動きを無視しないこと。
そして、世界の動きに振り回されすぎないこと。
**ニュースは見る。リスクは考える。でも、売買は別に考える。**
それが、僕なりの「投資は放置」だった。




