第6話 AI相場はどこまで続く----上昇相場との付き合い方
AI関連株が売られ、株式市場が揺れる。
2026年10月、そんな動きが目立ってきた。
10月14日の米国市場では、インフレ指標が予想を上回り、ナスダック総合指数が1.88%下落した。半導体株にも売りが広がり、AI関連投資への警戒感が強まっている。
AIブームは、もう終わるのだろうか。
それとも、一時的な調整にすぎないのだろうか。
僕には分からない。
ただ、気になることがある。
AIの成長が本物でも、株価が適正とは限らない。
AIは、社会を大きく変える可能性がある。
企業が巨額の資金を投じ、半導体を確保し、データセンターを建設する。
AIの利用が広がれば、新たな利益も生まれるだろう。
だから、AI関連株に期待が集まるのは理解できる。
でも、投資は期待だけでは成り立たない。
企業が投じた資金を、将来の利益で回収できるか。
ここが重要になる。
最近、僕が気になったのは、AI投資を支える資金の流れだ。
AI関連の設備投資は、企業の手元資金だけで賄われているわけではない。社債や銀行融資、プライベートクレジットなど、借入金を使った資金調達も広がっている。
ここで、少し考えてみる。
データセンターを建設するために、長期の借金をする。
ところが、その中にある半導体は、技術の進歩によって数年で価値が大きく変わるかもしれない。
借金は長く残る。でも、設備の価値は長く残るとは限らない。
これは、AI投資の規模が大きくなるほど、無視できない問題だと思う。
もちろん、借金をしているから危険だという単純な話ではない。
投資によって十分な利益を生み出せるなら、問題はない。
怖いのは、期待したほど収益が上がらなかった場合だ。
設備投資は続けた。借金も残った。でも、AIサービスから得られる利益が予想に届かない。
そんなことになれば、企業の評価が大きく変わる可能性がある。
実際、IMFも2026年10月の金融安定性に関する報告書で、AI投資の収益性への期待が崩れた場合、株価の急落につながるリスクを指摘している。政府債務の増加や国債利回りの急上昇も、金融市場の不安定要因として挙げられた。
では、債券市場はどうだろう。
ここも、なかなか興味深い。
インフレが強ければ、金利が上がり、債券価格には下落圧力がかかりやすい。
ところが、10月中旬には、インフレへの警戒が残るなかでも、AI関連株の下落を受けて米国債などに資金が向かう動きが見られた。株式市場の不安が、債券市場にも影響している。
株だけを見ていても、世界の金融市場は分からない。
金利、国債、企業の借金、そして将来の利益。
それぞれがつながっている。
だから、僕は相場が盛り上がっているときほど、少し立ち止まって考えたい。
株価が上がれば、もっと上がると思う。
下がれば、今度はどこまで下がるのかと考える。
人間だから、そんな気持ちはある。
でも、周囲が熱くなっているからといって、僕まで熱くなる必要はない。
僕には、僕の投資方針がある。
安く買う。長く持つ。配当をもらう。
AI関連株が上がっているからといって、慌てて飛びつくつもりはない。
反対に、AI関連株が急落したからといって、すべてが駄目になったとも思わない。
大切なのは、株価の動きだけで判断しないことだ。
企業は利益を生み出せているのか。
借金に無理はないのか。
将来の成長は、株価にどこまで織り込まれているのか。
そうしたことを考えながら、投資と向き合う。
もちろん、相場の天井を当てることはできない。
上がると思って買えば、下がるかもしれない。
下がると思って待っていれば、そのまま上がるかもしれない。
結局、未来は分からない。
だからこそ、自分が理解できる銘柄を選び、納得できる価格で買う。
そして、長く保有する理由がある限り、配当を受け取りながら持ち続ける。
それが、僕の投資だ。
AI相場は、まだ続くかもしれない。
大きな調整が来るかもしれない。
どちらになっても、僕がやることは大きく変わらない。
相場の熱狂に乗るより、自分の投資方針を守る。
AIが世界を変えるとしても、僕の投資まで変える必要はない。
安く買って、放置する。
そして、配当をもらう。
それが、僕なりの「投資は放置」だった。




