06-02.新たな問題
私たちは世界中を回った。
私は転移を使い、皆は四神獣に乗って。
世界中の魔獣たちをダンジョンコアに取り込んでいった。
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「どういうつもりだ」
お兄ちゃんに呼び出されたのはそんな時だった。
「どういうとは?」
「魔獣素材の流通に支障が出ている」
それと私に何の関係が? なんて、惚けることも出来ただろう。私たちが魔王として動く際には、隠密を徹底しているからだ。四神獣の動員だって誰にもバレてはいない筈だ。
「流石はお兄ちゃんね」
「認めるのだな」
「私たちにしか出来ないことでしょ」
「魔獣たちの急激な成長とも関係することか?」
「ええ。このまま野放しにはしておけないの」
「素材はどうした。魔術で保存しているのか?」
「全部使ったわ」
「何にだ」
「それは言えないわね」
「……」
「ごめんね、お兄ちゃん。その先はアルミディアと関係のないことだから」
「……一人で背負うな。お前はこの国の王女だ」
「ありがとう。けど私決めたの。やるなら徹底的にって。それに一人じゃないわ。家族がいるもの」
「……俺だって家族だ。伴侶ではなくとも」
「そうね♪ 頼りにしてるわ♪ お兄ちゃん♪」
「ならば話せ」
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『味方に付けてしまえばよかったじゃない』
変なことを言うのね。お兄ちゃんは味方よ。
『最後まで情報を隠し通したことについて話しているのよ』
そこはほら。お兄ちゃんに心配掛けちゃうし。
『もう掛けているわ』
線引は大切よ。魔王国の件は明かせないわ。
『徹底的にと言うのなら、兄だって巻き込んで利用するべきだわ』
そう……ね。フィリアの言う通りね。私は結局半端なのよね。英雄を目指したり魔王を目指したり。昼行灯を目指していた時から何も変わっていないのよね。
『全て諦める必要はないわ。視点をマクロに広げなさい。今この時だけ目立っていたって構わないの。人や国はいずれ死ぬわ。クーたちを残して。その先で理想を掴めば』
フィリア。
『……ごめんなさい』
フィリアこそ焦りすぎね。魔獣の回収手段が確立された以上、差し当たっての脅威は取り除かれたも同然よ。
『ううん。違うよ、クーちゃん。その認識は間違ってる』
あらイロイ。遂に話す気になったのね。
『そういうことでもないんだけどね』
なら何が言いたいのよ。
『ダンジョン、増えるよこれから。間違いなく』
……困るわ。それは最悪よ。
『ダンジョンコアを積極的に育ててしまったからね。加えて既に三つも存在していたんだ。ダンジョンを生み出さない約束は解かれている筈だ』
なんで先に言わないのよ。
『ごめんね。どのみち必要なことだったから』
だからって……いえ。もういいわ。珍しく自分から明かしてくれた事に感謝しておくわ。
『こちらこそ。ありがとう、クーちゃん』
『仲直り出来たようね』
別に喧嘩なんかしてないわ、フィリア。イロイが勝手に居づらくなってアヤメの所へ逃げていただけよ。
『あはは~♪』
『どちらでもいいわ。仲良くやりましょう』
否はないわ。
『うん♪』
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ダンジョンの魔獣たちが使う力は実に多彩だ。
彼らはこの世界の人や魔獣たちとは違う。
魔力属性に縛られていない。
世界はいくつも存在している。
その世界毎に違う力を扱うのは普通のことなのだそうだ。
魔力、霊力、呪力、超能力、スキル……etc。
それぞれなんと呼ばれるのかはその世界次第だ。
そして同じ魔力であったとしても、その性質は様々だ。
この世界の場合、本来人々が持ち得ない魔力を女神が授けることで成り立っている。
人々は魔獣に抗うことが出来ている。
今まではそれでもよかった。魔獣たちが持ち得る魔力もまた、それぞれに一つの属性だけだったからだ。
しかしダンジョンの魔獣……魔物たちは違う。奴らは属性など関係なく魔力を扱える。そもそものルールが違うのだ。
世界はより深刻な危機を迎えようとしている。
私たちは備えねばならない。
真の魔王と成るために。
人の守護者となるために。




