↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虚空少女の風騙り ~ 英雄王女の異世界昼行灯 ~  作者: こみやし
05.英雄王女

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
85/125

05-17.次なる計画


「次はクラリス回だっけ?」



 またお姉ちゃんは。身も蓋もない言い方を。


 確かに次に目指すべきは東方の離島だ。


 そこは大陸と打って変わって、和風文化が根付いている。ユキノやアヤメの先祖もその離島の出身だ。たぶん二人が実際に行ったことは無いだろうけど。


 ともかく、次回の担当巫女はクラリスだ。


 青龍(ドラコー)に乗せて行ってもらうとしよう。



「あそこも一応、アルミディア王国の領地なんだよね」


「そうよ。文化も何もかも独自のものだけどね」


「イロイが作ったの?」


『ううん。先代だよ~』


 二千年以上前からあるのね。あの離島。



「随分特殊な環境にあるんだね」


「ええ。だから今回はやり方を考えなくてはならないの」


「というと?」


「敵はオーガの群れよ」


「敵が複数だから討伐が大変ってこと?」


「いえ。そうではなく」


 なんでアヤメが知らないのよ。今の一言で伝わると思ったのに。



「あの離島の人たちって強いのよ。基本的に。だから大抵のことなら自分たちで解決するわ。そんな人たちが救援を求めてきたってことが問題なのよ。たかがオーガを相手にね」


 つまりは相当特殊な群れなのだ。加えて、軽く蹴散らすわけにもいかない事情もある。そんな事をすれば、現地の人に感謝されるどころか疎まれてしまうかもしれない。今回はワイバーンの時以上に、現地人のプライドを傷つけないように事に当たる必要があるわけだ。



「そんなに切羽詰まってるならなんでもっと早く行かなかったの?」


「出現の報告は先に来ていたけど、援軍要請は中々来なかったのよ。だから後回しにせざるをえなかったの」


「そっか。勝手に踏み込んで手柄を横取りするわけにもいかないもんね」


 そうなのよ。色々面倒くさいのよ。全部お兄ちゃんが手続きしてくれてるから私の手間ではないけれど。



「けどなんでオーガって弱いの? 普通創作なら、それなりには強い方じゃない?」


 それすら知らないのね。



「簡単よ。魔力壁を纏っていないからよ」


「え? なんで?」


「さあね。奴らは何故か魔術を扱えないの。魔石も持っているのに肉体ばかりが強くなっていくの。それでも奴らの筋肉には魔力が練り込まれているから、確かに膂力は強大よ。生半可な武器も通じないわ。けれど魔術への耐性が一切無いから、魔術師なら簡単に討伐出来る筈なのよ」


「なるほど……この世界ならではのルールで雑魚扱いされちゃってるんだね……」


「この世界だけだなんて誰が言ったのよ」


「え? イロイだよ?」


 いつの間に二人で話してたのよ……。



「随分仲良くなったようね」


「まあね。毎晩夢の中に現れるし」


 ……なんか面白くない。


『クーちゃんが言ったんじゃん。口説いて良いって』


 ……わかってるわよ。うっさいわね。


『理不尽……』



「そっかぁ。物理特化型かぁ」


「今回ばかりはお姉ちゃんの出番なんてないわね。奴らの筋肉を風で断つのは難しいもの」


「ちょっと怒ってる?」


「怒ってないわ」


「うそ。クーちゃんなんか怒ってる」


「怒ってない!」


「ごめん……」


 もう。こんなことでションボリしないでよ。虐めてるみたいじゃない。


『違わないよ?』


 うるっさい!!


『ごめんなさ~い』




----------------------




「クーちゃんたら。どんどん我儘になってるんだから」


 今日も今日とて夢の中に現れたイロイに愚痴を零す。


 いかんいかん。可愛い妹の陰口だなんて。



「アヤメが甘やかし過ぎたからじゃん」


「仕方ないじゃん。相手はクーちゃんなんだから」


 わたしの妹で恋人だ。厳しくなんて出来る筈もない。



「イロイはいいの? こっちじゃなくて、クーちゃんの方に行けば? せめて今日くらいはさ」


「ふふん♪ 良いのよ♪ 昼間はずっとクーちゃんの心に寄り添っているんだもの♪」


「ズルいなぁ」


「アヤメもフィリアスを手に入れなさい♪ そうすればいつでも繋がっていられるよ♪ フィリアスには独自の精神ネットワークを構築する力もあるんだから♪」


「そういうのは早く言って! というかどうやって手に入れるの!? ダンジョンはアレっきりなんでしょ!?」


「そんなの簡単よ~♪ コアに新たなダンジョンを産ませるの♪ 折角だしあの魔王城もダンジョン化しちゃおっか♪ というかヒマリはもうやってるよ♪ 謁見の間だけとはいえ流石に掃除が早すぎると思ったでしょ♪ あれはダンジョン化を応用したんだよ♪」


「なるほどね~」


「そ・れ・で♪ 実はお願いがあるの♪ 大親友のアヤメにしか頼めない大事なお・ね・が・い♪」


「いつから大親友になったのさ。……別に構わないけど」


「やった♪ ならね~……ごにょごにょ……ごにょごにょごにょ……」


「……え~……しょうがいないな~……けど~」


「もっちろん♪ クーちゃんには内緒だよ♪ 二人だけの秘密だね♪ ちゅっ♪」


「あ、そういうのは結構です」


「なんでさ!? 女神様の投げチッスが嬉しくないと!? 我美女ぞ!?」


「わたしクーちゃんにしか興味ないんで」


「このロリシスコン!」


「同じ相手を好きになったとは思えない暴言」


「バカップル!」


「あはは~♪ そー見える~♪ えへへ~♪」


「褒めてないよ!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。