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異世界で薬師になりました。――薬草と魔法と、ときどき恋。  作者: SETO
第1章「薬師見習い、はじめました!」

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3話 薬師ギルドに到着



はい!ついにやってきました薬師ギルド。

中に入った瞬間、薬草のにおいがした。

私は薬草の臭い結構好きなんだよね。なんだか、身体がすっきりする感じがするの。

人によっては、えーっていう臭いかもしれないけどね。


挿絵(By みてみん)


「ミントさん、こちらはアイリスさんです。本日神殿に到着されました」

「あ、アイリスです。よろしくお願いします。」

「アイリスさんですね。薬師ギルドの受付をしているミントです。」

「ラウレンス司教様、アイリスさんは本日神殿にいらしたんですよね?」

「はい、そうです。女神様からのご神託で、こちらにご案内いたしました。」

「はい、わかりました。それでは1つずつ丁寧に説明したほうがいいですね。」

「そうですね。そのようにお願いいたします。」

「承知いたしました。それでは、アイリスさん、どうぞこちらへいらしてください。」

「それではミントさん、あとをよろしくお願いいたします。」

「はい、お任せください。ラウレンス様、ありがとうございました。」


あのイケメンオジサマ、ラウレンス司教っていうのか…。

受付嬢はミントさんね。なんか美人のお姉さんだけど、私より年上かな?


「アイリスさん、私についてきてくださいね。」

「はい。」

「こちらです。こちらのお部屋へどうぞ。」

「ありがとうございます。」


案内された部屋の中に入ると、奥の椅子に、おばあちゃんが座っていました。おばあちゃんだよ、おばあちゃん!


「ポピー様、神殿から来られたアイリスさんです。」

「おやおや、新しい住人さんだね。神殿からということは、何か知識があるのかな?」

「えっと、知識っていうと…」

「お前さん、この世界ではないところからここに来たんだよね。」

「はい。おばあさん…は、ご存じなのですか?」

「おほほ。私はここのギルドマスター、ポピーというんだよ。」

「え、ギルドマスター!す、すみません…」

「気にしなくてもいいよ。アイリス、だったかい、おまえさんも、私のことはポピーと呼んで構わないよ。」

「あ、はい。ありがとうございます、ポピーさん。お世話になります。」

「うん。それでいいよ。さて、アイリスは、どんな知識を持っているのかね。」

「えっと、私は、医師になるための勉強をしていました。」

「いし…とはなんじゃ?」

「えっと、医療行為をする人なんですが…」

「薬師ではないのかい?」

「医師になるには、病気やけがを診て治すために、体のことや、薬が体にどう効くかも勉強していました…えっと、私が勉強していたのは治癒をする側です。」

「治癒学か…フム…それで、アイリスの世界では治癒学を修めるには薬学も勉強する必要があったと…」

「えっと、たぶんそんな感じです。」

「フム、なかなか面白いね。それに、ふむ。魔力もしっかりありそうだね。」

「魔力、私に魔力があるってわかるんですか?その、量とかも…」

「何となくだけどわかるよ。アイリスはなかなか良い薬師になりそうだね。女神様が薬師が良いと言って、アイリスはここに来たんだろ?」

「はい。その、薬学をもっとしっかりと学んで、そして、治癒学ももし学ぶことができれば、前の知識も生かせるかなと思ってます。」

「そうかい。うんうん。自分のペースでよいから、ここで学びながら薬師を目指すとよいよ。」

「はい、ありがとうございます。」

「ミント、だいたいアイリスのことはわかったから、これからのことを説明してあげなさい。」

「はい、ポピー様。」

「アイリス、頑張るんだよ。わからないことがあれば、ミントでも私でも構わない。良い薬師になってほしいね。」

「はい、頑張ります!」

「ではアイリスさん、移動しますので、また私についてきてくださいね。」

「はい。ポピーさん、これからよろしくお願いします。」

「はいはい、頑張りなさいね。」


ミントさんに連れられてギルマスの部屋を出たんだけど…ポピーさんとの面談だったのかな?


「あの、ミントさん…さっきのはギルマスと、あのギルドマスターのポピーさんとの何か面談みたいなものだったんですか?」

「あぁ、ポピー様は必ず新しい方にはお会いします。人となりを見る、っておっしゃってましたよ。薬師は薬草も育てます。そして人々のための薬を作ります。お金儲けよりも人のために、という気持ちが無いとだめなのです。人々を病気やケガから守ったり、助けたり、人を助けるという気持ちが無い方では薬師にはなれません。また、資質はあっても適性が合わない場合があるんですよ。アイリスさんは、神殿からのご紹介ですので、まったく問題はないのですが、ここでは、希望する職業のギルドに申し込むことはできます。もちろんその前に、ギルドマスターとの面談がどこのギルドでも必ずあります。」

「そうなんですね。」

「はい、あ、着きました。こちらのお部屋にお入りください。薬師ギルドについてのご説明をしますね。」


倉庫のような部屋と続いている相談室のような部屋に入るよう促された。

なんか…倉庫側のほうはいろいろな道具が置いてある。

何に使うのかわからないものとかもあるけど、薬師っぽい~。


「まず、アイリスさんは、異世界からの転移者、ということですよね。」

「はい。」

「それでは、こちらがギルドカードになります。いま、水晶台の上にカードを置きます。置いたカードの上にアイリスさんの手を乗せてください。少し光りますが、10秒ほどです。その間、手は動かさないでくださいね。」


ミントさんが何か魔法を使った?みたいで、水晶台ごとカードが光り出して、何か私の中からカードにスゥ~っと流れていくのがわかった。別に何か吸い取られたってわけじゃないんだけど…


「はい、終わりました。こちらは身分証明書にもなりますので、こちらのケースに入れていつも身に着けてくださいね。」


ギルドカードケース?のようなものを一緒にもらった。腰に巻くことも、斜め掛けすることも、カバンに入れることもできるようだ。


「それから、そちらのギルドカードは報酬を預けたり引き出したりするときに必要になります。」


なんと!これは銀行カードでもあったのか!!!これは便利だわ~


「報酬を引き出したいときは、ギルドに来ればよいんですか?」

「はい、そちらのカードを持って、入出金窓口がありますので、そちらで手続きをして下さい。」

「あ、分かりました。」


ATMはなかったか…


「それから、支度金として、そちらのカードには1000メルが入金されています。」

「え、結構な額ですよね!」


神殿に降りるときの金色の光が教えてくれた知識として、通貨とか物価のこともあったんだよね。

物の値段は日本と大体似ていて、食材なんかは割と安めかなーって感じ。

報酬がもらえるようになるまでの手持ち資金としてはありがたいと思う。


「これは、どこのギルドでも同じです。新しく職業に就く場合は、その担当ギルドから支度金として1000メルが用意されます。支給から1か月以内に別の職業に移る場合は、残った支度金は返金となります。ギルドカードも、新しい職で作り直しになりますので。」

「そうなんですね。」

「はい、それから、薬師ギルドの場合は、居住する家は基本的に一軒家になります。」

「え、そうなんですか?」

「はい。薬草を育てていきますので。」

「なるほど。」

「先ほど、ポピー様が、アイリスさんが居住するのによいところを決めてくださいましたので、この後、そちらにご案内いたします。」

「住むところもあるんですね。」

「はい。地方から町に出られる若い方も多いですので、どこのギルドでも育成を兼ねて、そのように対応をしています。ギルドによっては共同住宅のようなところが多いですが、薬師ギルドは庭が必要ですので、一軒家となっております。そのため、少し町からは離れますが、治安や安全面などは問題ありませんのでご安心ください。」

「そうなんですね。」

「それから、支度金のほかに、当面の食料、モギーという薬草の苗、見習い用の道具セット、生活必需品セットなども一緒にご用意してあります。」

「すごい、至れり尽くせりなんですね。」

「皆様が安全に過ごせるようにこの国のギルドでは、すべてそのようになっております。」

「すごいですね。」

「町の様子も少しずつ知っていただく必要がありますが、職のスキルや熟練度も上げていく必要がありますので、ギルドでは初期の生活の支援をして、安心して修練できるように支援しております。」

「すごい…」

「この後、荷物のご用意ができましたら、アイリスさんの住む家へとご案内します。」

「ありがとうございます。」


ミントさんは、手に持っていたファイルから、説明のための紙を取り出して見せてくれた。


「後ほど、アイリスさんの家に到着しましたら、苗の植え方、薬草の育て方をご説明します。その前に、家賃についてと家の諸説明、ギルドへの納品についてご説明します。」


ミントさんは細かなことが書いてある紙を私の前に置いてくれて、説明を始めたの。

要約すると大体こんな感じでした。


・支度金は1000メル、約1か月分の生活費として支給される(1か月以内に、職を変えるときは残金は返金、ギルドカードは回収となり、新しい職のギルドで作り直す)

・居住用の家を用意してくれる。寝室、DK、調合室っぽいところ、お風呂とトイレがあるらしい!(女神様が、日本とだいたい同じってこういうことだったのね…)

・家賃は納品報酬から自動的にひかれるらしい。見習いの間はすっごく安いんだって。

・借家の間は家の増改築は不可能だけど、家具を購入したりは自由らしい。

・家も気に入ったら将来買い取ることも可能らしい。でも中級以上とか、5万メルとか?まだ見習いだからだいぶ先の話だね。詳しいことはその時にもう1回聞こうと思う。あと、別のところに引っ越すこともできるらしいけど、それも原則中級以上らしい。

・当面の食材を支給してくれるらしい。ミントさん曰く、2~3週間ほどは大丈夫らしい…

・借家には薬草畑があるので、それで薬草を育ててギルドに納品する。レベルが上がると調合の講習もあって、薬が作れるようになるらしい

・他にも、食料用の畑とか、果樹を植えられる場所もあるんだって。ただ、見習いのころは、まず薬草を育てるレベルとか、スキルを上げないといけないから、そちらのお世話は少し慣れてからのほうがいいっていう話でした


当面は頑張って薬草育てなさい、ってことだね。


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