第23話_未来への、約束
その夜、私たちは誠二のマンションで向かい合って座っていた。
ソファに並んで座り、彼は私の手を握ったまま離さない。
「今日の件……本当に危なかったな」
誠二が静かに言った。
私は彼の手に自分の手を重ねて、頷いた。
「うん……私も、心臓が止まるかと思った」
少しの沈黙のあと、誠二が真剣な目で私を見つめてきた。
「香織。もう、隠し続けるのは限界だ。
お前を『同僚』としてしか見られないのが、辛い」
私は彼の瞳をじっと見返した。
「……私も同じよ。
誠二を他の人の前で『長谷川さん』って呼ぶのが、だんだん苦しくなってきた」
誠二は私の手を強く握り、熱い声で言った。
「じゃあ、決めた。
このプロジェクトが終わったら、ちゃんと付き合ってるって、周りに言おう」
私は一瞬、息を呑んだ。
「本気で?」
「本気だ。
お前が俺の彼女だって、堂々と言いたい。
誰が何と言おうと、関係ない」
彼の真っ直ぐな想いに、胸が熱くなった。
私は彼の胸に顔を埋めて、小さく笑った。
「誠二……嬉しい」
誠二は私の頭を抱きしめながら、優しく囁いた。
「香織。お前が俺を好きでいてくれて、俺もお前をこんなに愛してる。
もう、ゲームなんて必要ない。
これからは、ちゃんと二人で未来を考えよう」
私は彼のシャツを握りながら、そっと頷いた。
「ええ……私も、誠二と一緒にいたい」
彼は私の顔を優しく持ち上げて、深くキスをした。
今までのキスとは違う、未来を約束するような、温かく確かなキス。
唇を離したあと、誠二は私の額に自分の額をくっつけて、静かに言った。
「約束する。
これからも、お前を一番に想う。
そして、いつか……お前を堂々と俺のものだって言える日が来る」
私は彼の言葉に、嬉しさで胸がいっぱいになりながら、そっと微笑んだ。
「私も約束する。
誠二のそばにずっといる」
その夜、二人は強く抱き合いながら、未来のことを少しずつ話した。
オフィスではまだ秘密のまま。
でも、心の中では、もう完全に「本気の恋人」になっていた。
(第24話へ続く)
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